社長のランチ会やランチミーティングの効果と実施頻度について紹介
-
2023.06.01
- 社長として、社員とのコミュニケーションの取り方はいろいろ存在します。今回解説したいのは、手法の中でも最近話題の「ランチミーティング」です。飲みニケーションが死語となった現代、社員の秘めたるニーズを見つめ士気を高める手法として紹介したいと考えています。成功する社長の組織管理は意外と食卓で生まれるのかもしれませんよ。
ランチミーティングの必要性
最初に解説するのは、ランチミーティングの必要性や意味です。そもそも、ランチミーティングは日本に根付かないという人や旧来型の飲みニケーションを好む組織も存在します。ただ、若者のアルコール消費量の減少からわかるように、乾杯や無礼講というやり方では経営者は若手の本音を引き出すことはできません。また、飲み会というと時間の調整が大変ですがランチとは基本的に誰でも行いますから、ふらっと実施することも可能です。
ランチミーティングとは何を指すのか?
ランチミーティングの意味について解説します。ランチミーティングとは、ミーティングや会議、あるいは情報交換やディスカッションなどを昼休みの時間を用いて行うことです。必ずしも業務に関係ないことであったとしても膝を合わせて社員や従業員と同じ目線で話すことを目的としています。業務で硬直しがちな情報交換や、かしこまった会議室と比較すると、かなりリラックスしている雰囲気の中実現できます。その理由としては、昼ご飯を食べながら行えるからです。勤務時間には言い出すことのできなかった意見やアイデアを自由に交換できます。
ランチミーティングでは社長や、部署の長が主催することが多いです。しかし、ただ日程を合わせ、同じ場所で食事だけをすることは、ランチミーティングではありません。ランチミーティングを計画し、社長と社員が積極的に参加し、その場で集まった意見にフォローすることまでが、ランチミーティングのプロセスということです。
ランチミーティングのメリットとデメリット
ランチミーティングは、末端の社員から社長まで、会社という組織の構成員が一緒に集まり、食事をしつつリラックスしている雰囲気で行う会議であるのため、それまで聞くことのできなかった新たな考えや、新鮮な意見を聞くことができます。
それに、日常的に接することのなかった多様な部署が同じ場所に集まり、意見を交換することで、社員の結束力を引き上げるという効果も期待できる他、昼食の時間を業務に一環として効率的に活用できることもランチミーティングのメリットとして挙げられるでしょう。
しかし、デメリットも存在します。ランチミーティングの最も貴重なメリットは、「自由に意見を出し、それが受け入れられる姿を社員に体験させる」ということです。自身の意見が実際の会社の運営に反映されなければ「聞いてるだけで終わっている」と感じる人もいるでしょう。逆にちゃんとランチミーティングきっかけに何かが動くようになれば、以前よりも会社と業務に対する意欲が高まることが期待できます。
また、ランチミーティングでざっくばらんに話すぎたことにより「情報流出」や「階層の壁」を感じることもあるといわれています。後述しますが、場所選びをミスすると、メリット以上のデメリットを被ることとなります。
なぜ社員のモチベーションが重要なのか
社員のモチベーションは、業績に直接つながる大事な要素の一つです。学術的にもモチベーションと業務実績との相関関係は証明されていますし、現場からも「モチベーションの高い職員の方が、より熱心と業務に参加し、高い実績を記録している」といわれています。社長が従業員のやる気をあげるというのはひとつのマネージメントに求められる能力として当然と受け入れられています。
いかなる組織でも構成員のモチベーションを上げようと試行錯誤してきた事例は多く、その歴史も長いです。例えば、古代から、軍隊の名将は部下の士気を管理することに怠らず、裏切りや逃亡を未然に防ぐことにつながっていました。さらに、高い「士気」を保つことで少数・小規模の軍隊が大規模の敵を撃退した事例も沢山存在します。将軍だけがやる気が高くても勝利にはつながりません。
現代の会社組織においても、社員のモチベーションの向上・維持は非常に重要です。モチベーションを引き上げ、維持できる経営者の手腕により、確保した人材の流出などを防ぐだけでなく、小規模の会社であっても大きい成果をなり遂げることも可能であるはずです。
職員のモチベーションの維持や向上は、成功する経営リーダーの仕事の一つと理解しておきましょう。
ランチミーティングの時の注意点
モチベーション・マネジメントのためにランチミーティングを主催することになっても、実際運営はなかなかに難しいとされています。というのもランチミーティングには明確になっていないながらもお作法があるからです。ここからは、ランチミーティングを主催する際の注意すべき点を解説していきます。
レストランの選定・予約は慎重に
まず、レストランの選定と予約に注意しなければなりません。周辺がうるさくなくて明るい雰囲気の店の方が、ミーティングに集中できる環境でしょう。また、社員同士に集まり合える職場と近くの場所を事前に調べ、選定・予約まで済ませておいた方が良いでしょう。ランチミーティングの初回から数回までの開催はある社長が率先して選ぶことも大事です。参加者任せだと仕事としての側面が強くなってしまうからです。また、ランチミーティングでの議論の活性化させるためにも、情報流出が起きにくい場所で設定することも大事です。経営者にとってその課題解決が目標とされますが、前提として情報流出や流出リスクは避けなければいけません。
