補助金と交付金、その違いを徹底解説!
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2023.04.15
- 補助金と交付金、その違いを徹底解説!事業者や団体の活動をサポートするために提供される補助金や交付金などの資金ですが、その性質や提供条件には違いがあります。今回は補助金と交付金の基本概念や申請方法などについて解説します。
それぞれの特徴を明確に理解することで適切な資金調達方法を選択できるようになりますので、ぜひご活用ください。
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補助金の役割と意味を解説
補助金とは、国や地方自治体、民間団体などが、個人や企業、団体の事業やプロジェクト(研究開発、社会福祉、環境保護、教育など)を支援するために提供する資金のことを指します。以下に、補助金の主な特徴を挙げます。
・使用用途が限定されている
補助金は、特定の目的やプロジェクトに対して提供されるため、基本的には使用用途が限定なものとなっています。事前あるいは事後に払い出される際に、適正に使用されるかが審査条項となっています。また、申請時には、その資金がどのように使用されるかを明確にし過不足なく支払われるもの、あるいはその使用金額の一部分(3分の2)などが補助金として支払われる場合があります。
・競争率が高い
補助金は、多くの人や団体が応募するため、競争率が高いことが特徴です。そのため、審査の不備なく活用されているかどうか、効果的な申請書の作成と適正な審査基準に沿った提案が求められます。一部では専門的な文言や書き方が求められる事項もあるため場合によっては士業に申請書類の書き方をチェックしてもらったり、執筆の代行をしてもらう必要があります。
・補助率
前述しましたが補助金には、補助率という概念があります。これは、プロジェクトの総費用に対してどれくらいの割合で資金が支援されるかを示すもので、通常、一定の割合が設定されています。基本的に補助率と合わせて、最大の交付金の上限も設定されているため上限を超えた場合でもそれ以上の交付はなされないと認識しておくとよいでしょう。
例)最大4000万円の交付率は2分の1。実際に1億円を使用したとしても4000万円しか払い出されない。
・成果を報告する義務がある
補助金を受けた場合、その使用状況や成果について報告する義務があります。交付前の検査において、それに準じた申請ができていない場合、交付されません。また資金提供者は、資金が適切に活用されているかを確認できます。昨今話題の委託業者の不正利用など、交付申請が簡単だからといって、成果が得られないものであったり、不正に受給するということは行ってはいけません。不正が認められた場合、交付金の返還が求められるだけでなく、罰則金を求められることもあります。
・返済が不要
補助金は、基本的に返済が不要な資金です。ただし、一部の補助金には返済義務がある場合もありますので、申請前に確認が必要です。
補助金は、事業やプロジェクトの資金調達に大変役立ちますが、上記の特徴を理解し、適切な方法で申請することが重要です。
交付金とは
次は補助金とは似て非なる交付金です。国や地方自治体が、一定の条件や基準を満たした個人や企業、団体、あるいは自治体に対して、特定の目的(インフラ整備、公共サービスの向上、地域活性化など)のために提供する資金のことを指します。以下に、交付金の主な特徴を挙げます。
・規模が大きい場合が多い
交付金は、補助金に比べて規模が大きく、多額の資金提供をされることが特徴です。例えば水道の整備、道路の整備、公民館の設置など民間事業規模とくらべて莫大な予算が必要となります。地方自治体単体では、財政赤字を引き起こす可能性もあるため、県あるいは国が交付金を出し、建設のフォローを行います。そのため民間事業よりも、大規模なプロジェクトである場合や期間が長い場合、それ自体に収益性を求められないインフラ整備などに対して支援が行われます。
・具体的な成果が求められる
交付金は、事前にその建設や実行に対して成果や効果が求められることが特徴です。前段階として、計画書を作り、交付金の申請タイミングを待って実現する場合。計画があり、その実現のために交付金制度を作ることの働きかけなど、ロビー活動やメディア論調を巻き込む必要があるなど、計画や実行力が評価されます。具体的なアクションプランや達成目標が著しく低い場合には、建設後に世論を通じて批判され鵜可能性もあり、民間や周辺住民を巻き込んでそこに交付金を使用するメリットを明示する必要があります。
・厳格な審査
交付金の申請には、厳格な審査が行われます。その交付金規模にもよりますが、補助金以上に必要書類や適格事業者かどうかを審査される場合があります。申請書類の内容や事業計画の質が重要となり、適切な審査基準に沿った提案が求められます。
・使用条件が特定分野に特化していたり、狭い場合が多い
交付金は、特定の目的に限定され、使用条件が厳しく設定されています。また、交付金の使用状況や成果について報告する義務があり、適切な運用が求められます。
補助金とは異なる特徴を持ち、特定の目的や成果に対する資金調達手段として役立ちます。適切な申請方法や条件を理解し、効果的な活用を目指しましょう。
補助金、交付金をしっかりもらうには?
