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世界の一流が実践する自己再生のための「休日戦略」

2026.08.17
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世界の一流が実践する自己再生のための「休日戦略」
ゴールデンウィークを目前に控え、事業運営と休暇のバランスに悩まれている方もいるのではないでしょうか。最近の不安定な経済状況下においては、より一層休みにくさを感じられるかもしれません。ただ、世界の一流ビジネスパーソンは、必ず長期休暇を取っています。ベストセラー『世界の一流は「休日」に何をしているのか?』で提唱される内容をもとに、成果を出し続けるための「戦略的な休日の過ごし方」について紹介していきます。

執筆:船井総合研究所 吉嶺菜穂

INDEX

成果を出し続ける人の「休暇戦略」

書籍『世界の一流は「休日」に何をしているのか?』は、2024年の発売以降、ビジネス書ベストセラーに。現代のビジネスパーソンにとって「質の高い休息」は、仕事のパフォーマンス向上に不可欠な要素として認識され始めています。

この本は、常に成果が求められる世界のエグゼクティブ層の「休日の過ごし方」について分析したものですが、彼らの多くは、明確な目的意識をもって戦略的に休日を過ごしているとのことです。

休み下手な日本人

日本人の一般的な土日の過ごし方といえば、家でゆっくり過ごしたり、近場へ出かけたりするイメージが強いもの。

平成26年版厚生労働省白書によると、日本人の「休日の過ごし方」のトップ3は「何となくスマホを見て過ごす」「動画やテレビを見て過ごす」「何もせずにゴロ寝で過ごす」が占めています。

ぼーっとしているだけで、能動的な休息とは言い難いのが休日の浪費の現状です。

一方、欧米のビジネスパーソンは、スポーツや趣味を楽しみ、友人や家族との時間を大切にする傾向にあります。この差の背景には、長時間労働の常態化や、休息に対する心理的な障壁(休むのが後ろめたい、罪悪感がある)があるからでしょう。

なお、一般の従業員より経営者のほうが、休みを取らない傾向にあります。

厚生労働省の調査によると、経営者を対象にした「1週間のうちに何日休みを取っているか?」という質問に対して、74.5%の人が「週1日」と回答。週に一度も休まない「週0日」と回答した人も7.3%いました。約8割の経営者が週に1日以下しか休んでいないというわけです。

では、世界のエグゼクティブ層はどうなのか。週末を絶対の休息時間として重視しています。翌週に仕事を持ち越さないことが、業務遂行能力の高さを示すものと捉えているからです。「周りの目が気になって休みが取りにくい…」と感じる日本人とは、明確な価値観の相違が見られます。

世界の一流に共通する「休み方」の概念

日本と欧米における休暇に対する認識の違いを踏まえ、一流のビジネスパーソンは休日をどのように捉えているのでしょうか?

マイクロソフト社のバイスプレジデント・300人への調査結果からは、彼らが休日を「自己再生」と「エネルギーチャージ」のための重要な時間と認識している、という点が分かりました。

創造性を取り戻す、「自己再生」とは

自己再生とは「本来の自分を取り戻す」こと。単に体を休めるだけでなく、仕事に追われている中で徐々に鈍くなってしまった、心や感情、思考といった内面的な側面を深く癒すということです。

普段の自分が何を感じているのか、何をしている時が楽しいのか。改めて自分の内面を見つめなおすことで、仕事への意欲や創造性、そして人生全体の幸福感を高めるというのです。

自己再生を目的とした休暇の過ごし方には、次のようなものがあります。

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▼ 記事の後半では、こちらについて紹介しています。

☑ 創造性を取り戻す「自己再生」のための過ごし方
☑ 疲れる前に休む「温存戦略」
☑ 経営者が「世界の一流の休み方」を取り入れるメリット

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  • 自然との触れ合い:ハイキングなどでリフレッシュする
  • 芸術・文化体験:感性を刺激し、新たな視点や思考を得る
  • 質の高い人間関係:精神的な安定と幸福感を得る
  • 非日常体験:新鮮な刺激を得て、視野を広げる
  • 内省的な時間:自分自身と向き合い、価値観や目標を再確認

つまり、世界の一流は、体だけでなく、メンタル、そして脳をバランスよく休ませることを意識しているのです。

自分のエネルギーを管理・観察する

成果を出し続けるため、自身のエネルギー状態を適切に管理・観察するのも、一流のビジネスパーソンに共通している点です。エネルギーには活動(パフォーマンス)、生存(サバイバル)、燃尽(バーンアウト)、再生(リニューアル)の4つの状態があり、自身の状態を深く認識しています。

  • パフォーマンス(活動)ゾーン:エネルギーに満ち、前向きな気持ちで、積極的に行動できる
  • サバイバル(生存)ゾーン:エネルギーに満ちているがネガティブな状態。不安感や恐怖心が芽生え、いらだちが生じる
  • バーンアウト(燃え尽き)ゾーン:エネルギーが枯渇しており、疲労感、無力感、空虚感を覚える
  • リニューアル(再生)ゾーン:エネルギーは枯渇しているが、気持ちが安定していて前向きに行動できる