全員が気軽に話し出せる雰囲気を作る
ランチミーティングの途中には、明るく、話しやすい雰囲気を作っていくのがキーポイントです。せっかく議論の場を作ったところ、誰も意見を出そうとしないままであれば、社長としても職員としても、時間を無駄にしてしまうだけです。
それから、社長から新入社員までの全員が新たなアイデアを話すことのできる雰囲気を作ることが重要となります。積極的に社員の意見を清聴する姿を見せ、参加者全員に「自分のアイデアを、社長が熱心と聞いている」ということを明確にしましょう。
社員に「楽しみ」を
今日のような高物価時代における昼食代は、誰にでも負担になりがちです。昼食代を節約できるだけではなく、社長と意見を交換できるランチミーティングに参加できると、社員のモチベーションは自然と上がらざるを得ないでしょう。
これは絶対条件ではないですが、ランチミーティングの費用を全額あるいは一部負担することは大切です。
それから、メニューの選定などにおいても、できる限り社員のお好みを把握し、適当なアレンジも社員の積極性を向上につながります。無論、只々「高いメニューであればOK」なわけではありません。高すぎる価格のメニューはむしろ社員に心理的な負担をかけてしまうこともあるためです。食物アレルギーなどに配慮しつつ、メニューの柔軟性があるお店の方が良いでしょう。(たとえば、〇〇専門店などにしてしまうと一個のメニューしか選べなくなってしまうため)
「イベント」ではなく、定期的な「スケジュール」へ
ランチミーティングをただ一回行うだけでモチベーションの向上や能率の改善、新たなアイデアの習得がすべてできるようになるわけありません。一方、毎日ランチミーティングが開かれると、支出管理や調整の関係から負担になってしまいかねないので、むしろ逆効果をもたらしかねません。
たとえば月2~4回に日程を調整し、ランチミーティングを「定期的なスケジュール」として受け入れてもらうことも重要です。職場の忙しさによってはランチミーティングが負担となることまおりますから、最低でも四半期に1回、あるいは多くても週1などと設定しておくとよいでしょう。
ランチミーティング以外の社員の士気の上げ方5選
ランチミーティングについては、実施することが目的となりがちです。しっかりとその実施する意味を見据えて、議論の活性化を心がけましょう。
①褒める
研究によると、仕事に捗っている社員を褒めることによるモチベーションの上昇は、金銭的な補償よりも強く、モチベーションだけでなく仕事への満足度も大幅に上昇するといいいます。「君、よくやったね。」など、一言でも職員は仕事を続ける熱意を得られるということです。褒められなれていない人からは最初は反応が薄いかもしれません。でも、めげずに誉めることを心がけましょう。
②公平性を保つ
実績のない社員が、実績のある職員と等しく待遇を得られている場合はモチベーションを下げます。むしろもう一層優遇されたりしてしまうと、成果をなり遂げ、実績を取ろうとする熱意は上がらないものです。そのため、公平な実績管理、また、その実績による待遇の差別化が体系的に構築することが重要です。褒めることと同じく、公平性をもって経営を行いましょう。
③成果による報酬
たとえ誉め言葉が金銭的な補償よりも短期的なモチベーションを向上させる効果があるとはいえ、公式的で実際的な補償の効果も決して強くないことはありません。人事管理側面において、〇〇ができたら課長に昇進といった定量成果はモチベーションを削ぐとの研究結果もあります。短期的な成功については、賞与。長期的な成果については給与やインセンティブなどを提供していくことも大事です。ベンチャー企業であればストックオプションなどの提供も良いでしょう。
④失敗の容認
一回の失敗も許さないという態度は、社員が、積極的な業務への参加を恐れるような軍遺棄を造成してしまいます。挑戦、変革よりも、硬直している雰囲気を生み出します。時に自己保身的な態度は、人事的な側面だけでなく経営戦略・企画の側面からも会社に悪影響を及ぼすことになってしまいます。
そこで、失敗を恐れず新たなものへ挑戦できる環境を作ることが大事です。必要な失敗であれば、むしろ褒めるぐらいの職場の温かさは大事です。
⑤裁量権の付与
アジアの会社は、とりわけ新人に近い社員であるほど裁量権を付与するよりは既存のやり方にこだわらせるような傾向があります。言うまでもなく新入社員への教育は必須的ですが、ある程度の仕事ができるようになってから上長がマイクロマネジメントを行うと、意見の無視ややる気をそぐことに継餡がり勝ちです。むしろ、成長機会を求めて新規市場・新規事業があるにもかかわらず転職してしまうことすらあります。
ランチミーティングと同様に「自分の意見が受け入れられる」という姿を直接目にする社員のモチベーションを引き上げ、積極性を向上させることができます。
さいごに
会社の成長・事業の維持に必須的である社員のモチベーションの向上には、多様な手法はあります。今回書ききれなかったものの中には、比較的に簡単な手法から中長期で取り組むものまでいろいろと存在します。
まずは手元でできて、そんなに費用がかからないとされるモチベーションの向上のため、社員とのランチミーティングを開催してみませんか。