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経営者のための3日間 第96回経営研究会全国大会開催レポート

2023.10.15

8月20日から22日にかけてグランドプリンスホテル新高輪などで開催された「船井総合研究所第96回経営戦略セミナー 経営研究会全国大会2023」を振り返ります。4年ぶりのリアル開催となった今回、全国から多くの経営者の皆さまにお集まりいただきました。

船井総合研究所を代表する伝統的イベント

経営戦略セミナーは、創業者である舩井幸雄がスタートさせた船井総合研究所を代表する伝統的なイベント。100を超える経営研究会、会員企業の経営者が一堂に会する「研究会全国大会」として開催しています。中堅・中小企業、特に地域で活躍する経営者に主眼を置き、「時流」と「未来予測」から、向こう3~5年を見越した中長期の課題解決やテーマを基に3日間に渡り講演などが行われています。

今回のゲスト講師にはヤフー株式会社 代表取締役社長執行役員CEO・小澤隆生氏▽トラスコ中山株式会社 代表取締役社長・中山哲也氏▽エスクコムグローバル株式会社 代表取締役社長・西村誠司氏ら最前線をいく現場のトップリーダーに登壇していただきました。

メイン講座には多彩なゲスト講師が登壇

メイン講座は21日、グランドプリンスホテル新高輪で開催されました。

ゲスト講師らによる各種講座のほか、社会性・教育性・収益性・成長性・環境性を兼ね備えた企業を表彰するグレートカンパニーアワード2023の授賞式、スタートアップ企業のプレゼン大会も行われました。会場には全国から多くの経営者の皆さまが集まり、メモを取るなどしながら熱心に講座に耳を傾けていました。

最初に行われたのは、船井総合研究所代表取締役社長・真貝大介による講座です。今年の講座では「ローコードDXとAIの力で実現する持続的成長戦略」と題して最新技術を踏まえた事例を紹介。変化に適応しながらチャンスに変えるためのヒントを解説しました。

ゲスト講師にはヤフー株式会社の小澤氏らが登壇。会場に訪れた多くの経営者が講座に聞き入った

続いて行われたゲスト講師による講座では、ヤフー株式会社の小澤氏らが登壇しました。小澤氏は「失敗力」「やり抜く力」「執着心」をキーワードに「経営におけるデータ活用の意味」について語りました。

トラスコ中山株式会社・中村哲也氏の「教科書にない経営」では「経営者において最も重要なのは独創力」「他社の10倍考える」「敵がいないのは味方がいないのと同じ」といった印象的な言葉がありました。エスクコムグローバル株式会社の西村誠司氏の講座「逆境をプラスに転化する大逆転経営の神髄」では、コロナ禍でV字回復した経験から、逆境の中でも新たな事業に挑戦する意義を伝えていただきました。

グレートカンパニーアワード授賞式にスタンディングオベーション

グレートカンパニーアワード2023授賞式。受賞企業7社の代表らが登壇


グレートカンパニーアワード2023授賞式では本年度5,300社の対象企業から選ばれた7社の経営者が登壇し、喜びの言葉を述べました。

受賞企業の経営者によるパネルディスカッションでは、顧客感動賞▽働く社員が誇りを感じる会社賞▽ユニークビジネスモデル賞▽社会貢献賞▽業績アップ賞を受賞した各経営者が自社ならではの取り組みによって、多くの人材を集めたり、事業を急成長させたりした事例などを紹介しました。

今年度グレートカンパニー大賞を受賞した城南信用金庫・川本恭治理事長

今年度グレートカンパニー大賞を受賞した城南信用金庫からは、川本恭治理事長による講演も行われました。

川本理事長は、「困っている人を助けることが信用金庫の使命」として地域密着で中小企業支援に力を入れる同金庫の取り組みを紹介。全国の信金と連携したビジネスの創出、東日本大震災でのボランティア活動、コロナ禍の地域応援キャンペーンなどによって、預金残高を直近10期連続で増加している現状を語りました。

会場からは受賞した7社への大きな拍手とともにスタンディングオベーションが贈られました。

今回初めての試みがスタートアップ企業によるピッチイベントです。目的はビジネスのマッチングなどへの活用です。トップベンチャーキャピタルに推薦された地域課題を解決するサービスを提供している6社の代表が登壇しました。

スタートアップ企業6社によるピッチイベントの様子

展示会には最新のソリューションが集結

また、講座が開かれている会場のそばでは展示会「ビジネスパートナーフェア2023」が平行して開かれました。「業績向上・価値向上」「DX・生産性向上」「人財・職場づくり」「財務会計」「新規事業」「その他」6つのテーマで、中堅・中小企業の課題解決を図る商品やサービス、新たなソリューションが紹介されました。

出展・協賛企業&パートナー企業のブースと船井総研ブース併せて57のブースが設置された会場には、各講座の休憩時間になると多くの参加者が集まりました。各ブースでは興味を持った方が足を止めて話を聞くなど終始にぎわっていました。

個別講座、研究会分科会も開催

20日、22日には個別講座、研究会分科会が東京国際フォーラムやグランドプリンスホテル新高輪などで開かれました。多くのゲスト講師のほか船井総研講師も登壇。IT導入補助金▽カルチャーDX▽IPOによる成長戦略▽GXビジネス▽経理改革▽M&Aでの企業成長など経営者の皆さまにキャッチアップしていただきたい旬なテーマでの講座をお届けしました。

経営者の新たなアクションにつながる

経営戦略セミナーの最後には懇親会が行われる。4年ぶりに集まり、語り合う経営者ら

真貝大介は経営戦略セミナーに参加する意義を「新たなアクションのきっかけ」だと言います。

メイン講座は多くの経営者にとって直接関係のないテーマが多くなります。今回、真貝の講座はチャットGPTやAIに関するテーマで業種を問わず話しました。ヤフー株式会社の小澤氏やトラスコ中山株式会社・中村氏の講座も同様にECや製造業に携わる経営者でなければ、関係のないテーマだと感じるかもしれません。それにも関わらず「こんなに面白いと思わなかった」「あんなに話が聞けると思わなかった」との声が寄せられました。

「参加した多くの皆さんが『揺さぶられた』と感じています」と真貝は話します。

「メイン日は終日、自身が『何か』を探す作業が必要です。自社の業種に置き換え「自分だったらこのテーマをどう進めるだろう』と想像を膨らませる。普段出会わない他の経営者と話すことで『そういうことだったのか』と確認する。そうして自身に落とし込むのです。

これこそが経営戦略セミナーに参加する意味だと感じます。

非日常の空間に身を置くことで、見えてくるもの・耳に飛び込んでくるものが見つかります。1年に一度くらい、違う扉を開いてみるのは経営者にとって非常に大切なことだと感じます。経営者の皆さまにはぜひこういった活動を取り入れて頂き『想定していなかったところに宝があった』という体験をしてもらいたいと感じます。今までとは違うベクトルやレイヤーで新しいアクションを始めてもらうきっかけが経営戦略セミナーです」

4年ぶりにリアル開催された「船井総合研究所第96回経営戦略セミナー 経営研究会全国大会2023」の内容を記事や動画でお伝えしていきます。