パフォーマンスを維持するため、世界の一流は「パフォーマンスゾーン」と「リニューアルゾーン」を非常に重視しています。自分の状態が「サバイバルゾーン」や「バーンアウトゾーン」に陥らないよう、常に注意を払い、エネルギーが枯渇しそうであれば心身を休めることに使います。

疲れる前に休む「温存戦略」

全力を出し切り、疲れ果てて一日が終わる。世界で活躍するエグゼクティブたちは、こうなってしまうことを全力で避けています。皆さんも身に覚えがあるでしょうが、この状態が続くと、結果的にハイパフォーマンスを維持できないからです。

彼らが重視するのは、むしろ体力を残して仕事を終えること。これを本書では「温存戦略」と呼んでいます。休めたら休むのではなく、休むために仕事をしているので、自然とハイパフォーマンスを発揮できるだけでなく、疲れが蓄積する前に休むことができるのです。

自己効力感を高めることに時間を使う

自己効力感とは、「自分ならできる」「きっとうまくいく」と自分の可能性を肯定的に認識できる心理状態のことで、世界水準のビジネスパーソンにとって、仕事で高いパフォーマンスを発揮するための源泉となっています。

自己効力感を高めるためには、次のような取り組みが効果的です。

  • 簡単な目標を設定して、小さな達成感を得る:読みたかった本を10ページだけ読む、など
  • 新しいことにチャレンジする:特に多いのが料理。新メニューへの挑戦など
  • 人とのつながりを大切にする:自分にエールを贈ってくれる人たちとの関係を大事にする
  • 自己省察の時間を持つ:ヨガや瞑想、15分程度の振り返りなど

また、自分が主役の時間をコントロールし、やりたいことを選択しているという点も、自己効力感を高めるのに有効です。誰にも評価される事のない、自分だけの楽しみの時間を持っているのも、世界の一流に共通している点です。

経営者が「世界の一流の休み方」を取り入れるメリット

「そうは言っても、日本の経営者には関係ないのでは?」という声が聞こえてきそうです。しかし、多忙な経営者の方こそ、世界の一流の休み方を取り入れることで大きく飛躍する事ができます。

業務効率改善

人間は、計画的に休息を取ると、集中力が高まり短期間で質のいい仕事ができることが分かっています。実際、有休消化率の高い会社ほど効率よく業務をこなす意識が浸透しているケースが多いです。

会社全体の生産性も高まる

経営者が率先して休暇を過ごすことで、社員にもその意識が浸透し、短い時間で結果を出そうと、組織全体の生産性も高まります

【事例】バイクが趣味のとある経営者は、年2回は北海道でバイク旅をしたいという理由から、コロナ禍以前からリモートワークの体制を整え、柔軟な働き方を推奨していました。

新たなビジネスチャンスの創出

趣味を通じての交流から、あるいは予期しない偶然の出会いから新たなビジネスチャンスが生まれることがあります。趣味の場というのは、同じものを好む者同士が集まっているので、よい人間関係が生まれやすい傾向にあります。

決断力と集中力の向上

仕事から離れ、頭をリフレッシュさせることで、疲れていた脳が回復し、鈍っていた創造力や決断力、集中力を取り戻すことができます。

日々の中に「一流の休み方」を取り入れるには?

特別な行動は必ずしも必要ではありません。まずは、漫然とした「ただボーっとしている」のを止め、意識的に休息の質を高めることから始めることが大切です。具体的には、新しい活動への挑戦、日常とは異なる環境への身の置き換え、デジタルデバイスからの意図的な距離の確保などが考えられます。

他にもすぐに取り組めるのは、次のような事です。

  • 何か新しいことに挑戦する:これまでやったことのないアクティビティに挑戦してみる。料理、キャンプ、運動、山登りなど
  • 普段と違う環境に身を置く:いつもと違う場所へ旅行に出かけたり、自然の中で過ごしたりする。
  • 徹底的にデジタルから離れる:スマートフォンやPCから意識的に距離を置く

少しずつでよいので、自分が興味をひかれた事から取り入れていくことがコツです。

長期休暇では、家族愛を深め、自己啓発につとめる

日本の長期休暇といえば、ゴールデンウイークや年末年始で最大10日間程度。ところが、世界では1ヶ月以上連続で休むことも普通です。一流のビジネスパーソンは、こうした長期休暇に、土日の休みではなかなか取り組めないことに、じっくりと時間を使います。

その代表格が家族旅行です。家族で長期旅行に出かけることは、ジェフ・ベゾスやマーク・ザッカーバーグといった世界的なリーダーたちも大切にしている過ごし方です。

もう一つ共通しているのが、長期休暇中に自己啓発をしていること。仕事に直接関係あることだけでなく、アートに触れて右脳を活性化させたり、読書を通じて知識と教養を深めているのです。特に、芸術鑑賞と読書は、もはやエグゼクティブ層にとっての必須要件とも言えるほどです。これらを学ぶことで、想像力や発想力を高めることができるのです。

ゴールデンウイークを「充電期間」から「進化の機会」へ

今年の長期休暇を、単なる疲労回復期間として捉えるのではなく、自己成長と事業発展のための「進化の機会」と再定義してみてはいかがでしょうか。

世界の一流の休息戦略を参考に、意識的な休息を取り入れることで、GW明けからの事業活動は、新たな局面を迎えることができるでしょう。