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社長になるための5つの方法?経営者に向いている人や性格について解説

2023.03.14
老若男女、業種も問わず知らない人のいない「社長」や「経営者」。現在日本には280万弱の法人があるため、人口の2%の50人に1人の割合で社長がいます。そう考えると身近な存在ですよね。しかし、社長になる方法やその素養について知る人は一握りえです。そもそも社長ってどうやってなるものなのか。また、どうあるべきか、そもそも社長って何のことを指すの?誰もが知っているようで知らないこの存在について解説します。

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そもそも、社長とはどういった意味なのか

まず初めに定義を確認しましょう。大まかには「会社内で一番偉い人」といったイメージが先行する社長ですが、実は法律上は存在しません。というのは、日本の会社について設立から解散までを規定する会社法があり、その法律の中で「社長」という役職はなく、あくまで社内での役割や権限を各会社が独自に設定しているのです。

アルバイトを例にとると、就業1週間の新人Aさんと、3年目のバイトリーダーBさん。両者の立場は職場内で異なりますが、雇用上は同じ「アルバイト」です。これは社長に限らず、専務や部長、執行役員等でも同じです。

では法的に権限を持つのは何かというと、代表取締役の立場がそれにあたります。これは株式総会で任命された会社の代表権を持つ立場です。(時々誤解されますが、代表取締役は1人だけでなく複数人設定することも可能です。社長という立場は1人。代表取締役という立場は3人といった設計も可能です。)

社長と代表取締役の違いを一言で言うと、対「外」的に一番偉いのが代表取締役、会社「内」で一番偉いのが社長です。そして複数人の選任も可能な代表取締役に対し、社長は通常一人です。

また「代表取締役社長」として二つの役割を担うパターンもあります。ちなみにCEO(Chief Executive Officer、最高経営責任者)、COO(Chief Operating Officer、最高執行責任者)はアメリカでの企業経営のトップと二番手の立場です。

尚「大統領」も意味するPresidentは現場のトップであり、日本の「社長」に近いと言えます。

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社長のなり方は主に5つ


大前提である「社長ってどんな人か?」を見ましたが、次に「どうやってなるのか?」について、それぞれメリット・デメリット別に5つ見てみましょう。

画像提供:PIXTA

➀親や親類の会社を引き継ぐ

 いわゆる「二代目社長」の立場です。既にある会社や事業をそのままに継承することができ、今回挙げる4つの方法の内3つはこのような形になります。

まずメリットですが、ゼロから自分で作り上げなくて良いということが挙げられるでしょう。また、会社のこれまでと現状、課題が把握でき、身近な人から受け継いだ会社であり、愛着や志を受け継ぎやすいということが挙げられます。

ただ、デメリットもまた存在します。それは、会社経営において保守と革新のバランスが難しいということでしょう。また、時にすでに働いている社員が歳上の場合もあります。結果、2代目社長は軋轢を生みやすいという格言があるように、既存社長以上に調整能力や信頼獲得が必要な職種です。

②会社で出世する

 サラリーマンとして働いている方にとって、最も身近でありながら最も遠い方法がこのやり方です。親族からの継承と同じで、既にあるものを引き継ぐことができ、そもそもその会社のことを多く知っている分、基盤があることは活躍のフィールドが広いと言えます。少なくとも自分がこの会社の一部を大きくしてきたという愛着や自負心はあるでしょう。

 ただ、出世で社長はなかなかに難儀な課題もあります。まず、非上場企業の場合オーナー権限を持たない形の社長の場合、顧客と同等あるいはそれ以上にオーナーとのコミュニケーションを取っていく必要があります。また、管理職としての責務を超え、役割や業務の難度が高く、会社社長という肩書きの割に、しがらみやギャップを感じる人も非常に多いと言われています。

③会社を買う

既にあるものを引き継ぐという方法で、ここ3年で一気に増えているのは会社買収ではないでしょうか。買収というと高額ベースなものが多いと思われがちですが、リスクやコストが低く失敗しにくいやり方も開拓されつつあります。それこそ、数百万程で購入できる会社もあるという点はメリットが大きいといえるでしょう。ただ、成功しやすい業態は絞られる点や、買収金額が安いといっても負債や業績不振が背景にある場合もあります。また、マニュアルがきっちりしている半面、トップの判断で振り回されるのがフランチャイズ開業です。開業してみてはじめて、フランチャイズ側のパワーバランスの強さに驚かされることもあるのです。

④起業

一番簡単なやり方で、かつ自由度が高いのが起業です。登記料を除けば1円で起業できる時代がやってきたため、副業レベルで起業する人も増えてきました。

起業から社長になるメリットとしては「設立や運営、ミッションやビジョンまで自分で決められる」といったことや「低コストやフリーランスからでも法人化できる」ということではないでしょうか。

