成功する社長・経営者がやっている3つのこと
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2023.04.30
- 船井総研ホールディングス社長の中谷貴之が、現役の経営コンサルタントだった2009年に経営者に向けて「経営者のあるべき姿」「社長としてするべきこと」をまとめています。その内容を、今の時代に向けてアップデートし、お届けします。
今回は「成功する社長・経営者がやっていること」について、触れていきます。
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中谷曰く「圧倒的なパワーや独特のセンスを持ち合わせる創業社長よりも、二代目の後継者など『普通の人が経営者として成功する』ための方法を説いた」その内容について、詳しくお伝えしていきます。
「楽しく自信と力をつける」のでいい
中谷は語ります。
「“普通の能力の人が成功体験を得て、自信をつけていく”それが多くの経営者の成功パターンになると私は考えています。
普通の人にとって成長につながりやすいのは、失敗体験よりも成功体験です。そのような経験をして『自分でもできる』と感じる機会を重ねていくことで、自信を得て、さらなる行動につながっていくと考えています。
“成功体験を得る”というと、大変な努力をしてようやく得られるものと考える方も多いかもしれませんが、そのようなことはありません。
自信をつけることは、楽しく行うことができます。
例えば「月1回はどんな理由でもよいので東京へ行く」「最低年1回は海外先進都市へ行く」です。これをすべき理由は、「ちょっと進んでいる世界」と「ものすごく進んでいる世界」の情報を両方バランスよく取り入れるためです。
たとえば東京で現在流行っているものを地元にいち早く取り入れるだけでうまくいく、時間差ビジネスのようなものは今でもたくさんあります。
5年後、10年後に日本でも起こることは、海外先進都市や海外展示会に行くと得られるかもしれません。
言い換えれば「小ヒットは東京に行くことで見つけて、大ヒットは海外で気づく」です。
旅行に行くのは、多くの人にとって苦ではない、楽しいことでしょう。
東京や海外で得られるのはビジネスのヒントに限らず、発想や視点などかもしれません。それでよいのです。
特に今は(取材時は2022年9月)多くの人がまだ海外に行きづらい時期ですから、今、国外を見ておくのは、それだけでほかに差をつけられます。
多くの人にとって「自信をつける」とは「相対的に得られるもの」です。自分の中に絶対的な軸があり、何があっても揺るがないというような強い芯がある人は世の中ほとんどおらず、多くの人は「ほかに比べると」というように、人と比較して優位性を得ています。
自信をつけることに関しても、ぜひ「人はやっていないが自分はやっている」を大事に考えていただきたいと思います。
また、「相対的に自信をつける、成功体験を積む」ためにぜひしていただきたいのが「ビジネス書を月に最低数冊読む」「一流の講演を最低月1回聞く」といったことです。
本をどのくらい読んでいるかや、講演を何回聞いているかといったことは、定量的に把握できます。
「同業者の中で一番本を読んでいるのは自分だ」「周りの社長たちよりも自分のほうが、外部のセミナーに行っている」というように、計ることができます。この評価は「自分なりに」ですから、周りの人を傷つけることもありません。
①自分より上のステージのベンチマーク企業・経営者と付き合う
やはり常に行い続けるべきは「経営者ご自身のアップデート」です。そのために無理なくできることの1つが「ワンステージ上の経営者と付き合う」です。
「昔からライバル関係にある、同じエリアの同じくらいの規模の会社や社長」を意識するのではなく、現在勢いがある人をベンチマークします。例えば自社の売上が10億円ならば、すでに3倍の30億円、10倍の100億円といった規模で先を走っている会社、社長を探してみましょう。
意識するのは年商以外にも利益、社員数などでも構いません。「その会社はどうして伸びているのか?」「その会社の社長ならばどう考えるか?」というシミュレーションをし、問いかけを自分に対し行えるか?が大事です。
中小企業の経営は、すでにうまくいっている方法を参考にし、取り入れていくのが成功の定石です。
見方を変えれば、よいベンチマークを見つけることができれば、成功は半分以上決まったようなもの。
そのようなベンチマーク企業、社長は、近くにはいないかもしれません。イメージしようとしても、うまくできないケースもあるでしょう。
そのときは、ぜひ県外に出てみましょう。県内の同業者だけを見ていると「みんなこのくらいだから、自分も十分にやっている」という気になってしまいます。しかし外に出てみると、もっと大きなスケールで行っている会社がたくさんあるものです。
そのような企業に触れて、自社もそこを目指そうと思うこと、そのような企業の社長はどう考え、どのような行動をしているかに思考を巡らせること、それが大事です。
②実は非常に重要な「メンタル管理」
中小企業が業績を上げていくには、社長自身が元気であり、やる気にあふれていることが必須です。
