ベストセラーに学ぶ!組織づくりに役立つ5つの「すごい習慣」
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2026.08.10
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- 今回は半年で販売部数50万部を突破した話題作『すごい習慣大百科』(著:堀田秀吾)をピックアップ。個人のパフォーマンスを劇的に高める本書のノウハウから、「社員の主体性やチームの生産性を引き出す、組織づくりに役立つ5つの習慣」を厳選してご紹介します。
執筆:船井総合研究所 社長online編集部 平田賢司
INDEX
習慣化の3つの原理
習慣を変える・良い習慣を身につけることで、個人の仕事や健康はもちろん、組織づくりにも良い影響があります。
しかし自分や社員に「習慣を身につける(身につけてもらう)ことは簡単なことじゃない」と思うかもしれませんが、実はそんなことはありません。
習慣化とは、「意思の強さ」や「特別な才能」がある人だけの特権でもありません。あるいは、精神力や自己管理能力の問題でもないのです。むしろ原理とコツさえつかめば、驚くほどスムーズに身につけることができます。(本文より)
本書が提唱する、習慣化の基本原理は以下の3つです。
①まず動く
脳は一度、その行動をはじめると、のめり込んでしまうという性質をもちます。始める時は少し億劫でも、無理やり体を動かすことで、徐々にやる気は発動していきます。
【組織への応用】 社員に新しい取り組みを促す際は、心理的ハードルを徹底的に下げ、「まず5分だけやってみる」仕組みを作ることが有効です。
②すでに備わっている習慣にくっつける
例えば「朝コーヒーを飲む」習慣だけでなく、「朝コーヒーを飲みながら、英単語を5つ覚える」など、既存の習慣を活用することで、新しい習慣が身につきやすくなります。
【組織への応用】 「毎朝の朝礼の後に、1分だけメンバーの仕事を褒める」など、既存のフローに新しい行動を組み込むと、反発なく浸透します。
③環境を利用する
人間の意思決定は、意思の強さ・弱さとは無関係に、環境に左右されやすいものです。例えば某ファーストフード店のイスは意図的に硬く、座りづらいデザインにされているといいます。居心地がいいと居座りつづけてしまうからです。そこで例えば、「毎朝デスクの上に読みたい書籍を置いておく」。このようにするだけで、自然と書籍を読んでしまう環境を整えることができます。
【組織への応用】「勉強しろ」と言う代わりに、オフィスのデスクに推薦図書を置いておく。「コミュニケーションを増やせ」と言う代わりにオフィス内に、フリーアドレスやマグネットスペース(人が集まる場所)を設置する。
それでは、この3つの原理を踏まえた上で、本書の『コミュニケーション編』から、組織づくりに直結する5つの「すごい習慣」を厳選してご紹介します。
①問題解決は会って話し合う
(フロリダ大学/ショーの研究)
言葉による「情報伝達」を目的としたコミュニケーションであれば、リモート環境でも問題ありません。しかし「メンバーの関係構築」や「複雑な問題解決」の作業は、リモートワークには不向きであると言えるかもしれません。
コミュニケーションを行う際は、人間は言葉以外の情報だけでなく、表情やしぐさ、声のトーンなど、視覚や聴覚を通じて得られる非言語情報も重要な要素として認識しています。諸説あるものの、概ねどの説でも、言語情報そのものによって伝わる情報は3割以下に過ぎず、そのほかは非言語情報で構成されているということです。
またオンラインは記録として残ってしまうため、大人しくしていようという心理や「誰かがやってくれるだろう」という傍観者効果が働きやすくなります。
アイデア出しやトラブル対応など、ついつい効率重視でオンライン会議で済ませてしまいがちですが、「業務報告はオンライン」「深い話し合いや問題解決はオフライン(対面)」といった明確な基準を即座に導入するなど、新たな組織の習慣(ルール)として取り入れてみてはいかがでしょうか。
▼ 記事の後半では、こちらについて紹介しています。
☑ 打ち合わせにお菓子を用意する驚きの効果
☑ スマホをテーブルの上に置かないことの重要性
☑ 暴言がもたらす組織への見えないコストとリスク
②打ち合わせにお菓子を用意する
(福島大学/飛田の研究)
研究によると「お菓子が集団による創造的パフォーマンスを向上させる」ことが明らかになっています。また、1人でお菓子を食べながら作業する場合も効果があることが判明しているそうです。
向上する理由としては、お菓子によって感情がよりポジティブになることで、創造的なアイデアを導きやすくなることに加え、お菓子や飲み物に含まれるブドウ糖などの糖質が、創造性とリンクする認知機能を活性化する可能性があることなどが挙げられています。
「仕事中に…ましてや打ち合わせにお菓子なんて」
