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放置された見込み客を、優良顧客に育てる! BtoC企業におけるマーケティングオートメーションの最適解

2026.10.01
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放置された見込み客を、優良顧客に育てる! BtoC企業におけるマーケティングオートメーションの最適解
あなたの会社は、潜在顧客に対して常に情報発信をしていますか? せっかく獲得したリードを「今すぐ客ではないから」という理由で、放置していないでしょうか。 問い合わせ直後に契約しなかった顧客を「見込みが薄い」と判断し、営業担当者が追客をやめてしまう。こうした「今すぐ客」への偏重は、将来の売上を失っているのと同義です。

執筆:社長online編集部 吉嶺菜穂

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とある米国企業の調査によると、営業部門に渡ったリードの70%が途中で対象外または放置される一方、そのうち80%は24か月以内に自社または競合から購入するという結果が出ています。(※調査元:Forrester社)

なぜ、せっかく獲得したリードを放置してしまうのでしょうか。その背景には、顧客情報が担当者のメール、手帳、表計算ソフトなどに分散してしまい、「誰に、いつ、何を連絡するか」が決まっていないという問題があります。

その問題を解決し、潜在顧客を将来の優良顧客へと育てる仕組み――それがマーケティングオートメーションです。

MAは「一斉メール配信ツール」ではない

マーケティングオートメーション(以下、MA)とは、単にメールを自動で一斉送信する仕組みではありません。Webサイトの閲覧履歴、メールへの反応、購入履歴などを基に、顧客の関心や検討段階を推測し、次の情報提供や営業対応を変えるための「基盤システム」です。

例えばMAを成功させている中古車買取会社では、「スタッフ紹介」のページを閲覧した顧客に、査定担当者の人柄や接客姿勢を伝えるメールを送っています。スタッフ紹介のページを見るということは、「強引な営業をされないか」「安心して車を任せられるか」といった不安も抱えていると想定できるからです。

一方、「在庫情報」や具体的な車種のページを繰り返し閲覧している顧客は、購入や買い替えの意欲が高まっている可能性があります。そこでメールを送り続けるのではなく、テレアポ担当者にアラートを出し、直接電話で状況を確認します。

この状態こそ、本当にMAが活かされている状態です。

住宅・不動産業界でも同様です。間取りページを多く閲覧している顧客には、「生活動線から考える間取り選び」を案内する。住宅ローン控除や資金計画のページを繰り返し閲覧している顧客には、「年収別・無理のない返済シミュレーション」を送る。

実際、不動産会社の東宝ハウス松戸は、顧客がスタッフ紹介、物件情報、会社概要のどのページに関心を持っているかをMAで可視化し、追客する顧客の選定に活用しています。同社は、顧客管理にかける時間を従来の3分の1に削減し、顧客の歩留まりを半年平均で12%以上に維持できたとしています。

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▼ 記事の後半では、こちらについて紹介しています。

☑ 売り込むのではなく、顧客の判断を助ける情報を発信する方法
☑ 商材の構造によって異なる、MAの目的と見るべきチェックポイント
☑ MAツール導入後、最後の成約を左右する「人」の役割

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売り込むのではなく、顧客の判断を助ける情報を

MAで配信する情報は、自社の言いたいことを一方的に発信するのではなく、顧客の検討段階に合わせた情報にすることで大きな効果を発揮します。

中古車買取会社なら、自社の査定サービスを繰り返し訴求するのではなく、「新車の賢い買い方」や「下取りと買取の違い」「買取会社を比較するポイント」など、顧客の求めている情報を発信しましょう。

保険会社なら、保険商品の一覧を送る前に、「30代夫婦が直面する教育費と老後資金の内訳」といった資料を。

無料トライアル型のSaaSやサブスクリプションサービスなら、有料プランへの移行を急かすのではなく、「このサービスを使って人生が豊かになった事例」「お客様の声」を紹介しましょう。

アパレルECでは、「冬物コート」を調べた顧客に対して、翌日に冬物トレンドの解説記事を送る。その後も購入に至らなければ、数日後に対象カテゴリーの送料無料特典を案内する、といった流れが考えられます。

ここで重要なのは、最初から「特典」や「値引き」に走らないことです。情報提供によって顧客の迷いを減らし、それでも購入をためらっている場合に、送料や特典といった最後の障壁を取り除きましょう。

メールの外でも、顧客との接点を維持しよう

MAの活用はメールだけではありません。

自社サイトを訪れた顧客にWeb広告を表示したり、休眠顧客のリストを広告媒体と連携させたりすることもできます。

そうすることで顧客との接点を増やし、長い時間をかけて認知を維持できます。

例えば、化粧品や健康食品の通販会社が、過去3か月間購入していない顧客を抽出し、Instagram、YouTube、Google広告などで、リニューアル商品の情報を届けるケースが増えていますが、これもまさにMAのなせるわざです。

商材の構造によって、MAの役割は異なる

ここまでMAの具体的な手法について、一般的な事例を簡単にご紹介しましたが、自社で導入する場合は「商材の構造」を意識してMAを活用する必要があります。

高単価で検討期間が長いとされる「自動車」「住宅」「保険」などでは、検討期間中も顧客との接点をいかに切らさないでおけるか。そして適切なタイミングで、商談につなげることがMAの目的になります。

こうした商材の場合は、次のような顧客の動きをチェックすることが重要です。

  • 特定ページの複数回閲覧
  • 価格や資金計画ページの確認
  • スタッフ紹介の閲覧

この兆候が出てきたら、商談へとつながる可能性が高いと判断します。

一方、通販やアパレルなど、比較的低単価で購入頻度が高い商材では、最終的な目的は「ECもしくは店舗での決済」であり、MAの目的はカート離脱の防止、再購入、継続率の向上になります。

同じMAでも、住宅会社と通販会社では、見るべき行動も配信する情報も異なるということを理解した上で、仕組みを構築していくことが重要なのです。

ツールを選ぶ前に、自社の商材では「どのポイントで顧客が離脱しているか」「ゴールとなるポイントはどこか」「チェックポイントとなる顧客の動き」をはっきりさせておきましょう。

最後の成約を左右するのは「人」である

MAを駆使すれば、成約まで持ち込める――もちろん、そういったケースもありますが、特に高額商材の場合「最後の一押しは人間」となることが多いのも現実です。

とある企業では、

営業時間内に強い『購買シグナル』を検知した場合、『15分以内に担当者が対応する』
と、社内の対応基準を設けたことで、Web問い合わせ経由の受注率が30%以上上昇した事例もあります。

 

また、特に自動車や住宅などでは、顧客の心理的ハードルが高いため、当然ながらWeb経由での購入には至らないことが多いでしょう。こうした商材であれば、やはり最終的な成約を後押しするのは人(担当者)になります。

MAは営業担当者を不要にする仕組みではありません。人が対応すべき顧客をふりわけ、そのタイミングを見極める仕組みなのです。

しかし、最初から複雑な仕組みをつくる必要はありません。

「資料請求後に連絡が途切れる」「見積もりを出した後の追客ができていない」「初回購入後に再購入されない」など、自社で最も大きい取りこぼしを1つ選びます。そこに、数本の情報提供と1つの営業アラートを設計し、結果を測ります。

MAの投資対効果は、配信したメールの本数では決まりません。これまで放置していた見込み客から、どれだけ商談、再購入、粗利を生み出せたかで決まります。

顧客情報を単なる名簿として保管するのではなく、顧客の検討を支え、将来の売上につなげる仕組みに変える。それが、中小企業におけるマーケティングオートメーション活用の出発点です。