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社長に必須「これ」がなければ成功はない

2023.07.21
前々回・前回は私が出会った印象的な2人の社長について紹介しました。2人は会社経営において真逆の考えを持ち、それぞれの手法で会社を大きく成長させてきました。しかし、ある共通点がありました。今回は成功する社長について私が大事だと思っていることをお伝えしていきます。

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「成功」とはなにか

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「成功している社長はどんな人ですか?」と聞かれると私は非常に答えにくいです。

そもそも「成功」という概念はどういうものでしょうか?何をすると「成功した社長」と言えるのでしょうか?

私は「成功とは社長によって違う」と思っています。

そして社長自身が「成功したい」という思いを「持っているか」「持っていないか」が大きいのではないかと感じています。

前回・今回、私はA社長、B社長という異なる信念を持った2つのタイプの経営者が、それぞれの手法によって成功した事例を紹介しましたが、近年、会社を運営する上での軸が曖昧になってしまっている経営者の方が多いと感じます。

新型コロナウイルスが流行する前は「まだまだいける!」と言っていたのに、コロナ流行後は「いやいや、やはり難しいかもしれない」と方向性が変化してしまった社長もいます。

社長自身がこうなりたい、会社をこうしたいという姿をサポートするのが、私たちコンサルタントの仕事だと思っています。「少数精鋭で利益を出したい」または「今すぐ利益を出すことができなくても永続的な会社を作っていきたい」という各々の経営者の思いを後押ししたり制度を一緒に考えたりしながら対応していきます。

しかし、私がコンサルタントをしていて一番困るのは、そもそも「会社をどうしたいのか」がない経営者の方に「どうしたらいいですか?」と聞かれたときです。

成功するという概念を明確に持っていなければ、成功することはできないのです。

「迷い」から「現状維持」に

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経営者の方々は日々、不安や孤独と闘っていると思います。さらに、少子化が進んで人口がどんどん減少していくと、これからの未来は顧客の数が増えることは期待できず、反対に競合他社の数はますます増えていく状況になっていきます。時代背景が変わってきている中、多くの業種はこれから厳しくなっていく状況があります。

そうなると、経営者はやはり迷います。「会社をこれからどういう方向に進めていったらよいか?」と。

「生産性を上げて利益を出すか、そうすると人がついてくるだろうか」もしくは「人材を育成しながら長期的視点で会社の将来を考えるか、そうすると利益がすぐ出ないので運営が持つだろうか」

このように会社の方向性として何が正解なのかが見えなくなると現状維持に甘んじてしまいます。その結果として、経営がうまくいかなくなるという事態が起きてしまいます。

「社長自身がどうしたいのか」

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だから、私はいつも思うのです。

「社長自身がどうしたいのか」

「どうすることが自分の中の成功なのか」

社長自身がそれに答えることができないのなら、そもそも成功も何もないのではないでしょうか。

私は現在、企業の組織戦略、事業承継、M&Aを含めた出口成長戦略のコンサルティング活動をしています。M&Aの仕事はある意味究極です。会社を「売るか」・会社を「買うか」の最上級のレベルの選択です。

会社がそういった決断に至るには、明確な方向性を持って進まないとたどり着くことができないのです。

会社を売ってお金を得ることが成功だと思われて決断する経営者の方もいます。一生懸命やってきたので会社を売ることはせず、会社を買って成長していくという選択をする経営者もいます。その決断は経営者によって違いますが、私はどちらも成功だと思っています。経営者自身が「会社をどうしたいか」という思いが大事なのではないでしょうか。

成功のゴールは自ら設定

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書籍の特集などでは、成功する社長の条件について素直で、勉強好きで、プラス発想といった性格的なものがいろいろ挙げられていますよね。

私もよく本を読みながら「この部分は参考になる」という箇所は一部あるかなと思いますが、やはり最終的には成功するか否かの答えは社長自身の中にあると思います。会社経営の見本となる方を見つけ、そのやり方を追うのもいいのですが、自らが「ここがゴール」と設定し、そこにたどり着くまでの動きをしている経営者がいいのではないでしょうか。

「社長のあるべき姿とは?」「あなたはどうしたいですか?」という問いに答えられない経営者は意外と多いです。成功する社長とは、こうあるべき姿や概念を自ら作っていくことだと思います。特に中小企業の経営者は最終的にはそこが大事になってくるのではないでしょうか。そして、自分自身が「ここが成功」と思ったところに進んでいくのです。

「どういうタイプの社長が成功するのでしょうか?」「成功とは何ですか?」と聞かれたら、私は「その答えは社長にある」と答えます。社長自身が「どうしたいのか」と「何を成功」と捉えるかで変わるのではないでしょうか。

私は経営者には2つのタイプがいると考えるとお伝えしました。少数精鋭で利益を出そうという発想のタイプの経営者と、未来に向けて組織を作って将来成果を出していこうというタイプの経営者です。どちらの経営者が「いいか・悪いか」「正しいか・正しくないか」ではありません。

ご紹介した2人の社長もそれぞれのタイプです。

前者のタイプのA社長は「仕組み」を作りました。ブランドを作って、お客様を呼び、社内の効率化を図って、生産性を上げていきました。

後者のタイプのB社長は「人を基軸」に会社を運営しました。時間がかかる手法ですし、人にお金を掛けるので、利益一気に上がりません。しかし、売上規模・シェアを上げ、結果的に利益を少しずつ伸ばしていきました。

異なる手法で会社を成長させた2人に共通する点はなにか。 それは、「成功する」という明確な概念を持っていたことです。

その上で、「こういうやり方で会社を成長させる」という明確な方向性に進んでいったからこそ、会社を成長に導くことができたのです。

経営者のあなたは「会社を成功させたい」という思いを持っていますか?

そして、どういった手法で会社を成功させていくかという具体的な形を描けていますか?ぜひ考えていただきと思います。

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