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【葬儀ビジネス】成功事例から学ぶ売上を伸ばす手法

2023.04.14
※当記事は2022年6月に社長online有料版で作成されたものです。
2020年から本格的にコロナウイルスが流行し始め、様々な業種の企業が多大なダメージを受けました。しかし、2年程経った今、業績がいい会社と悪い会社で二極化が始まっています。ある葬儀社は、コロナ禍で葬儀の実施件数を大幅に減らしてしまいましたが、それでも売上を落とさないことに成功しています。今回は、BtoCでも使える件数が減っても売上を伸ばす手法についてご紹介します。

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コロナ禍で二極化する経営

今、コロナ禍において「この2年間まったく変わらず今でも厳しい会社」と「コロナ禍でも業績を上げている会社」が存在しています。この2種類の会社の間にはなぜそのような差が生まれるのでしょうか。

それは、コロナ禍に対する考え方の違いです。具体的には「コロナ禍だから仕方ない」と考える会社と「コロナ禍の今がチャンス」と考える会社です。業績を上げたいと思っていたとしても収束の目処が見えないコロナ禍を理由にして何もしなければ、一向に業績は伸びません。

そこで、業績が上がった葬儀社の成功事例から得たビジネステクニックをご紹介します。

画像提供:PIXTA

販売数が減少しても、売上を伸ばす単価アップ術

1つ目は、「単価アップ」です。販売数が減少したとしても、単価をアップすることができれば、売上を伸ばすことが可能になります。

そのためには「Zoomによる営業の受注同行」が効果的です。これは営業の質を上げて単価をアップさせる方法で、単価の高い担当者が改善の余地のある担当者の営業をzoomなどで閲覧し、フィードバックします。

これによってお客様と対面で話さなくても、事務所で空いている時間や、作業しながらの閲覧が可能になるため、同行数が増え、フィードバックもより細かくできるようになり、改善の余地がある担当者のスキルも上がり、より効果的に単価をアップさせることができます。

ポイントは、Zoomでの受注同行にすることで同行数が2倍になったことと、細かなしゃべり方もその場で把握できるようになったことです。

また、「プラン改善」によって単価・粗利率をアップする方法も効果的です。これは、プランをより細かく分割することによって1つの商品の単価を高める方法です。

高額プランなどを追加することによって、プランごとの内容をより細かく、差を明確にすることによって1つひとつのプランに対して付加価値を与えることができます。

実際に33万~100万円(5プラン)の価格帯を、33万~145万円(6プラン)へと変更し、価格の上限を上げ、かつ祭壇の他にも湯灌や生花オプション、アルバムをつけたことによってプランごとの差を明確にしたのです。

それと同時にプランの幅を広くしたことにより、お客様のプラン選択の自由度も上がり、粗利率も上がっています。 ここで重要なのは、高いプランから順にお客様に丁寧に説明することです。お客様がプランごとの差を理解していなければ、いくらプランを増やしたとしても意味がなくなってしまうので、注意が必要です。

店舗オープン前から集客を開始してスタートダッシュを

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次に「集客方法」です。お客様を営業前から仮会員客として集める「オープン前販促」が効果的です。

ある店舗では、オープンから2週間前に予定地にプレハブを建てて、4回ほど事前入会を受け付けました。さらに、1号店オープン前に地元のスーパーにてブースを出展し、通行客向けに外観販促、呼び込みで集客し、その後はブースに誘導し事前相談を行ったのです。

これらによって、通常はオープン後にお客様が自社を知り、その後リピーターとなりますが、このオープン前販促によって、事前に自社を知ることになるため、オープン時からリピーターに繋げることが可能になります。そのため、従来よりも1段階早く集客や顧客育成が可能になります。

さらに、「電話対応の専任部署を立ち上げ」も効果的です。これは、電話対応の質を上げ、電話相談客の後追いコール(相談客のうち、未入会・未受注のお客様を対象)をしっかりと行うことで、反響を得ることができます。

こうした役割を総務など別部署が兼業している場合、業務を優先にしてしまいがちで、電話対応を早く切りたいという意識になってしまいます。そのため、電話に時間を割かず、入会してもらうという意識が薄くなり実績に繋がりづらくなってしまうのです。その問題を、電話対応の専門部署の立ち上げによって解決していきます。

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他の集客方法としては、「仮会員制度」があります。仮会員制度は、お客様が今すぐ会員価格で購入することができる制度です。ホームページなどを閲覧し、会員価格を知った方が、入会していないことが原因で離脱しないようにするための仕組みです。

ポイントは、緊急性が高い場合は、期間を短くすることです。葬儀社の場合、緊急性が高いので2週間ほどが適しています。業界や業種によって期間は大きく変わっていきます。

そして仮会員制度で、集客する際に最も重要なことは、「後追いコール」です。そのタイミングは、仮会員入会後(5分以内)と仮会員の期限が失効する前(2、3日以内と1週間以内)です。この内、本会員誘導を行うのは、期限が失効する前の2回になります。

工数を大幅に削減するDX施策

最後に「DX」です。エクセルやワード、イラストレーターなど作成していた制作物を「システムを活用して、一括作成する体制」にします。それによって、制作物の作成時間が印刷作業のみになるため、大幅に工数を削減できます。

ある葬儀社では、顧客管理システムを活用し、葬儀打合せ〜発注までの時間を大幅短縮しました。また、3つのDX施策も紹介します。

①葬家への配布物・看板関係をワンストップで作成し、作成業務の効率化により施行情報を1度登録するだけで、従来の単純作業が不要になりました。

・葬家名・葬儀日程など同じ情報を何度も入力する業務

・帳票のサイズ調整業務

・葬家別に異なる日程表の作成業務

②見積書・請求書のデジタル化によって、そのまま上書きするだけで請求書の作成が可能になりました。商品名をリストから選択するだけで見積書・請求書が作成できるため、記入作業がなくなったのです。

さらに、請求書の作成業務が1時間から30分に大幅に削減することに成功しました。

③見積と連動した発注書の自動作成及びオンラインFAXの活用によって発注業務の効率化が可能になりました。見積書情報を発注書に自動で転記させ、紙に出力することなく、各業者にFAX発注を実施し、葬家情報や料理返礼品、祭壇など見積書に記載した情報をそのまま利用することで、転記作業が0になったのです。

また、紙に印刷→連絡先を入力→FAXを送るといった業務がなくなり、ボタン1つでFAX送信が可能になり、発注書はデータ化されるため、リアルタイムで発注情報が可視化されるようになりました。

売上を伸ばすためにやるべきこと

売上を伸ばすためにやるべきことは、まず商品カテゴリ内における「値段に高低差のあるように商品開発」をすることです。これによってお客様の選択肢の幅が広がります。そして、選択肢の幅が広がると選択肢の1つひとつに付加価値を与え、単価アップを図ることができます。プラン説明のときにお客様に丁寧に上のプランから順に説明していくことが重要です。

次に「オープン前の2週間で事前入会等で客を集める」です。オープン時にスタートダッシュできる状態にしてから、電話対応の専任部署を立ち上げ、お客様への対応を後追いコールを行いながら丁寧に行い、仮会員制度を導入して会員へと促す制度を導入し、集客します。

最後に書類作成などの業務は「自動的に一括で作成してくれるようなシステムを導入する」ことによって効率化を図っていくことが重要です。

コロナによって多くの会社は打撃を受けましたが、それはどの会社もほぼ同じです。ピンチの今だからこそ、他社やライバル会社と差をつけるチャンスです。ぜひ今一度自社の施策を見直し、これらにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?