補助金や交付金を受け取るには、とにもかくにも申請が最初の一歩です。申請方法は、補助金や交付金の種類によって異なりますが、一般的には以下のような流れになります。
必要書類の準備:申請書や概算見積もり書など、必要な書類を用意します。昨今の地方自治体や官公庁の申請書類はWEBからDLして
申請方法の確認:補助金や交付金を申請する機関のウェブサイトなどで、申請方法を確認します。
申請書の提出:申請書類を提出します。郵送やオンライン申請など、提出方法は様々です。
書類の審査:提出された申請書類が審査されます。必要に応じて追加の書類提出や面接が行われることもあります。
交付の決定:審査に合格すると、補助金や交付金の交付の可否が決定されます。
必要書類と審査基準は、補助金や交付金の種類や提供機関によって異なりますが、一般的には以下のようなものがあります。
【必要書類】
・申請書
・業務計画書、事業計画書
・収支予算書、財務諸表
・設立登記簿謄本、印鑑証明書
・財産目録、税金納付証明書
【審査基準】
・事業内容や計画の妥当性
・資金使途の透明性や合理性
・財務状況の健全性や持続可能性
・経営者の人物性や信頼性
・地域振興や社会貢献への貢献度
書類の提出方法や申請期限、審査結果の通知方法なども、補助金や交付金の種類によって異なります。正確な情報を入手し、適切な書類を提出することが重要です。一般的に、自治体や国が公募する場合は、応募締め切りがあります。一定の期間内であれば随時受け付けているものもあります。
申請結果の発表も、申請期間が終了してから一定期間を経てから発表される場合が一般的です。結果は、書類の不備がない場合は、抽選などの方法で決定されます。結果は書面やWebサイトで発表され、落選者には不採択通知書が送付されることもあります。
申請期間が短い場合や予算枠に達した場合、早期に締め切られることがあります。そのため、申請にあたっては、申請期間や申請要件、申請書類の提出期限に注意することが重要です。
プロジェクトの設計図を描き、申請書をつくる
補助金や交付金を受け取るためには、申請を行い、審査に通過する必要があります。その際に、交付率を高めるためには、いくつかのコツがあります。この章では、交付率を高めるための具体的な方法を解説します。
プロジェクト内容を明確にすることは、交付率を高めるうえで非常に重要です。補助金や交付金の申請時には、どのようなプロジェクトを行いたいのか、具体的な内容や目的、必要な費用などを詳細に記述する必要があります。そのため、以下のようなポイントに注意しながら、プロジェクト内容を明確にすることが大切です。
・具体的な目標の設定
プロジェクトにおける具体的な目標を設定することで、プロジェクトの方向性を明確にし、申請時に審査員にプロジェクトの重要性をアピールすることができます。
・詳細なプランニング
プロジェクトの内容を具体的に計画することで、プロジェクトの実行計画が明確になります。また、予算の割り当てや工程表なども作成することで、審査員に対して具体的なプロジェクト内容を示すことができます。
・現状分析
プロジェクトを実行する前に、現状分析を行い、どのような課題があるのか、どのような環境下にあるのかを把握しておくことが大切です。その上で、プロジェクトを行うことでどのような解決策を提供するのかを明確にすることが重要です。
・実行可能性の検討
プロジェクトの実行可能性を事前に検討することが重要です。予算やスケジュール、人材の確保など、プロジェクトを実行するために必要なリソースがあるかどうかを確認することが大切です。
これらのポイントを踏まえ、プロジェクト内容を具体的に明確化することで、交付率を高めることができます。
申請書類作成のポイント
申請書や事業計画書などの書類作成は交付金を受け取る上で非常に重要であり、効果的な書類作成が求められます。以下に、効果的な書類作成のポイントをまとめます。
・見やすさとわかりやすさを重視する
フォントの大きさやレイアウト、文章の構成などを工夫して、読み手にとって見やすく、わかりやすい書類を作成することが大切です。
・目的や内容を明確にする
書類作成の前に、目的や内容を明確にし、必要な情報を整理してから作成することで、書類の完成度が高くなります。
・重要な情報を強調する
交付金を受ける上で重要な情報は、見逃されないように強調して記載することが大切です。例えば、事業計画書では事業内容や財務計画が重要な情報となります。
・公的機関のガイドラインに沿う
