社長の挨拶が社員達の心に響かない訳
-
2023.06.09
- 社長の挨拶。おはようであったり、朝会の挨拶であったり機会は多いはず。しかし、ちゃんと伝えていても心に響かなかったり、改善が見込まれないことって以外と多いはず。社長の挨拶の目的と、響かない理由、そしてどのようにして改善していけばいいのか解説ししていきます。
社長挨拶の目的
ある程度の規模、人数の会社になると社員ひとりひとりと向き合って仕事をしていくことは難しくなります。トップダウン型に「今日から会社はこうしていきたい」「こういう点で改めてほしい」「がんばっているね」といった全体に対してコメントをしていくことであったり、告知や忠言をすることが端的に言えば社長挨拶の目的です。
受け取りて側にとっては、社長との直接の対面機会ではないものの、会社の顔をしることや会社がどういった方向性にすすんでいくかについて考えるきっかけにはなるものです。しかしながら、単純に挨拶だけが日程にくみこまれてしまっていたばあい、受け手側は嫌々出席することになってしまっている場合もあります。また、社長にとって煩わしい時間であったり、今回やらなければいけないのかなと疑問符が出てしまうような場合は、なかなかに続けていくことは難しいのではないでしょうか。
そういった場合の挨拶というのはいくら100のエネルギーを社長がそそいだとしても1も受け取れません。受け取り側が口を開けていなければ栄養を得られないのと同じで、まずは口を開けてもらう環境であったり、雰囲気作りからやっていくことが大事ではないでしょうか。
こういった社長挨拶はNG
響かなかったり、聞き流してしまう社長の挨拶ですが、100人に対して伝えると大体人数に比率して伝わりにくくなるとおっしゃっている社長も多かったです。では、そういった壁をいかにして乗り越えていくのかについてが今回解説する項目になります。
長話
ヒトは集中できる時間は50分程度と言われています。しかし、これは自分が集中状態に入っているタイミングで最大限発揮できる時間といったレベル。本質的に集中して聞ける時間というのはもっと少ないです。社長の興和の多くは、主体的に聞こうとするのではなく受動的に聞き流そうとする社員達であると一旦仮置きしてみましょう。そうした場合、いくら社員とはいえ真面目に聞いてくれることは少なくなってしまう訳です。挨拶や講和であれば長くやることや時間いっぱいでやることを目的としてはいけません。
大切なのは長話ではなく、伝えるための時間を割くことです。行動変革や意識改革を起こすために必ず1時間話してもらう必要というのは実のところはないはずではないでしょうか。他の人と比較して長く話し過ぎているのであれば、一回録音して聞いてみることから始めてみませんか。
社長の自慢話
社長個人がどういう幸せや自慢をするか。あまり従業員にとっては興味がありません。ではどういった話がもとめられるのか?自慢の先が従業員であることなどがそれではないでしょうか。
社長にとっての自慢の社員、あるいは製品やサービス。そうした愛着感であったり心の情熱というのは言葉足らずであったとしても伝わるものです。逆に社長が業績が良かった!数字が良かったという話は社長の給与を代わりに稼いでいるようでしらけるという若手の声もあるぐらいです。
社員のことを愛し、社員のために尽くす社長像。行動でしめすことが絶対条件ですが、それと同じく機会のあるたびに伝えていくことが大事だと私は考えます。
課題の共有
課題や問題の解決のために挨拶を使用していませんでしょうか。
それ自体は良い心がけなのですが、行動まで考えると自主性に働きかけることが大切だと私は思います。社長にとってこうしてほしいという正解や行動規範を伝えることは結構簡単です。しかしながら、あなたが社員だったときやアルバイトをしていたときを思い浮かべてほしいのですが、自主的にやることと指示されてやることの継続性であったり、成果、あるいは実施頻度という目線ではどう変わっていくでしょうか。
たとえば社内をきれいにしていきましょう。というやること目標だけを掲げた場合、つたえつづけていなければ実践されません。逆に社内にどういうことをしていけば会社が働きやすくなりますか、と挨拶にて投げかけ、それぞれの部署や管理職にワークショップを開催。社員の自主性によってでてきた「社内をきれいにしましょう」という行動規範。実施頻度についてはどちらがたかくなるのでしょうか。
挨拶では課題を共有に終始し、問題解決の実行についてはワンクッション自分で考えさせることを心がけていきましょう。
多人数での開催
また人数についても社長挨拶においては大事な要素です。多人数開催をしたとほうが、社長にとっては同じ話をする機会が減り、楽にマネージメントできると考えるはず。しかしながら、そこにちゃんと伝えたいという課題感があるのであれば、目線をあわせられる人数にしてみることも大事です。
多人数開催の場合、どうしてもさぼっている人、聞かない人が出てきます。そういった人が大きなミスや課題を発生させる源泉になっているのであれば、多人数開催は社長の挨拶においては適正なやり方ではないといえるのではないでしょうか。
では適正な開設人数は何人ぐらいか?その答えは会社の形態ごとによることろは大きいです。しかし、結論から先に述べますがそれぞれの社員に行動してもらいたい、伝えたいとかんがえているのであれば20人が限度ではないかと私は考えます。
部署に対する激励やてこ入れであれば両手で数える人数にて開催を心がけましょう
社長の挨拶が愚痴や準備不足の場合
社員に対して言いたい愚痴は、ぐっとこらえられるのが社長の気概というものです。時に、キャバクラや外部の取締役が良いガス抜きになっているとの意見も散見します。こればかりは、社長という立場において挨拶がガス抜きになった場合、その起爆性のあるガスは他の社員たちが受け止めなければいけなくなってしまっている事態も引き起こしかねないと思っておきましょう。とにもかくにも愚痴ではなく、課題や問題であればそれにたいしてどう行動規範を設けるのか、あるいはこう行動してほしいというリクエストベースで社長にとって社員とコミュニケーションをとることを考えておきましょう。
また、準備が不足していると感じられる場合。あなたが思っている以上に社員は機微にその状況を俯瞰してみています。悪い話ではありますが、社長がぱぱっとしゃべった、あるいは準備不足で大変なんですがという前置きを話した場合。「あ、これって重要じゃないんだ」「新たな仕事のタスクを書き出してしまえ」と考えがちだったりします。
社長の時間を使っているではなく、社員に時間をつくってもらっていると考えて準備不足は払しょくしていきましょう。最低限挨拶において社長に求められるミッションがそれなのです。
自分で社長の挨拶に点数をつけよう
今日の挨拶はどうだったか?社員を捕まえて聞いても引き出せるのは良かったですという言葉ぐらいではないでしょうか。形骸化している社長の挨拶ほど、顔はニコニコしていても心まで響いていなかったりします。
そうしたとき自分でできるのは、挨拶を撮影し視聴。自分ですこしづつ改善させていくことです。社長にとって本質的に必要なのは客観視です。主観でビジネスの方向性をきめ、客観視や俯瞰で自分自身の行動や発言が本当に問題ないかを洗い出していく。それができるかどうか、その挑戦とPDCAを回せる場こそが社長の挨拶と言えるのではないでしょうか。