5年で一生分稼いだ経営者に学ぶ「差別化」のハウツー
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2026.03.17

- 船井総合研究所の神徳あやが伴走した経営者のなかで最も成功した方が実践していたこと。それは「常識を見直す」ことでした。今回は、業界の常識を見直したことで、業界トップクラスの顧客数を獲得し、5年で実質的な「FIRE(早期リタイア)」を実現した、ある士業経営者の事例をお伝えします。

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イノベーションと聞くと、誰も見たことのない新技術や、革命的なひらめきが必要だと思われるかもしれません。
しかし、ビジネス現場では、もっと足元の常識を見直すことからイノベーションが生まれることが多くあります。
当たり前を見直す

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ビジネスを爆発的に成長させる方法の1つは、狭い世界の「常識」を捨て、広い世界の「当たり前」を素直に取り入れることです。
①白いシンプルな名刺から「話題になる名刺」へ
この経営者がまず変えたのは、名刺です。
当時、士業の名刺といえば、白地に事務所名、名前、電話番号、そしてメールアドレスがあるかないか、といったシンプルなものが常識でした。

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しかし他の業界では、名刺を広告媒体として活用している会社も多くあります。
そこで、まずは顔写真入りの名刺を作成。裏面には自身の強みやメディア掲載実績、人柄が伝わるプロフィールを丁寧に記載しました。
この名刺を持って、異業種交流会に出かけると、名刺交換するたびに、相手と話がはずむようになりました。
②ツテ頼みから、ウェブ集客へ
また、この経営者は業界で先駆けて、ウェブ集客に注力しました。
当時、BtoB向けの顧問弁護士を探す手段といえば、知人の紹介やロータリークラブのような経営者同士のつながりが中心で、料金体系も不明瞭でした。
しかし、時代はスマホ普及の真っ只中。この士業事務所が顧客ターゲットとしていたIT系スタートアップ企業の経営者たちは、ネットで情報を検索し、比較検討することに慣れていました。
また、BtoC向けの士業のなかには、離婚調停や債務整理などにウェブ集客を活用し、成功する事例が増えていました。
そこでウェブサイト上で料金体系を明確に提示し、「お問合せには24時間以内に返信」と掲げました。
この戦略が功を奏し、合理性を好む新興企業の経営者たちから、強い支持を集めることになったのです。
③課題解決型から「課題予防型」へ
提案内容も他のBtoB士業と差別化しました。
それまでBtoBの士業といえば、なにか有事の際に頼る存在と見られていました。
特にITスタートアップは、新しいサービスを次々と生み出しますが、その利用規約や契約書はネットの雛形をコピペしただけ、というケースが少なくありません。
契約書の内容が自社に不利になっていることにも気づかず、知らぬ間にリスクを背負ってしまうことも。
そこで、規約や契約書の内容に不備がないかを、気軽に相談できる仕組みを構築。チャットツールを活用し、クライアントが日常的に連絡できる環境を整えました。

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「なにかあったら面談に来てください」という従来の士業のスタイルから、「何か訊きたいことがあったらチャットをください、すぐ返事します」というスタンスに、サービスを転換したのです。
④1社専任から「多くの企業」を相手に
結果として、顧問先は10社あれば多いとされる業界で、ひとりで約70社もの契約を獲得するに至りました。
予防に注力したことで、突発的なトラブル対応に追われることが減り、仕事はPC一台あればどこにいてもこなせるようになりました。
時には海外を旅しながら仕事をするという、士業らしからぬワークスタイルを確立したのです。
現在は顧客数を絞り、「やりがい」「自由」「絆」を大切にして過ごしていらっしゃいます。いわゆる「FIRE」した人だと言えるでしょう。
自己効力感を高く保つ

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名刺の工夫、料金の明示、ネット集客、チャット対応。 これらは、他の業界を見渡せば決して珍しいことではありません。むしろ当たり前の施策です。
では、なぜ他の士業経営者はそれをやらなかったのでしょうか?
逆に、なぜその経営者は、他社に先駆けて変革ができたのでしょうか?
その理由は、高い「自己効力感」を持っていたからではないでしょうか。
自己肯定感が「存在そのものに対する自信」だとしたら、自己効力感は「目標を達成するための能力に対する自信」です。
失敗も笑顔で糧にできる
士業の方々は、総じて優秀です。しかし、優秀であるがゆえに、「失敗したくない」「業界の権威や常識から外れたくない」というプライドが邪魔をして、新しい挑戦を躊躇してしまうことが少なくありません。
しかしこの経営者は、失敗も笑い飛ばせるような、極めて軽やかなマインドセットを持っていました。
例えば、ある時セミナー集客のためにファックスDMを送ったことがありました。結果は、申し込みどころか「勝手に送ってくるな」というクレームの嵐。
普通なら落ち込むところですが、その方は「セミナー参加者の満足度は高かったですし、顧問先も受注できましたね。
でも送るだけでクレームがくるので、もうやりません!」と笑い飛ばしていました。
船井総合研究所の創業者・舩井幸雄は、成功の3条件として「勉強好き・プラス発想・素直」を挙げました。
成功者が持つ「自己効力感」とは、これら3つの要素を自然と内包している状態と言えそうです。

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ご紹介した事例は2010年代前半のもの。小手先のテクニックは古いかもしれません。
しかし、その根底にある考え方は、今も決して色あせてはいません。
まずは自身の業界の当たり前を疑ってみてください。そこに、次のイノベーションの種が眠っています。
特に、異業種の経営者と会うことで、自社、あるいは業界内の常識が、他の業界では非常識であることに気づくかもしれません。
みなさまもぜひ思い切って、まったく未知の業界の交流会や、企業視察に出かけてみてはどうでしょうか?