これまでは「積み重ねる」「増やしていく」方法をお伝えしていきました。それらが「攻め」の話とするならば、次に「減らさない」「守る」ために必要なこともお話しいたします。
「経営者がすべき健康管理」が4つあると私は考えています。①食事管理 ②体重管理 ③睡眠管理 この3つはすでに十分にやっているという方も多いでしょう。
私が重要と考えるもう1つの健康管理、それが④メンタル管理です。
経営者も人間ですから「こういう状況になると自分の気持ちがブレる、モチベーションが下がる」ものがあると思います。それは悪いことではありません。大事なのは「どうなるとマイナスになりがちか」原因を知っておき、それが起こりにくいようあらかじめ消しておくなどの対策を打っておくことです。
マイナスになる原因は人によりけりで、ご家族に関することや、親の介護、お子さんとの関係といったことかもしれません。
それらをもちろんゼロにすることはできないでしょうが、たとえば介護が必要になった際には有料サービスを頼むなどすれば、ある程度解決できるかもしれません。
メンタル管理は人による部分が大きいので、一律の対策は打てないのですが、会社経営に関しては、メンタル管理をしやすくするためにできることがあります。
それは、ビジネスモデルをストックビジネス化することです。例えば、ある高単価の商材・サービスを扱う営業会社の場合、契約成立で巨額の手数料が支払われるものの、本当に契約が成立するのは1年で1回もあれば多いほう、それまでは何度も決まりそうな話が立ち消えになって、が当たり前の世界です。
そうなると、結構多くの営業担当者のメンタルが持たなくなるといいます。「いつか決まるかもしれない大型案件の成立を目指し続ける」のは、よほど心が強くない人でないと厳しい、それを束ねる経営者であればなおさらです。
そのようなメンタル崩壊・組織崩壊を起こさないために、たとえばビジネスをフロー型からストック型に変えるなどの方法があります。
いつ売り上がるかわからないものを待つだけでなく、低単価の会員制度やアフターサービスなどある程度安定した売上が立つようにする、結果、メンタル面が落ち着くことで、組織も安定し、数年に1回の大型案件にも余裕を持って対応することができる、といったことがありました。
また、1社の取引先に依存しているような状態になっていると、その会社が倒産したり、そことの契約を切られたりしたときのことを考えると、とても心穏やかではいられません。これも、取引先が2、3社レベルならば1社と取引がなくなると大変な事態ですが、10社と契約があれば、1社がなくなっても9割残っています。
そのように、ビジネスモデルやあり方を変えることも、実はメンタル管理の一部なのです。
③ツキを管理する
健康と同様に管理したいのが「ツキ」です。
これは船井総研の創業者、舩井幸雄さんが大事にしていた考えで、ビジネスがうまくいっている経営者は「ツキ」があるものです。
ビジネスは運に左右される部分も非常に多く、言い換えれば、ツキの管理をすることはビジネスの成功に欠かせないと言えます。
舩井幸雄さんは、ツキがあるのは、次のようなタイプの人間だと言いました
- ①物事をよいほうに考え、よいこと、あるいはよくなることを想像し、発想でき、絶えず「自分はツイている」と思える「プラスな発想型人間」
- ②どんなことでも素直に受け入れられ、過去の経験や知識だけで物事を決め付けたり、否定したりしない「素直肯定人間」
- ③新しい道の分野に挑戦し、それを知ることが好きな「勉強好き・挑戦好き・やる気のある人間」
- ④謙虚で、誰に対しても威張らず、差別意識のない、いつも笑顔の「謙虚な笑顔人間」
- ⑤他人の短所に目が行かない代わりに、長所がすぐ目に入り、しかも他人や自分の長所を伸ばすことに全力を尽くす「長所伸展型人間」
- ⑥他人に任せるべきことは任せるが、責任は自分で負い、自己犠牲的で、ほかをアテにせず、自分を建前とする「自助型人間」
- ⑦耐えることを苦にせず、喜んで苦労し、しかも目標を定めたら、達成するまでくじけず、執念を持ってことに当たる「辛抱・執念型人間」
- ⑧常にマクロな、バランスのある判断ができ、感情が安定して自己制御心が強く、着実な実行力に秀でた「着実・バランス安定人間」
- ⑨20代末までは強気で生き、30代~40代前半にかけては強気に負けん気をミックスして生き、40代後半以降は、強気、負けん気に、思いやりも加わって生きるタイプの「強気・負けん気・思いやり人間」
- ⑩統制や管理が大嫌いで自由を好むが、約束したことや秩序維持のために必要だと判断されることは必ず守る、「高教養型の秩序維持型自由人」
私が長年、コンサルティング支援させていただいた会社の社長の多くは、「ツキのある会社・人と付き合う」をルールにしていて、ツキのない人とは衝突することなく距離を置いていました。
ツキのある会社・人と付き合っていると、自分にも運が引き寄せられるものだと語っていました。
これがツキの管理です。 社長のための「普通の人が成功体験を積み、自信をつけていく」方法~成功する社長・経営者がやっている3つのことをお伝えしました。
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