中堅・中小企業の「生産性向上」「高収益化」「コストダウン」
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2024.02.02
- 2023年12月、約300名が集まった「2024年度版時流戦略・提言セミナー」ではゲスト講師としてデービッド・アトキンソン氏が講演を行いました。アトキンソン氏は言いました。
「日本の学力は世界2位なのに、1人あたりGDPは36位である。逆を言えば、生産性を上げる余地が大いにある」と。
企業経営における重要なテーマである、生産性向上(1人あたり粗利)▽高収益化(営業利益額・率の向上)▽コストダウンを実現させるポイントを解説いたします。
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生産性を上げる3つのポイント
まずは「生産性向上」から。生産性を上げるための3つのポイントを紹介していきます。
①生産性を可視化させる
ポイントの1つ目は生産性の可視化です。これは業界によって多少異なりますが、1人あたりの年間粗利と考えてください。
「会社全体の年間粗利額」÷「従業員数」=「1人あたりの粗利(生産性)」と計算します。
例えば、年商10億円、粗利益6億円、営業利益0.5億円、従業員数60名(正社員40名、パートアルバイト20名)の場合
6億円÷60名=1,000万円⇒1人あたり粗利は1,000万円となります。
パート・アルバイトの人数が多い企業の場合は、シンプルにパート・アルバイト2人分で社員1人とカウントしても良いです。
その場合、 6億円÷50名(正社員40名+パート・アルバイト10名でカウント)=1,200万円⇒1人あたり粗利は1,200万円です。
パート・アルバイトの比率が高く、厳密に計算している企業は、パート・アルバイトの総労働時間÷月間170時間=1人あたり人数としているケースもあります。
1人あたり粗利が出たら、これをKPIとして、毎月の数字を追っていきましょう。数字を確認しながら、1人あたり粗利をどうやって上げるのかさまざまな施策を実行していくのです。1人あたり粗利の目安は以下を参考にしてください。(※業種・業態などによって異なります)
・ 一般的な黒字企業:1人あたり粗利1,000万円
・中小企業が目指したい生産性:1人あたり粗利1,200万円
・高収益企業、中堅企業が目指したい生産性:1人あたり粗利1,500万円
(業種・業態別の大まかなPL構造を知りたい方は、TKCグループが公開しているBAST要約版を参考にしてください)
②粗利構成比が高い部門&商材の強化
2つ目のポイントは粗利構成比が高い部門や商材の強化です。取り組む施策を絞り込むと成果が出やすいです。
自社の粗利額が大きい部門&商材に的を絞り注力していきましょう。
・プロモーションを強化する
・セット売り、パッケージ売りして販売件数を増やす
・価格の見直し
・仕入れがある場合は仕入れの見直し
・提案量の増大(なるべく仕組み化してしまう)
・人員を増やす、集中して販売する
・店舗やHPの好立地に目立つように設置する(専用LP、バナー、広告)
などが施策として挙げられます。 また、伸びている分野をさらに伸ばすことも効果的です。売上や粗利、件数で昨対比二桁成長している部門や商材をさらに伸ばすのです。自社の事業を分析していきながら、伸びている商材を発見してください。
③アトキンソン氏提唱「4つの生産性向上」へのチャレンジ
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高収益化・コストダウンが実現する3つのポイント
次に「高収益化」と「コストダウン」実現に向けた3つのポイントを紹介します。
①止めてそぎ落とす
ECRSという言葉をご存じでしょうか。ECRSとは、業務改善効果の高い施策の順番と考え方を示したものです。 Eliminate(排除:取り除く)・Combine(結合:つなげる)・Rearrange(交換:組み替える)・Simplify(簡素化:単純にする)の頭文字を並べています。
排除(Eliminate):業務をなくすことができないか?
結合(Combine):業務を1つにまとめられないか?
交換(Rearrange):業務の順序や場所などを入れ替えることで、業務効率が向上しないか?
簡素化(Simplify):業務をより単純にできないか?
以上の観点から経営を考えていってください。 生産性向上の第一歩は、「効果の低いことを止めること」です。
それには、経営者自身の仕事だけではなく、プライベートで行っていること、会社全体のワークフローまで幅広く見渡す必要があります。
多くの「止めるべきこと」を発見できると思います。
何かを始める以上に何かを止めることも、生産性向上には重要です。
②ライン比率を高める
収益性の低い企業に多く見られるのが、セールスなどお金を稼ぐ部門「ライン」と、経理などのお金を生まないバックオフィス部門「スタッフ」の割合がアンバランスだという点です。
営業利益率10%を超える企業の従業員の構造は「ライン7:スタッフ3」といったようにお金を稼ぐ部門の比率が高いです。
一方で、損益プラスマイナスゼロの企業では「ライン5:スタッフ5」とバックオフィス部門が半数以上を占めるケースが多いです。
もしも自社の「スタッフ」の比率が「ライン」より高くなっているならば、何らかの改善点があると考えてください。 そもそものビジネスモデルを見直し▽デジタルツールを導入してバックオフィス作業を代替する▽業務の削減など、見直すべき点を探ってください。お
金を生み出す部分に人員や投資を集中させることが非常に重要です。
営業利益率が20%を超える企業では役員会の実績資料でも、ライン比率が昨年対比、前月対比で記載されています。
③高収益事業をどんどん増やす
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