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短期間で急成長した企業の経営者 3つの共通点

2023.05.04
「企業を著しく成長させる経営者」には、どのような共通点があるのか?私がコンサルタントとして26年間、経営者を研究して発見した、成功の条件をみなさまにお伝えしたいと思います。

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私の専門領域である住宅リフォーム業界の中小企業にも、短期間で著しい成長を遂げた企業がいくつもあります。それらの企業の凄腕社長に話を聞くと、「スタンス」と「手法」にある法則性があることがわかりました。

会社を成長させる社長の「スタンス」

画像提供:PIXTA

舩井幸雄が提唱していた成功の3条件、「すなお・勉強好き・プラス発想」。これらをしっかり実践し、成功している経営者は多いです。

東北エリアにあるA社は、住宅メンテナンス事業、太陽光発電システム販売事業を展開する企業です。2008年からのお付き合いで、2億円だった年商は20億円へと成長しています。

この会社を立ち上げた社長は決してエリートではありません。高校は中退、就職しても長続きせず15回も転職を繰り返してきた「ダメ人間」(本人談)だったのです。そんな彼が「俺の人生、このままではいけない」と一念発起して始めたのが、成功者の考え方と行動をひたすら勉強し、それを素直に実行することでした。

トラック運転手として働いていた彼は、時間もお金もなかったため、運転席で経営者の講演録などを繰り返し聞きながら、その成功のルールを自分の中に染みこませ、起業したのです。

彼の座右の銘は「逆境には、すべてそれ相応かそれ以上の大きな利益の種子が含まれている」(ナポレオン・ヒルの言葉)。A社の社長は、この言葉を体現し、会社を伸ばし続けています。

会社を成長させる社長の3つの「手法」

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会社を成長させている経営者が行っている手法を見ると、3つあることが分かります。

① ナンバーワン志向 ②人と販促への投資 ③KPI×PDCA

それぞれについて具体例を見ていきましょう。

①ナンバーワン志向

舩井幸雄は「1番になれる『所』と『物』を探せ」と言いました。「競争市場はシェアが1番の企業を中心に展開される」「マーケティングとは1番になれる商圏、商品、客層を見出すことである」とも言っています。

なぜ「1番」にそこまでこだわるのでしょうか?それは1番と2番には大きな差があるからです。例えば「日本で1番高い山は?」と聞かれれば、日本人は誰でも「富士山」と答えるでしょう。しかし「2番目に高い山は?」を聞かれて、即答できる人は少ないです。1番と2番のイメージの差は、2番と100番の差よりも大きいのです。

経営もこれと同じく、お客様は「1番」の会社に集中します。ですから会社を成長させる社長は常に「1番」を目指しています。

大阪に本社を置くリフォーム業のB社の社長は、先代の急逝によって、28歳で社長に就任。それから14年で商圏を関西エリアから関東、東海、四国、九州へと拡大し、年商は10億円→75億円となり、国内トップクラスの独立系リフォーム会社へと大きく成長させました。

彼は社長に就任するとき、会社が進むべき方向を定めるため、家電量販店などの他業界の事例を研究しました。そして、生存確率が高いのは「マーケットシェア(一番店)型」、または「ニッチ(非競争)型」の企業であるとわかり、自社は「マーケットシェア(一番店)型」」で行こうと決めたのです。

日本には企業が421万社あり、大企業はその内のわずか0.3%の1.2万社です。この社長はその0.3%に入ると覚悟を決めました。

一番化するためのステップは、①First-one(他社に先駆けてやる)②Only-one(他社にない独自性を持つ)③Number-1(他社が追いつけない状態まで自社を高める)です。

言い換えれば「すぐやる・徹底的にやる・結果を出すために「やり抜く」」です。

②販促と人への投資

埼玉県でリフォーム業を展開するC社は、7年前までは社員5人、年商2億円の会社でしたが、現在は社員18人、年商6.5億円に成長しています。この会社は以前、下請け比率が8割でしたが、高収益企業を目指して元請けの受注に注力し、元請け比率95%にまで上げ、会社を生まれ変わらせることができました。この成功の鍵となったのは、チラシ販促に思い切って1000万円を投資したことでした。

この会社は年商3億円を超えることが最初のハードルだったのですが、自社が勝負すべきタイミングで販促にしっかり投資したことで、それを乗り越えられたのです。

私は、企業が次のステージに進むための販促投資の目安は、粗利の10~15%と考えています。

愛知県に本社を置くD社は、建設業、不動産業を展開する企業です。私は7年前にこの会社からコンサルティングの依頼を受けました。当時の年商は5億円でしたが、社長からは「100億を達成するためのコンサルティングをお願いしたい」と言われました。それから7年で年商は5億円→50億円に伸び、社長の構想に年々近づきつつあります。

この社長の経営スタイルの特長は「人への投資」です。採用に力を入れて週1回の会社説明会を実施し、若い人材を獲得。社員とのコンパも毎月実施。社員と社外のステークホルダーに会社の将来構想を伝える事業計画発表会も年に1回開催しています。

これらの取り組みが実を結び、新卒採用した社員は現在、会社の主力として活躍し、社長のビジョンに共感して入社した中途社員は社長の右腕となっています。

企業が「年商10億円」のハードルを超えられるかどうかは「人への投資」で決まります。私は採用への投資の目安は粗利の3%と考えています。

③KPI × PDCA

私がどんなコンサルティングをするときでもベースとしてきた「ビジネス公式」があります。ビジネス公式とは売上や利益など、求める成果を因数分解したものです。

上述した東北エリアのA社の場合、太陽光発電システムを販売していますが、その契約数を因数分解すると

契約本数=営業コール数×DMのアポイント率×商談アポイント率×商談率×契約率

となります。これらをKPI(重要指標)設定することによって、目標契約数を実現するためには営業コールを何件行うべきかを導き出すことができます。

A社では、この公式から、投資すべきは「コールの強化」であることがわかり、コールセンターの開設、テレアポスタッフの増員、テレアポシステムの導入を行うことにしました。

その結果、太陽光発電システム販売事業の売上は2億円→12億円、経常利益は60万円→2億円になりました。

A社の社長は創業時、経営に関する数字を細かく見ていませんでしたが、それを改めて、常に数字を見て反省と対策を繰り返すことによって会社を成長軌道に載せました。

彼がしたのは正に「PDCAサイクルを回す」ことです。 ビジネス公式とKPIを基に、PDCAを繰り返すことが、企業を成長させる経営者の考え方です。

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