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「質を重視した評価制度」の作り方

2023.04.19
事業戦略を確実に実行していくためには、組織戦略も時流に合わせて変えていく必要があります。
私がこのようなことをお伝えする背景にあるのが、船井総研が提唱している「下山経営」という時流です。
下山経営時代の評価制度についてお伝えします。

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1.「下山経営時代」の評価制度

「事業戦略」すなわち「やり方(何をするか)」については、今の時流に合わせた手法を取り入れていらっしゃる会社様がほとんどだと思います。

一方で、「組織戦略(実行体制)」言い換えれば「どのように行うか」についてはいかがでしょうか? 「これをする」は決めても、実際にやり切れていない会社様は多いです。

せっかくの事業戦略も、実行できなければ絵に描いた餅、意味がありません。

確実に実行していくためには、事業戦略だけでなく組織戦略も、時流に合わせて変えていく必要があります。

このようなことをお伝えする背景にあるのが、船井総研が提唱している「下山経営」という時流です。

下山経営の対義語は「登山経営」で、例えばこんなイメージです。

・売上・利益が最優先

・不特定客への大量販促(マスマーケティング)

・大量採用・大量退職 

・成長速度を重視 

・オーナー一族の幸せ追求

登山経営を一言で言うならば「量」が重視されていた時代のことで、「事業戦略」が重視されていた頃でした。

今から2015年頃までを指します。

2015年以降は「下山経営」の時代に入り、

例えば下記のようなキーワードが出てきます。

・幸せ度・ミッションを重視 

・特定客へのピンポイント販促(1 to 1マーケティング) 

・少人数採用・退職ゼロ化 

・成長の安定度を重視  関

・係者すべての幸せ追求

下山経営を一言で言うならば「質」が重視されている、「組織戦略」が重視されている時代です。

コロナ禍の「閉塞感」があったここ2~3年は、全国的に「退職」も相次ぎ、

・次を担う若手がいない 

・若手のリーダーが育たない

といった状況に陥る会社様も出てきました。

すると、実行体制が整っていませんから、経営計画で立てた「重点テーマ」の推進ができず、せっかく立てた計画が達成できなかった……。

そんな会社様もいらっしゃるのではないでしょうか?

これを解決するカギは組織の「実行力」を上げること。この一点に尽きます。

石川県金沢市A不動産様では、若手を中心に、組織の実行力が伸びたため、コロナ禍でも管理戸数を伸ばしたり、新規出店して商圏を拡大されていらっしゃいます。

そんなA不動産様の組織実行力UPのきっかけは、下山経営時代に合った「評価制度」でした。

2.評価制度に求められる「質」

画像提供:PIXTA

先ほどお伝えしたように、下山経営の時代は「質」が重視されます。

これは「評価制度」も同じで、登山経営時代に有効だった、単に「給与」や「賞与」を決めるための評価制度から、新しい評価制度へ転換しなければいけません。

では、評価制度の「質」とは何か?

社員の成長を後押しし、組織の実行力を高めていく。そんな「成長支援型」の人事評価制度が下山経営の時代に求められています。

そして、A不動産様でもこの「成長支援型」人事評価制度をちょうど下山経営の時代へ変わる5年前から実装されていました。

もちろん、給与も決定しますが、そこがゴールではなく、会社が求める姿を基準に「社員がどれだけ成長しているか」を評価することで、若手リーダーが170%にまで増えることになりました。

そして、役職者が正しく評価を行うために、自分の部下以外も日頃の様子をよく見るようになり、チーム内外の結びつきが増したそうです。

この話のキモは単に「成長支援型」評価制度を実装するだけではなく、日頃のコミュニケーションやマネジメントが成り立ったうえで、評価制度を運営されていることです。

皆様の会社ではどうでしょうか。社員の成長を後押しするために、評価制度を運用できていますか?

そして、土台となる日常のマネジメントやコミュニケーションは取れていらっしゃいますでしょうか?

3.社員1人ひとりの「成長の軌跡」

せっかくですので、社員1人ひとりの成長を後押しするような動きができているか、セルフチェックしてみましょう。

下記のシートを活用し、貴社の社員様おひとりを思い浮かべながら、成長の軌跡をお手元の紙等に記入してみてください。

いかがでしょうか。

記入後に考えていただきたいのは

・今記入いただいた以上の濃さで書ける社員様は何名いるか?

・評価者となる部長陣や課長陣はこのシートをどこまで埋められるか?

です。

もし、「難しい…」と思われる方は、下山経営の時代に合わせて、「質」を重視した組織づくりが必要なのかもしれません。

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