商談の可視化で即戦力。AIが暴く「売れる」正体

2025.12.18
「新人の成長が遅い」「なぜ指示したことができないのか」。こう悩む経営者やマネジメント層は多くいます。問題の根本は、優秀な営業担当者ほど、「自分は最初からできたので、どう教えればいいかわからない」という構造にあります。
この解消策は、これまで感覚的・属人的だった指導を、AIにより言語化・平準化することです。「営業研修+AI」で新人を急成長させる方法を解説します。

アナログな営業研修、効果がパッとしない2つの理由

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従来の営業研修は、構造的な問題により、指導の質と効率に限界が生じていました。

①属人性の高い指導の限界
営業研修は、主に社長やトップセールスなど、営業経験が豊富な人が行います。しかし、彼ら営業上手なベテランほど、自身の成功要因を言語化できません。成功への努力や工夫を忘却しているか、あるいは、生まれつきのコミュニケーション能力、性格といった属人的要素が影響しているためです。

結果として、育成に苦慮する新人に対し、「相手の気持ちになってヒアリングしろ」「お客様に興味を持て」「お客様との関係性を構築しろ」など、抽象的・感覚的な指導になる傾向があります。抽象的かつ精神的な指導が続くことで、新人が営業のコツをつかめず、結果的に離職につながるといった負のループに陥るケースも見られます。

②実際の商談は「ブラックボックス」のまま
研修で理想的なトークスクリプトやマニュアルを伝えても、営業マンがお客様と向き合う実際の商談の中身は本人しか分かりません。他の社員から見ればブラックボックスです。

特に社外へ出る営業の場合、最初の数回は先輩が同行しても、その後の商談は新人一人というケースが目立ちます。マネージャー側は商談で具体的に「何を」「どう話しているか」を把握できず、また新人側も商談内容を主観的に伝えるため、適切なフィードバックが困難でした。

それでも、これまでは「優秀な新人」さえ採用できれば対応できる側面がありました。しかし、昨今は採用難が深刻化し、思うような人材を採用できない企業も増えています。全ての営業スタッフを戦力化する、再現性の高い育成手法が不可欠となっているのです。

ノウハウ「言語化」で商談成功パターンを抽出

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AIを営業研修に活用する理由は、これまで感覚に頼りがちだった営業をすべて「言語化」し、データを蓄積・横展開することで、全営業スタッフの能力を一定の高いレベルで「平準化」できる点にあります。

AIの文字起こしと分析能力を活かし、成果の出る商談のパターンを発見し、マニュアルに落としこめば、新人に「成功パターン」を最速で落とし込むことが可能です。

例えば、優秀な営業担当と成果の出ない営業担当の商談を録音し、その文字起こしデータをAIに分析させ、「AさんとBさんにどのような違いがみられるか」と尋ねることで、次のような形で具体的な差分が分かります。

優秀な営業担当者「まずは今月をめどに、小規模な部署でのトライアル導入をご提案します。実際に使っていただき、効果を確認いただいた上で全社展開を検討いただければと思います。」
成果の出ない営業担当者「早く決めていただければ、今月中に納品できます」

AIはこうした違いを見つけ、場合によっては表形式で出力します。

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