申請する補助金や交付金によっては、公的機関が作成したガイドラインに沿って書類を作成する必要があります。このガイドラインを参考に、書類を作成することで、審査通過の可能性が高まります。
これらのポイントを踏まえ、効果的な書類作成に取り組むことで、交付金や補助金の受給につなげることができます。
申請前に専門家からアドバイスをもらう
申請にあたり、事前に専門家や担当機関に相談することは非常に有効です。相談をすることで、以下のようなメリットがあります。
・申請書類の不備を事前に発見できるため、申請手続きをスムーズに進めることができる。
・自分が申請できる補助金や交付金の種類を事前に知ることができるため、必要な書類や手続きを事前に把握できる。
・相談先からアドバイスを受けることで、自分の事業計画の改善やアイデアの出し方などを学ぶことができる。
・申請手続きの過程で問題が発生した場合、相談先のアドバイスを仰げば解決策を見つけることができる。
相談先としては以下のようなものがあります。
・中小企業支援センター
中小企業向けに相談窓口を設置しており、経営に関する相談や資金調達のアドバイスなどを提供しています
・商工会議所
地域の商工業者の支援を行っており、事業計画の作成や財務に関するアドバイス、海外ビジネスに関する相談などを提供します
・専門家
税理士や社会保険労務士、行政書士、コンサルタントなど、各種専門家に相談することで、専門的なアドバイスを受けることができます
事前に相談をすることで、申請に必要な書類や手続きをスムーズに進め、交付金や補助金を受け取るためのチャンスを広げることができます。
中小企業に人気の利用しやすい補助金
企業や個人にとって魅力的な補助金について解説します。各種産業や地域の活性化、環境保護、福祉など、様々な分野で提供されている補助金の中でも、特に需要が高く人気のある補助金や、その対象はどういったものがあげられるのでしょうか。
IT導入補助金
中小企業に対して情報処理の導入や改善を支援するために、経済産業省が実施している補助金制度です。具体的には、オンラインストアの構築やクラウドサービスの導入、ビジネスアプリの開発など、ITを活用した業務改善に関する費用の一部を補助します。
申請期間は年に数回行われ、申請には事前に業務改善計画書の提出が必要です。ITの導入や改善によって、業務の効率化や競争力強化を目指す企業にとって、重要な支援策の一つとなっています。
詳しくはこちら>https://www.it-hojo.jp/
事業再構築補助金
新型コロナウイルスの影響によって事業が停滞している中小企業者の経営の再構築や、新たな事業モデルの構築などを支援するための補助金です。具体的には、事業計画の策定や販路開拓、従業員の雇用維持・増員などに対して支援が行われます。
申請資格や手続き、申請書類などについては、国や都道府県、市町村などの支援窓口に確認する必要があります。ただし、事業再構築補助金は、新型コロナウイルスの影響による経営課題に対応するために設けられたものであり、具体的な支援内容や対象が変更される場合があります。そのため、最新の情報を入手し、柔軟に対応することが求められます。
詳しくはこちら>https://jigyou-saikouchiku.go.jp/
ものづくり補助金
中小企業の製造業者が新製品の開発・製造・生産設備の改善などの取り組みを行うために、国が補助する制度です。具体的には、生産性向上や新たな製品開発に必要な機械・設備の導入費用、試作品作成費用などに対して、補助金が支給されます。
応募は一定期間限定で、公募要項に基づいた申請書類の提出が必要です。補助金の額は審査により決定されます。ものづくり補助金は、中小企業の製造業者が新製品の開発・製造・生産設備の改善などの取り組みを行うために、国が補助する制度であり、日本の産業を支援するために重要な役割を担っています。
詳しくはこちら>https://portal.monodukuri-hojo.jp/denshi.html
社長onlineでは、補助金と交付金の違い、それぞれの申請プロセスや対象となる事業について、解説しました。
事業者や団体のみなさまは自身の事業内容や資金調達の目的に応じて適切な選択を行うことが重要です。このブログを参考に効果的な資金調達方法を行い、事業の発展や地域社会への貢献につなげていただきたいと思います。
(さて無料版はここまで。士業の先生方が教える今申請したい補助金に関する記事を確認したいかたは無料お試しで全て見れます!社長onilineにて公開中)