成功する社長は「右脳と左脳のバランス感覚」に優れている
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2024.08.30
- 優秀な経営者と言われる方は、戦略的な考えなどロジカルな部分だけが注目されがちですが、そのような部分だけでは人が絶対について来ず組織を動かすことはできません。
持続的に成長する会社は、社員が社長の方針についていっており、社員や幹部が育っています。
私はそのような会社の経営者=成功する社長とは「バランス感覚」を持っている方だと考えます。
右脳と左脳のバランスから成功する社長を分析します。
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「優秀な経営者」とは
一般的に「優秀な経営者」と言われている方は、ロジカルな思考で成果を残している人物を思い浮かべるかと思います。しかし、そのような優秀さだけでは社員は疲弊しますし、幹部が育ちません。
私がこれまで出会った中で、非常に印象に残っている経営者を紹介します。
その方は一代で広告代理店を立ち上げ、売上33億円企業に成長させました。既に引退していますが、引き際は鮮やかで血縁のない社員にバトンタッチされスパッと辞めています。
現在、代表権のない会長であるその方は、今でも社員からの尊敬を集めています。
広告業界はヘッドハンティングも多くあります。しかし、創業当時からいるメンバーは、例えより条件の良い企業から声がかかったとしても、「会長が生きている間は、絶対にこの会社を辞めません」と言っています。
社員を育て、一代で会社を成長させた理由はどこにあるのか。
その方が現役社長でいらっしゃった時、営業会議に同席する機会がありました。そこで印象的な2つの発言がありました。
営業の数字を確認していた社長は、計画未達の社員に対して「これぐらいの数字も達成できないのか。この程度の数字、寝ながらでもできるぞ」と厳しい言葉をかけていました。
その一方、この同じ会議の中で前後の文脈は忘れましたが、こんな話をされました。
社長と奥様が買い物出かけたところ、炎天下の中、交通整理をしているガードマンがいたそうです。
「汗をびっしょりかきながら働いている姿に尊敬した。彼らがいるからそこ、世の中成り立っているんだ」と心からしみじみ、おっしゃったのです。
「このバランス感覚は何だろう、、」。そう感じた私が整理したのが右脳と左脳です。
右脳と左脳の違い
左脳は、新しい脳(新皮質)です。 左脳には分析と比較の機能があります。他社と差別化したり、過去を分析して未来を予測したりします。
ロジカルな考えや戦略構築はここで行われています。経営者なら当然、事業戦略を立てたり論理構築したり、左脳がしっかり機能していないといけません。
しかし、左脳では「人が共感する動き」は起こらないのです。 反対に右脳は古い脳(大脳辺縁系)です。右脳には感情と決断の機能があります。価値観や直感、インスピレーションなど心からの奮い立つ感情は右脳から生まます。
先ほどの社長の話に戻ると、同じ営業会議で正反対の話をしていました。
・「こんな数字も達成できないのか」と具体的に数字の話をする(左脳)
・ガードマンが汗だくで働く姿に「私は尊敬する」と言う(右脳)
一般的に優秀な経営者は、左脳のロジカルな思考や分析力、未来を予測する力が優れている部分にフォーカスされがちです。しかし成功する社長は、左脳だけではなく右脳から生まれる深い感情が普段の行動や発言ににじみ出ているのです。
その結果、社長は会社を成長させただけでなく、一線を退かれても社員から「この会社から離れません」と慕われています。
社長のような右脳と左脳のバランスが取れた経営者を成功する社長だと考えます。
打算と深い感情
左脳では目標を立てて差別化を図るだけでなく、打算も働きます。打算とは、「こうすれば相手がこう動く」といった相手を操作する感情です。その逆に右脳からは本当に大事にしたい価値観や深い感情が生まれます。
右脳と左脳のバランスに優れた経営者がいる会社では人が育ちます。社長の厳しい言葉をプレッシャーに感じながらも、「この社長について行きたい」と思うのです。そして、優秀な幹部が生まれ、永続する会社になっていくのです。
2000年以降に伸びている会社に3つの要因
日本のGDPが横ばい、もしくは実質的には世界と比べて衰退したといわれる2000年以降に伸びている会社とは、どのような企業なのか。私は経営者とお会いしたり、ヒアリングを行ったりしながら調べました。
それらの会社には3つの要因がありました。
1つ目はビジョン
2つ目は(事業戦略だけでなく)全社戦略
そして、 3つ目が経営者の右脳バランスです。
伸びている会社にはビジョンがある
続きは。。。