経営者が最終面接で聞くべき質問 BEST 3を採用のプロに聞いた
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2026.09.23
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- 今回は、社長が最終面接で実践すべき「3つの質問」と、候補者の用意された回答を見破るための具体的な深掘り術をご紹介します。 採用代行のプロフェッショナルとして10社以上の採用を支援し、新卒採用で数万人の応募母集団の形成に携わってきた船井総合研究所の増田尚悟氏が解説します。
「採用」が経営上の最重要課題であるという企業は多いのではないでしょうか。 特に中小企業やスタートアップほど、従業員1人のパフォーマンスが業績に直結します。 貴重な人材採用のチャンスをものにするためにも、経営者が行う「最終面接」の場で求職者の資質を正確に見抜きたいところです。採用のプロが解説します。
INDEX
解説:船井総合研究所 増田尚悟
執筆:社長online編集部 山内淳史
まずは「優秀な社員像」を定義せよ

画像提供:PIXTA
「入社前は優秀に見えたのに、期待した活躍をしてくれない」
このギャップが生まれる原因の一つに、自社が求める「優秀な人物」の基準が曖昧なまま面接を行い、面接官の主観や印象で一次・二次面接や面談をパスしてしまっている場合があります。
優秀さの定義は、会社や業種によって全く異なります。 営業職であれば数字を達成すること、建設業や運輸業であれば、保有資格の種類や経験した現場のバリエーションなど、千差万別でしょう。 まず、自社の欲しい人材をしっかり定義することが重要です。
そのうえで、次の3つの質問を投げかけてみてください。 どのような環境でも活躍が期待できる人材に共通する、より普遍的な3つの資質が浮き彫りになります。
①「視座の高さ」を確かめる質問
「あなたが弊社で行おうとしている業務を一言で表すと何ですか?」
これは、候補者が自身の仕事をどう定義しているかを問う質問です。 どのような回答が返ってくるかによって、その人の「視座」(≒経営者目線に近いか)が分かります。
有名な寓話で、「3人のレンガ職人」という話があります。 ある人が、教会の建築現場でレンガを積んでいる3人の職人に「何をしているのですか?」と尋ねました。 一人目は「レンガを積んでいる」と答えました。 二人目は「壁を作っている」と答えました。 三人目は「歴史に残るような教会を作っている」と答えました。
このうち、三人目の職人が最も視座が高く、自身の仕事の意義を深く理解していると言えます。
<回答の着眼点>
回答の中により大きな主語が含まれているかどうかを見てください。
「モノを作る」「売る」「運ぶ」といった回答をする人よりも、その業務を通じて社会に貢献するという回答をする人のほうが、経営者に近い視座を持ち、自ら考えて動ける可能性が高いと言えます。
②「責任感」を問う質問
「これまでで一番大変だった仕事(経験)をどう乗り越えたか教えてください。」
▼ 記事の後半では、こちらについて紹介しています。
☑ 「責任感」を問う回答の着眼点
☑ 「自責思考」の有無を見る質問と回答の着眼点
☑ 候補者の「盛り」を見破る深掘り術
仕事への責任感が問われる質問です。
質問の意図は、困難な状況や負荷の高い業務を振られた際に、それを「自分ごと」として最後までやり遂げた経験があるか、確かめることにあります。
中途採用であれば前職以前のエピソード、新卒採用であれば学生時代の経験について尋ねてみてください。
ただし、新卒採用でよく出てくる「試験」や「受験」など避けることのできないイベントに関するエピソードは、「どう対処したか」が「頑張った」だけで終わってしまう可能性があるため注意が必要です。 学校での経験とプライベートでの経験をそれぞれ聞くなど、工夫が必要です。
<回答の着眼点>
何らかの成果につながらなかったとしても、自身の創意工夫でなんとか仕事をやり遂げた、あるいはやり遂げようとした形跡があれば、一定の責任感を持つ人物であると分かります。
協調性はあって当然ですが、最終的に「自分自身が主体となって完遂した」というニュアンスが感じられるエピソードが理想です。
一方で、「自分より得意な人に渡しました」「上司に相談してすぐ担当を変えてもらいました」といった回答には注意が必要です。
人手が限られる中、未知の仕事であっても、「これは私の仕事ではありません」と業務を放棄されたり、「できません」と投げ出されたりしては、仕事を与える側としても困惑してしまいます。 最後まで担当を放棄せず、やり切ったという事実が重要です。

