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社長のおごり自販機の導入の効果と導入後の声とは?

2023.06.19
働き方改革やコロナ禍でリモートワークが進んだことによって、社内でのリアルコミュニケーションの機会が大きく減少しました。

そんな中、何気ない雑談が仕事上のアイデアやチームビルディングなどへつながっていることに着目し、サントリー食品インターナショナル(株)が開発したのが「社長のおごり自販機」です。ユニークなネーミングの自販機を使ったコミュニケーションの促進とは。

社内の雑談を生むきっかけを作りたい

「社長のおごり自販機」は2021年10月より、オフィスのコミュニケーション活性化を目的にスタートした法人向けの自販機です。コクヨなど多くの企業で導入が進んでおり、全国へ展開しています。
「社長のおごり自販機」は、2人の社員が同時に専用タッチ部分に社員証を掲げると、それぞれ選んだ飲みものが1本ずつ無料で受け取れる※サービスです。特許も取得しています。
※サービス分の飲料費用は法人負担

サントリー食品インターナショナル(株)がこのサービスの開発に至った経緯について説明します。開発チームが、コミュニケーションをつなぐ機能として自販機で何かできないかを考えていたところ、自販機は1人で利用するとただ無言でジュースを買って終わりですが、2人で利用すると自然と会話が生まれ、自販機の価値が変わることに気付いたそうです。そこで、自販機にあえて制約を設け、2人揃えば無料になる仕組みにすればコミュニケーションが生まれるきっかけとなるのではないかと考え、開発に至りました。

おごりのシステムとは


社長のおごり自販機というユニークなネーミングですが、開発チームでは、当初「KANPAI自販機」など、別の名称も候補に挙がっていたそうです。しかし、自販機の実証実験を行っている中で、多くの利用者が「社長!ごちそうさまです!」と言ったことからネーミングのヒントを得たといいます。

コロナの影響で自販機の需要が落ちてきている現状もあり、開発チームには、どこにでもあって、誰にでも使えるという自販機の価値を活かして、職場がハッピーになるきっかけを作りたいとの思いもあったとのこと。こうして「社長のおごり自販機」のサービスが始まりました。

「社長のおごり自販機」を利用する上での効果は、他の社員を誘って、一緒にタッチしてジュースを飲んで戻ってくるまでの3~5分間の雑談時間ができるところにあります。そこで社員同士の新たなコミュニケーションが生まれ、仕事の生産性の向上にもつながることが期待されています。

工場長、院長、オーナーのおごりなどに名称変更も可

「社長のおごり自販機」の導入には、初期費用や月額費用等はかからず、企業ごとにカスタマイズすることも可能です。おごりモードを起動する時間や曜日・1人当たり無料になる上限数・同じペアで無料になる上限数が決められます。また「社長のおごり」だけでなく「工場長のおごり」や「院長のおごり」「オーナーのおごり」など自販機の名称を替えることもできます。

同じペアで無料になる上限数(同じ組み合わせでの利用は週1回までなど)を設定することで、毎日決まった社員同士での利用ができないようにする機能も持たせています。

つまり、たくさんの飲みものを無料で飲みたい場合は、より多くの社員と交流していく必要があるのです。

導入を機に社内の会話が増えた

画像:PIXTA

実際に導入した企業からは、コミュニケーションの活性化に繋がったとの声が寄せられているといいます。

企業の経営者からは「コミュニケーションが活性化され、オフィスの価値が高まった」「従業員の笑顔につながった」という実感や、社員からは「会話のきっかけになった」「話せたことのない同僚と話せた」といった効果が生まれています。

サントリー食品インターナショナル(株)では「社長のおごり自販機」を時間を限定して運用したところ、毎日行列ができているそうです。導入によって、みんなで自販機を使ってコミュニケーションを取ろうという雰囲気に変わり、職場に賑わいが生まれているといいます。また、自販機近くで業務をしているときに話しかけられた、並んでいる時間に前後の人と話せた、など思いがけないコミュニケーションも生まれているようです。

あえて無限の利用も促進させる

また、昨今は各企業で中途採用の社員も増えていますが、「社長のおごり自販機」では、そういった中途社員や新入社員とのコミュニケーションを活発化させるための使い方もできるといいます。

通常の社員証の制限を超えておごり機能を何回でも利用できる「無限カード」が用意されています。通常の社員証だとひとり1日1本など無料で飲める数が企業ごとに決まっていますが、無限カードは何回でも誰とでも利用できるのです。

例えば、この無限カードを新入社員や中途社員に渡して、いろんな社員とタッチしてもらう仕組みを作ることができます。「今日は〇〇さんがカード持っているので、〇〇さんのところに集まりましょう」と案内すれば、その社員の回りに人が集まり、コミュニケーションが生まれるきっかけにもなります。

制限をかけているところを緩和することに意味を持たせて、対象者を主役にする使い方の事例です。実際このように自販機を運用してる法人もあるそうです。

「社長のおごり自販機」について担当者は「オフィス回帰が進む中、いま各社が職場に求められる新たな機能を検討されているかと思いますが「社長のおごり自販機」をきっかけに、何気ない雑談が生まれ、それがいい仕事のきっかけに繋がればと考えています。みなさまのオフィスのコミュニケーション課題やエンゲージメント向上にお役に立つと思います」と話します。

コロナで多くの社員が「リモートワークで働くことの恩恵」を享受しました。出社回帰の流れの中、オフィスには「わざわざ行く理由」が求められるようになりました。「出社を機にコミュニケーションを取ってほしい」は経営者の願いでしょう。そのための環境整備が、経営者には求められています。

そのための方法の1つをご紹介いたしました。

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