ただ経営から資金繰り、人脈など、幅広く自分で手掛ける必要がある点。そして、起業タイミングの景気、運の影響が今後の存続に特に大きいことも課題があります。

⑤子会社の管理職となる

社長といっても、独立した組織とは限りません。子会社の管理職もまた「社長」といった仕事を受け持ちます。ホールディングス制度を引いている組織の場合、部長職を超えて役員となると一定の場合子会社の社長に就任、あるいは兼任や出向という場合があります。文言上の社長という意味では、サラリーマン社長とも呼ばれ独立はしていないものの一つの船を任される船長といった立ち位置と言えるでしょう。

ビジネス上のわかりやすさはある半面、管理職としての役割とはほかに、親会社との折衝も求められるため中々のハードワークと言えるかもしれませんね。

一口に社長になると言っても様々な経路があります。今ある企業を引き継ぐか、新たな企業を起こすかでまず大別され、メリットとデメリットがそれぞれ正反対と言えます。その先でもそれぞれの状況や業態でも大きく事情が異なります。

どれが優れているということはなく、どんな仕事や社長像を理想とし、それに向かうにはどの選択肢が最適かによって選択することになるでしょう。

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「社長度」診断―社長に向いている人の特徴 3つ

社長に自分もなってみたいけど、そもそも社長に向いているのか。あるいは、コレからなる人やなったけれども向いていないと感じる人。成功する社長の思考や行動は常に研究されている分野であり例外はあるもののパターン化されたタイプがあります。その傾向をいうなれば「社長度」のチェックをしてみましょう。

外向性、コミュニケーション力

☑他人や社会に人一倍興味がある
☑積極的なコミュニケーションが好き

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まず一番に注目するのは「外向性」です。関連して「外交/社交的」も連想されますが、これらは正確には異なります。「外交/社交的」は「他者/社会と積極的に交わること」で、「外向的」は「興味関心、心のエネルギーが自分の外側(対外的な人付き合いや活動)に向くこと」。前者は主に一般に行動面を示しますが、後者は近年流行りのMBTI診断のもとにもなった、スイスの心理学者ユングによる心理学的な性格分類の一つです。

心のエネルギーが外側に向いている人は、社長に大いに有利です。なぜなら、常に外の世界へのアンテナや幅広い人付き合いが必要な社長業も、それが自分が本心からやりたいことになるためです。

また一見「外交的/社交的ではない」(そこまで人と関わらない)が、実は「外向的である」(他人や人付き合いが人一倍好き)、ということもあり得ます。この場合、環境やきっかけ次第で一気に行動も変わります。逆にそうでない場合は、本質的に興味がないことをし続けることになるので、長期的に見て実務に綻びが出る、やりがいを感じられなくなる等の可能性もあります。

コミュニケーションが取れると自信がある人であったとしても、他人にどれだけ興味を持てるかにかかっています。社長だからこそ、ビジネスとは人と人との関わりで成り立っている意識、そして初めから得意かどうかより、寧ろ得意になろうとする姿勢が重要です。社長という立場を使ったコミュニケーションと、人としてのコミュニケーションはまた別物という考え方もあります。

社員に協力してもらい動いてもらう、社外で「広く深い」関係を築く、どんな場合でも相手は必ず人間です。他人の立場や状況を想像する、積極的なコミュニケーションを厭わないこともポイントです。

社長業もなったら終わりではなく、なってからの努力が全てであり、継続により性格や得意不得意が変わる可能性もあります。いずれにせよ、自分がどんなことに興味があり苦でないかを考えてみると良いでしょう。

内向性、タフさ

☑周囲に流されない、信念や自我がある
☑人の目を気にしすぎない

次に着目するのが「内向性」。先に述べた「外向性」に対して、「内向的」とは「興味関心が内側(自分の思考や感情)に向く」こと。一般に社長とは結び付かないかもしれませんが、人に流されない判断、強いこだわりや自分軸が要求される社長に欠かせない要素でもあります。

正反対であるような外向性/内向性ですが、実はみながどちらも兼ね備えています。より割合が大きい方がその人の特徴と見えるだけであり、どちらも優劣はなく一長一短です。そのため、それぞれ長短を補い合いどちらも認めてバランスをとることが、特に今の時代での上手い立ち回り方と言えそうです。

ストレスフルな現代社会を生き抜くにも、他人を気にしすぎないことが重要です。離職の原因としても、社会生活での悩みの種としても、多くが人間関係に起因します。他人の目や評価に囚われすぎないことは、ただでさえ責任が大きくプレッシャーのかかりやすい社長にとって重要な資質と言えるでしょう。

行動力×思考力


☑とるべきリスクはとる
☑ただしリスクヘッジを怠らない

社長の判断となると、影響や効果、そしてリスクも一社員とは比較になりません。それでも恐れずにとるべきリスクはとる、そんな胆力が必要です。リスクを避けてばかりでは機会損失があるばかりか、経営方針の転換点を逃す、競合の成長を許すなど、現状維持すらできない可能性があります。ローリスクローリターンどころか、ローリスクはハイリスクかもしれないことも考える必要があります。