③「自責思考」の有無を見る質問
「仕事中に身の回りで起きたトラブルのエピソードを教えてください。」
候補者が物事を「自責で捉える力」を持っているかを測る質問です。
会社という組織で働いていれば、誰しもが「どう客観的に見ても、私自身に責任や要因がない」と感じるトラブルや失敗に巻き込まれることがあります。
その際、「自分にもできたことがあったのではないか」「自分にはこういう行動が取れたはず」という自責の考えを持てる人は、自身の改善点に気づきやすくなり、成長につながります。 主体性の持ち主であると言い換えることもできます。
<回答の着眼点>
失敗の原因を分析する際に、自分自身の行動における反省点が具体的に出てくるかどうかを見極めます。
例えば、委託先での事故により大口顧客への納期が遅れ、大型案件が失われそうになった場合を考えてみましょう。
「委託先の判断ミスだ」「仕組みに問題があった」「自分は被害者だった(関係ない)」と、外部環境や他人を批評するだけで終わってしまう回答は当事者意識が低く、望ましくありません。
一方で「委託先の選定基準を厳格化すべきだった」「納期には余裕を持たせるべきだった」といった反省や、「顧客へすぐに連絡して謝罪し、後日責任者と菓子折りを持って訪問した」「その後の会議でプロセス改善を提案した」といった行動が見られれば、自責の視点を持っていると判断できます。

なぜ、これらの質問を「最終面接」まで取っておくべきなのでしょうか?
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これらの本質を問う質問は、一次や二次面接ではなく、社長が担当する「最終面接」でこそ行うべきです。
「その人の適性を見るなら、一次で早めに聞いた方がいいのでは?」と思われるかもしれませんが、これには明確な理由があります。
①最終面接とそれ以外で役割が異なる
面接の段階ごとの役割として、一次・二次面接では「迷ったら通す」、最終面接では反対に「迷ったら落とす」という判断基準で運用されることがほとんどです。
最終面接までのプロセスは、コミュニケーション能力や経験・スキルといった、比較的分かりやすい部分でのスクリーニングが主目的です。 一方で最終面接は、自社のカルチャーに本当に合うか、人間性や価値観が企業理念と一致しているかを見極める場です。
先述の3つの質問は、「人間性」や「価値観」という、曖昧な部分を可視化するためのものです。 だからこそ、最終責任者である経営者自身が、「本当にこの求職者を組織に迎え入れても問題ないか?」を確認するために、最後に行うべき質問なのです。
②周辺情報を把握してから質問したほうが深掘りできる
面接は、履歴書だけでは分からない求職者の「内面」を理解するための貴重な機会です。 しかし、初対面でその人の内面を深く知ることは容易ではありません。
まずは求職者に寄り添い、共感を示すことで、求職者が「素」で話せる雰囲気を作り出すことが重要です。 そうすることで初めて、仕事への姿勢、責任感、自責の念といった個人の価値観を探る質問が効果を発揮します。
最終面接までに、人事担当者は求職者とアイスブレイクを行い、緊張感を解いてから、経営者に引き継ぐべきです。
経営者は本質的な判断を下すための質問に集中でき、より良い人材の採用につながるでしょう。
応用:候補者の「盛り」を見破る深掘り術

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とはいえ、昨今の候補者は面接対策を入念に行っており、模範解答を準備しているケースも少なくありません。 華々しい実績(主張)が語られた時や、質問の意図と微妙にズレた回答が出された時こそ、話を盛っていないか注意が必要です。
意識したいのは、「主張」と「事実」を分けて質問することです。
例えば、質問②「これまでで一番大変だった仕事(経験)をどう乗り越えたか教えてください。」を投げかけたとします。
仮に求職者が営業出身で、「2020年、コロナの緊急事態宣言のせいで取引先と対面できなかったが、Zoomを使って目標比120%の売上を達成した」というエピソードを披露したとしましょう。 一見、ピンチに強く、デジタルスキルもあり、営業力もある人物に映ります。
こうした際は、主張に流されず、事実を聞いていきましょう。
例えば、
- 「その時、同僚の達成率はどうでしたか?」
- 「あなた独自の『工夫』は何でしたか?」
という質問を順番に行うのが有効です。
もし回答が「周りの人も120%でした」だとしたら単に時流に恵まれただけですし、周りよりも達成率が高かったとしても独自の工夫について「当時の上司のアドバイスです」「Zoomの件数をとにかく増やしました」だとしたら再現性に疑問符がつきます。
客観的な事実に対し、話を盛ることはできません。 これらの深掘りによって「盛られた」化けの皮は剥がれ、候補者の本当の実力が見えてきます。
今回の3つの質問と、「盛り」を見抜く深掘り質問は、新卒・中途、業種を問わず、さまざまな企業の最終面接に応用が利きます。 これらの情報を活かし、次の最終選考からよりマッチング率の高い人材採用を実現してください。