そのように考える人も少なくないかもしれませんが、だからこそ社長自らが、幹部や社員との会議の場にお菓子を差し出すと良いかもしれません。そんな小さな気配りを組織の習慣にすることで、会議の緊張が和らぎ、社内のコミュニケーションと創造性は向上していきます。
③スマホをテーブルの上に置かない
(ペンシルバニア州立大学のマグダニエルとブリガムヤング大学のコインの研究)
研究によると、人間関係においてテクノロジーへの介入が多いと答えた参加者ほど、人間関係や生活の満足度が低く、精神的に落ち着かないことが明らかになりました。
この研究では日常のカップルが対象ではあるものの、「テーブルの上にスマホが置かれている、あるいは持っている」という状況だと、親近感や共感が低下することがわかっています。
先ほど「打ち合わせにお菓子を用意する」習慣を紹介しましたが、スマホは真逆の効果をもたらします。
社内での1on1ミーティングや重要な打ち合わせの場では、社長自身はもちろん、社員にも「スマホは鞄やポケットにしまう」ことを徹底するしてみてはいかがでしょうか。「あなたとの会話に集中している」という姿勢を環境で示すことが、組織の信頼関係を強固にする第一歩になります。
④中間にあるものを発見する
(ミシガン大学/デ・オリヴェイラの研究)
働き方が多様化し、個性を尊重する企業が増えてきました。しかし研究によると、「多様な集団が上手に機能し、高い成果を出すためには、一定の厳しい条件が必要である」ことが明らかになっています。
その条件とは主に3つの要素です。
①(社会的・性格的などの)属性の違いによって考え方が異なることが確立されていること。端的にいえば「考え方はいろいろあっていい」という気持ちが組織の中で共通認識となっていることです。
②「その差異が大きいほど望ましい。なおかつ、単体ではなくグループ単位と呼べるような規模感に差異があったほうがいい」こと。
③そして「そのなかでお互いが中間にあるものを発見することができるか」が必要と説明しています。
これらを満たしたとき、組織は新たな扉を開くことができるというのです。
例えば、社内で「既存事業を守るベテラン層」と「新規事業を推す若手層」が対立したとします。お互いの主張をぶつけ合うだけでは生産的ではありません。
異なる意見を持つ組織と向き合う際は、「お互いの共通点」や「双方が妥協・合意できる中間地点(共通の目的)」を経営者がいかに見出せるか、あるいはその話し合いの場を作れるかが、組織の命運を分けます。
⑤暴言を吐かない
(南カリフォルニア大学/ポーラスとフロリダ大学エレズの研究)
そんなの当たり前と思うかもしれませんが、経営者含め、社員全員が「百害あって一利なし」と認識することが、健全な組織づくりの大前提となります。
研究によれば、暴言が他者に以下のような悪影響を及ぼすことがわかっています。
- 直接言われた本人: 処理能力が61%低下、創造性が58%低下
- 自分の所属グループが言われた人: 処理能力が33%低下、創造性が39%低下
- 他人が言われているのを目撃した第三者: 処理能力が25%低下、創造性が45%低下
このように、暴言は相手を傷つけるだけでなく、周囲の生産性まで下げてしまいます。
また大阪大学の研究では、ネガティブな気持ちは注意力の低下を招くことを脳科学的実験によって証明しています。
ネガティブな気持ちがおこると、ポジティブな気持ちに戻そうと、脳が必要以上に稼働し、脳のリソースを多めに消費します。結果、注意力のために使うはずだった脳のリソースが減り、注意力は低下するのです。
注意力が下がれば当然仕事に支障をきたし、いらぬストレスを生み出します。
つい感情的になって発した暴言は、吐いた本人、言われた相手、そして周りで見ている人まで、「誰も得をしない百害あって一利なしの行為」です。これを個人のマナーの問題で片付けるのではなく、「組織の利益を損なうリスク」として全員で共有・理解しておくことが、強い組織を作るための必須条件です。
今回は『すごい習慣大百科』から組織に役立つ習慣を5つピックアップしました。
本書では全112の習慣が掲載されており、どれも組織づくりや仕事に役立つものばかりです。ぜひデスクに一冊置いてみてはいかがでしょうか。
☞参考図書
『科学的に証明された すごい習慣大百科 人生が変わるテクニック112個集めました』
著者 堀田 秀吾
明治大学法学部教授。法と言語科学研究所代表。
専門は社会言語学、理論言語学、心理言語学、神経言語学、法言語学、コミュニケーション論。研究においては、特に法というコンテキストにおけるコミュニケーションに関して、言語学、心理学、法学、脳科学など様々な学術分野の知見を融合したアプローチで分析を展開している。執筆活動においては、専門書に加えて、研究活動において得られた知見を活かして、一般書・ビジネス書・語学書を多数刊行している。アイドルのプロデュースから全国放送のワイドショーのレギュラー・コメンテーターなど、研究以外においても多岐に渡る活動を見せている。