ただ注意するべきは、「向こう見ず」が良い、訳ではないことです。危ない橋も一度は渡れ、でも君子はただでは近付きません。確かなリサーチ、リスクとリターンの計算、時には潔く退く勇気を前提とした、思考に基づく行動力が重要です。

将来の社長を育てる生活の送り方

将来、会社を牽引していく社長たる人物になるための生活は、計画的かつ実践的にあるべきです。一つひとつのアクションを通じて、リーダーシップや経営に必要なスキルを身につけることが重要です。どのように時間を管理し、目標を設定し達成していくのか。また、実体験としての副業やプロジェクトにどう関わるのかが、理論だけでない豊富な知識と経験を積むカギとなります。

時間管理の重要性

時間を有効に管理することは、将来の社長として成功するためには欠かせない能力です。学生時代から厳密な時間管理を行い、効率的に勉強と余暇を両立させることで、多忙なビジネスシーンにおいても優れたパフォーマンスを発揮できるようになります。また、優先順位を明確にすることで、重要なタスクに集中し、ムダな時間を削減できます。時間管理の技術はトレーニングにより向上し、習慣化することが大切です。短期目標を設定し、それを達成するためのプランニングを日々の生活に取り入れ、実践していくことが肝心なのです。

目標設定とその達成手段

目標を持ち、それを達成する力は社長にとって非常に大切です。明確なビジョンを設定することで、自身がどの方向へ進むべきかがはっきりし、動機付けにも繋がります。具体的な目標設定は行動への指針となるため、計画的なアプローチが可能となります。目標を達成するには、小さなステップを踏みながらコミットすることが重要です。日々のタスクをこなしながらも、目標に向かって一歩一歩進むことで、大きな成果を上げることができるでしょう。また、達成途中での挫折を経験することもありますが、それを乗り越えることで、より強靭な精神性を養うことにもつながります。

副業やプロジェクトの経験

副業やプロジェクトに取り組む経験は、生活において貴重です。実際のビジネスシーンを体感することで、学校では学べない現実的な課題解決スキルやコミュニケーション能力を養うことができます。また、様々な人々とのネットワークを構築し、多様な視点を学ぶきっかけにもなります。リスクを取りながらも、自らプロジェクトを推進する姿勢は、将来の経営者として必要な果敢さや決断力を培うために非常に有効です。実際の経験から得られる知見は、将来の判断材料としても役立ち、より実践的な知識を蓄積することができます。

 

「社長度」診断―社長に向いていない人

ここまで社長に向いている人の特徴について見てきましたが、逆に向いていない人の特徴とはどのようなものでしょうか。裏返しだけではなく、この人は向いていないと良く指摘されている2つの共通点をご紹介します。

「努力耐性」が低い

☑物事を継続することが難しい
☑想像することが苦手、好きではない

 ストレス耐性とはよく耳にしますが、ここでは着目したのは「努力耐性」。読んで字の如く「努力する」ことにどれだけ耐えられるかです。努力は好きに勝てない、努力による秀才よりも元から恵まれた天才が強い…。

「努力」をめぐって様々な意見がありますが、これも社長になるための才能であり能力です。先天的に努力ができる人もいれば、後天的にできるようになる人もいます。努力する能力は努力することで鍛えられ、怠れば衰えます。

これまであげた「コミュニケーション」や「他人を気にしすぎない」、「思考力と行動力」のいずれも、努力なしにはできません。

白黒思考、自己責任論が強い


☑0か100かで物事を考える
☑自分and/or人に厳しい

 社長として仕事をするにはある種の尖った部分も必要ですが、何事も過ぎたるは及ばざるが如しです。勝ちへのこだわり、毅然とした態度も行き過ぎると、非効率な完璧主義につながります。その結果成功を掴み取れれば良いですが、退くべき時に退けない、自分の非や失敗も認められない状態になり、リカバリーに失敗することも。

自己責任論は人から信頼を寄せられなくなる、自責思考も己の首を絞めることがあると理解した上で責任感を持つことは問題ありません。ですが、回りまわって他人に厳しくなるなどの要因になることもあり、推奨されるものではありません。特にメンタルを重視する今の時代であれば、それを社員にまで強要するのはもってのほかです。

結論


今回は社長について、その定義からなり方、向いている特徴まで確認しました。読む前よりも身近に感じられるようになったのではないでしょうか。

つまるところ、社長という肩書き自体はさほど難しくなく得られます。ですが中身が伴うか、継続できるかは別問題です。あくまで肩書きに過ぎない、目的ではなく手段であることを認識し、自分が目指すものを意識することが必要です。

言語や経営スキルではなく、マインド面を軸に紹介しました。というのも多くの業界で共通するため、そして例えば身体の強さ等よりも、マインドはきっかけや視点の持ちようで比較的変えやすいためです。

脳は幾つになっても学び続けると言います。様々な社長の考え方や行動を知ることで、より自分の「社長度」が高まっていくでしょう。直接に周りに社長がいなくとも、本をはじめ、特に今ではwebやSNSなど様々なコンテンツを活用することができます。社長を目指す人にとっては、行動しない理由がない絶好の時代なのです。

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