【社長のリアル】「業績と休日」の密接な関係。高収益企業のトップは休日に何をしているのか?
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2026.08.15
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- 経営者は365日、24時間仕事のことを考えているものだ。そんな風に自分を奮い立たせ、身を粉にして働いている中堅・中小企業の経営者は少なくありません。しかし、その休みなき労働は本当に会社の成長に直結しているのでしょうか?
解説:船井総合研究所 小梢健二
INDEX
経営者は「会社=自分の人生そのもの」と考えている方も少なくないはずです。土日も関係なく顧客対応やトラブルシューティングに走り回り、休む間もなく未来の事業構想を練る。それは一見すると美徳のように思えます。
しかし、全国の経営者を対象にした社長onlineが独自に行ったアンケートデータ(中小企業の経営者206名の回答、年商の中央値は3億円~10億円)を紐解くと、業績が好調な企業と低迷している企業とでは、経営者の休日の取り方と過ごし方に大きな違いがあることが浮き彫りになりました。
結論から言えば、休まずに働くから業績が上がるというのは大きな誤解です。むしろ、データが示しているのは適切に休めない状態に陥っているからこそ業績が低迷しているという負のサイクルです。今回は、データから読み解く経営者の休日の真実と、明日から実践すべき具体的なアクションを解説します。
浮き彫りになった事実:業績低迷企業ほど「休めていない」
まず注目したいのは、仕事から完全に離れられる休日の日数と、前年対比の売上成長率の分析結果です。ここには、業績と休日の間に存在するはっきりとした相関関係が現れています。
業績低迷企業(前年比80%未満)のトップの60.7%が月に2日以下しか休めていない(うち17.8%は休日ゼロ)。一方、急成長企業(同120〜150%未満)のトップで休日ゼロの割合は0%です。
業績が前年を大きく割り込んでいる(80%未満)企業の経営者は、仕事から完全に離れる休日が0日(365日何らかの業務や対応をしている)と答えた割合が17.8%に上ります。さらに1〜2日と答えた42.8%を合わせると、6割以上の経営者が月に2日以下しか休めていません。
対照的に、高い成長を遂げている企業(120%〜150%未満)のトップは、月に「6〜8日」しっかりと休日をとっている割合が36.3%に達しており、休日0日と答えた割合はゼロでした。
なぜこのような差が生まれるのでしょうか。業績が低迷している企業では、経営者が現場の火消しや細かな実務に追われ、権限委譲が進んでいないケースが多々見受けられます。自分が休めば会社が回らないというプレッシャーから休めず、その結果、経営者としての俯瞰的な視点や新しいアイデアを生み出す余裕が失われ、さらなる業績低迷を招く悪循環に陥っている可能性が高いのです。
経営者の学び:赤字企業は「疲労回復」、高収益企業は「新たな体験」
休日の日数だけでなく、何をして過ごしているかにも、経営の質を分ける大きな壁が存在します。
営業利益率別に休日の過ごし方を分析すると、経営者のエネルギーレベルの違いが明確になります。
赤字企業の休日の過ごし方のトップは「ひたすら休息・睡眠をとる(身体の回復)」であり、40.7%に達しています。また、家族やペットとの時間・団らに時間を使っている割合は33.3%にとどまっています。
対して、超高収益企業(営業利益率40%以上)では、ひたすら休息・睡眠をとる割合はわずか16.6%まで低下します。代わりに「家族やペットとの時間・団らん」が66.7%、「旅行・ドライブ」が66.7%と非常に高い割合を占めています。
▼ 記事の後半では、こちらについて紹介しています。
☑ 休日の質がインプットの質を決める
☑ オン・オフの「切り替え力」こそが経営スキル
☑ 今後どうすべきか:「戦略的オフ」をスケジュールに組み込む
休日の質がインプットの質を決める
ここから得られる最大の学びは、業績が悪いと、休日はマイナスをゼロに戻すための疲労回復に使わざるを得なくなるということです。平日の激務で消耗しきった心身を癒やすだけで精一杯になってしまうのです。
対して、高収益企業の経営者は、家族との時間や旅行といったゼロからプラスを生み出す新しい体験・インプットに休日のエネルギーを注いでいます。旅行先で見かけた新しいサービス、家族との会話から得られる消費者視点。これら質の高い遊びのインプットが、巡り巡って事業のイノベーションの種となっていると考えられます。

オン・オフの「切り替え力」こそが経営スキル
さらに仕事とプライベートの切り替え(オン・オフ)についても興味深いデータがあります。
アンケート全体では、38.8%の経営者が切り分けは曖昧で、休日でも日常的に仕事の対応や思考をしていると答え、24.7%がそもそも経営者にオンとオフの境目はないと回答しています。多くの中小企業経営者にとって、仕事から完全に頭を切り離すことは至難の業です。
しかし、営業利益率40%以上の高収益企業群を見ると、16.6%が「明確に切り分けており、休日は仕事の連絡を見ない」、66.7%が「意識して切り分けているが、緊急時の連絡は取るようにしている」と回答し、合計83.3%が意図的にオンとオフの境界線を引いていることが判明しました。

一方、赤字企業群ではこの合計が33.3%にとどまり、切り分けは曖昧(48.1%)、境目はない(18.5%)と、仕事に生活を侵食されている割合が圧倒的に高いことが、やりがちな失敗パターンとなっています。
今後どうすべきか:「戦略的オフ」をスケジュールに組み込む
これらのデータを踏まえると、経営者が今後具体的に取るべきアクションは明確です。精神論ではなく、仕組みで休日を変革することこそが鉄則です。
【具体的な実践手順】
- ① 休むことを仕事の予定と同じレベルで天引きする
時間が空いたら休むというスタンスでは、一生休むことはできません。成長企業のトップが実践しているように、月に最低数日は仕事から完全に離れる日をあらかじめスケジュール帳にブロックしてください。それを社員にも共有し、この日は緊急事態以外連絡しないようにとルール化を徹底することが必要です。そのためには、社長がいなくても会社が回る状態、組織の自立(権限委譲)を進めることが前提です。
- ② 休日の目的を回復から体験・インプットへシフトする
寝て終わる休日が続いている場合は、明らかな業務過多・リソース不足のサインです。現場の業務を手放し、休日を家族との団らんや旅行、趣味など、自らの感性を刺激し、モチベーションを高める時間へと意識的に変えていく必要があります。
経営者が機嫌良く、新しい刺激を受けている会社は、社内の雰囲気も自然と明るくなります。
「休むのも仕事のうち」という言葉は、決して単なる慰めや甘えではありません。データが裏付ける通り、質の高いオフを取れるかどうかが、企業の利益率や成長率を左右する立派な経営戦略なのです。次の休みは、スマートフォンを置いて、新しい体験に出かけてみませんか。
