社長の年収の決め方~社長調査より
-
2026.04.12
-
- 社長onlineでは、中小企業経営者に対して実施したアンケート調査をベースに社長online白書を作成しました。白書では経営動向や経営課題など5つのテーマのために分析を行いました。そのテーマの1つが「中小企業の社長の報酬」です。 ・年商規模別の社長の平均年収 ・従業員数別の社長の平均年収 ・営業利益別社長の平均年収 詳細の金額や分析データなどは、以下より、無料登録(10秒)して年収データをご覧ください。 こちらを見て年商規模別・従業員数別・営業利益別の社長報酬の目安がわかります!
執筆者:株式会社船井総合研究所 小梢健二
▼ 記事の後半では、こちらについて紹介しています。
☑ 社長の年収は平均〇〇〇〇万円
☑ 「年商1億円未満」の社長年収はサラリーマン並み?
☑ 営業利益額と年収の相関性をひもとく
社長の年収は平均1,378万円
「社長online白書」の調査対象者は、推定平均年商7億4,623万円(推定中央値2億円)、推定平均従業員42人(推定中央値20人)の企業経営者です。
社長の年収に関して、有効回答296名から得られた推定平均は1,378万円、推定中央値は1,375万円という結果でした。
社長の年収には基準となるものがありません。「いくらが適切なのか」悩んでいる経営者の方も多いでしょう。
白書では「年商」「従業員数」「営業利益」などの角度からも社長の年収を分析しました。
年商が高いほど、社長の年収は増える傾向
「年商」では「年商1億円未満」「年商1億円~10億円未満」「年商10億円以上」の3分類から分析しています。
社長の年収が1,000万円未満と回答したのは「年商1億円未満」企業の割合が多く、年収1,000万円と回答したのは「年商1億円以上」企業の割合が多い結果となりました。年商規模が大きくなるほど、社長の年収は増える傾向にあることがわかりました。
年商の規模別社長の推定年収を算出した結果は以下です。
「年商1億円未満の企業」 社長の推定年収760万円
「年商1億円~10億円未満の企業」 社長の推定年収1,622万円
「年商10億円以上の企業」 社長の推定年収2,392万円
また、「年商1億円~10億円未満の企業」の社長の推定年収は1,622万円でしたが、さまざまな切り口から平均値を分析したところ、年商2億円や年商7億円でも年収は1,600万円前後でした。この年商幅(1億円~10億円)での年収の増減はみられませんでした。年商をひとつの分岐点として、社長の年収を設定している傾向があると読み取ることができます。
「従業員数」が多いほど、年収も増える傾向
「従業員数」ではパート・アルバイトを除いて「10名未満」「10名~100名未満」「100名以上」の3分類から分析しました。
「10名未満の企業」 社長の推定年収770万円
「10名~100名未満の企業」 社長の推定年収1,511万円
「100名以上の企業」 社長の推定年収2,383万円
との結果でした。従業員数が多い企業ほど、社長の年収は増えていることがわかりました。
人事院による「民間企業における役員報酬(給与)調査」でも、企業規模別に社長の役員報酬を算出しています。最新の令和5年度調査によると以下の結果でした。
企業規模別に社長の年収は 「500人以上1,000人未満の企業」が4,225.5万円、「1,000人以上3,000人未満の企業」が5,275.6万円、「3,000人以上の企業」が6,026万円でした。 人事院の調査からも従業員の数が多くなるほど社長の年収も増える傾向であることがわかりました。
営業利益額と年収に相関性
「営業利益」は5分類し、社長の年収を比較しました。「営業利益1,000万円未満(赤字含む)」「営業利益1,000万円~5,000万円未満」「営業利益5,000万円以上~1億円未満」「営業利益1億円以上~3億円未満」「営業利益3億円以上」の営業利益別に社長の推定平均年収を出したものが以下です。

「営業利益1,000万円未満の企業」 社長の推定年収843万円
「営業利益1,000万円~5,000万円未満の企業」 社長の推定年収1,370万円
「営業利益5,000万円~1億円未満の企業」 社長の推定年収2,288万円
「営業利益1億円~3億円未満の企業」 社長の推定年収1,797万円
「営業利益3億円以上の企業」 社長の推定年収3,023万円
年商や営業利益、年収など一定の幅でのアンケートだったため、各幅の中央値を基準として、相関性分析をしました。(※相関係数:2つの変量の関係を表す係数。1.0に近づくほど強い相関関係にある。0.2~0.3を超えると相関関係があると考えられている)
・営業利益額と年収は相関係数が0.41478
・営業利益率と年収は相関係数が0.07457
・年商と年収は相関係数が0.33255
この結果、社長の年収への影響について、営業利益率は影響が低く、営業利益額と年商は一定の影響があることがわかりました。
社長onlineでも紹介した税理士法人様の調査においても、社長の年収を考える指標に利益が関連していました。これらのデータから、私たちは社長の年収を考える際の重要な指標として、営業利益額をみるのが望ましいと考えます。
売上を上げることが適切な年収につながる
社長online白書では、経営動向も分析しています。
その中で従業員1名あたりの売上高と粗利額の推定平均値を算出して、人数単位での生産性を求めました(非正規社員やパートも1名と換算)。
全体平均の1人あたりの売上高は1,713万円、粗利高は815万円でした。
これを年商規模別にみると、 「年商1億円未満企業」では1人あたり売上高940万円、粗利高835万円 「年商10億円以上企業」では1人あたり売上高3,533万円、粗利高1,059万円 となり、年商10億円以上の企業では全体平均より1人あたり売上高、粗利高が高い結果となりました。
白書の調査からも年商の高い企業ほど、売上高・粗利高が高い傾向にあることがわかりました。社長自身の給与を適正な額に維持していくためにも、売上を上げ生産性向上につなげることが重要です。
