コンテンツに進む

【事例3選】ベテラン人材の活用が人手不足を救う!意欲を引き出す4つの仕組み

2026.06.04
Email X Facebook Line
【事例3選】ベテラン人材の活用が人手不足を救う!意欲を引き出す4つの仕組み

人手不足の労働市場ですが、「ベテラン人材」「外国人」「未経験者」の転職は増加傾向です。ベテラン人材の活躍方法について模索していきます。

INDEX

なぜ今、ベテラン人材の活躍が企業の重要課題なのか?

少子高齢化による深刻な人手不足時代に突入した今、多くの企業にとってベテラン人材の活躍が経営上の重要課題の1つとなっています。

これまで豊富な経験とスキルで会社の中核を担ってきた彼らの力を、定年までの残り期間、いかにして最大限引き出すか。企業の持続的成長は、この問いにかかっていると言っても過言ではありません。

しかし、多くの経営者や人事担当者がベテラン人材活用において、3つの大きな誤解に陥っているケースが少なくありません。

1つ目は、コストが高いという誤解です。確かに給与水準は若手より高いかもしれませんが、長年培った経験、高度なノウハウ、そして何より社内外の貴重な人脈は、そのコストに見合う、あるいはそれ以上の価値を生み出す人的資産であるはずです。

2つ目は、変化に対応できないという思い込みです。DXや新しい働き方についていけないと決めつけてはいませんか? 新しいスキルを学ぶリスキリングの機会や、挑戦の場さえ適切に提供すれば、変化に柔軟に対応できるベテランは数多く存在します。

3つ目は、モチベーションが低いという決めつけです。第一線から外され、期待される役割も与えられなければ、誰でも意欲は低下してしまいます。問題は本人ではなく、活躍の場を用意できていない会社側にあるのかもしれません。

ベテラン人材は、企業成長を牽引することができます。彼らの経験と意欲を正しく再評価し、新たな活躍のステージを再設計することこそが、人手不足時代を勝ち抜く鍵となります。


※画像提供:PIXTA

【続きは無料会員コンテンツです】

▼ この記事の後半では、以下の実践的なノウハウを公開しています

☑ 自社ですぐに真似できる「ベテランが活躍している3つの成功事例」
☑ 経験と人脈を最大限に活かす「4つの活躍フィールドの再定義」
☑ 年齢バイアスを取り除き、ベテランの意欲に火をつける「人事評価と環境整備」

最短10秒!メールアドレスを登録して続きを見る

無料プランの登録はこちらをクリック

登録済の方はをクリック

ベテランが活躍している3事例

①ベテラン社員しかできなかった見積もりをAI活用して若手でできる標準化を実現

製造業で試作品模型をつくっている企業の事例です。注文が入るのは工業用品の試作品などの一品ものが多く、その見積書は製造に精通した1人のベテラン社員にしか作れませんでした。

見積書を作るには製作に必要な設備や工数を割り出し、加工プログラム設計をシミュレーションして利益が出るよう計算しなければなりません。長年の経験と勘が必要とされ、他の社員にはとても真似ができない仕事だったのです。

この難しい見積書作成を、AIシステムで自動化することに挑戦しました。

AIシステムに、ベテラン社員が作成した過去の模型の図面データと、それに対応する見積書データを大量に読み込ませてデータベース化とルール化をし、ベテラン社員の見積書作成のパターンを覚えさせたのです。

これにより、AIシステムは新規案件の内容を既存の案件と照合し、類似する図面・見積書データを自動で出力できるようになりました。そのデータを参考に、新たな見積書を作成できるようになったのです。

作成された見積書は、最後に社員がチェックして手直ししてから顧客に渡しています。9割をAIが作り、残り1割を人間が作っているわけです。この自動化によって、経験が浅い社員でも見積書を作成することが可能になり、ベテラン社員も過去のデータを探す時間と手間が省けるため、業務負担も軽減しました。

特定の人に依存しない体制は、業務停止リスクを回避できる点で、経営面への効果が非常に大きいのです。また、人手不足対策、業務の透明化、作業削減による生産性向上という効果をもたらしました。


※画像提供:PIXTA

②長年の自動車整備士経験により、断らない自動車整備を実現する60代自動車整備士

自動車は多種多様な種類があり、整備する内容も多岐にわたります。この整備工場では、大ベテランがいることでどんな修理にも対応できるため、あそこの店に行けば何とかなると評判となり、整備の依頼が途絶えません。

また、高い技術を持っており、若手整備士から慕われており、定期的に勉強会をすることで技術承継をしています。この勉強会によって若手の離職率も低く、売上貢献、教育貢献と会社に大きな成果をもたらしています。


※画像提供:PIXTA

③特別研究員のフェローとして60代になっても海外市場情報や海外視察ツアーで活躍

特殊な海外情報を得るには卓越した人的ネットワークと高度な情報収集力が必要です。ベテラン社員は海外支社に勤めた経験や世界各地に赴いて仕事をしていたため非常に豊富な知見があります。

独自のネットワークで海外視察先の候補出しから先方との交渉フォローまでしています。視察ツアーでは参加者に分かりやすく説明もできます。このような特殊技能は稀有であり、60代になった現在においても多くのツアー参加者を魅了しています。海外視察で得た情報は社内にも共有し、社内全体の知力を高める貢献もしています。

成功法則①強みを活かす。ベテラン人材の4つの活躍フィールド

ベテラン人材が持つ強みを会社側が正しく認識し、活躍できるポジションを再定義することです。ベテラン人材ならではの「経験」「人脈」「俯瞰的視点」を最大限に活かす、具体的な4つの活躍フィールドをご紹介します。

1)技術・ノウハウの伝承者

ベテラン社員の頭の中に眠る熟練の技や営業の勘、すなわち暗黙知は、企業の最も貴重な資産です。しかし、それが個人のままでは、退職と共に失われてしまいます。彼らの技術をマニュアルや動画などに落とし込み、標準化しましょう。Teachme Bizのような動画マニュアルツールを使うほか、コストをかけずにYouTubeを利用するのも良いでしょう。最近だとAIに読み込ませてマニュアル化も進んでいます。

2)若手・中堅社員のメンター

若手社員は、評価に直結する上司には相談しにくいキャリアや人間関係の悩みを抱えています。そこで価値を発揮するのが、利害関係のない斜めの関係であるベテラン人材です。人生経験豊富なメンターとして、彼らの精神的なサポート役を担うことで、若手の早期離職を防ぎ、組織の風通しを良くする効果が期待できます。

3)人脈を活かす新規事業・営業支援

長年かけて築き上げた社外の広範な人脈は、お金では買えない資産です。第一線の営業からは一歩引いたとしても、その人脈を活かして他社とのアライアンスを模索したり、若手営業担当者と同行してキーマンを紹介したりするなど、貴重な顧客紹介や営業支援が可能です。

4)専門性を極めるプロフェッショナル(専門職)に昇華

営業、開発、製造など、特定の分野で卓越したスキルを持つ社員には、管理職ラインとは別のキャリアパスを用意しましょう。マイスター制度やフェローといった称号を与え、その道のプロフェッショナルとして現場で輝き続け、専門性をさらに高めてもらうことが組織全体の力を底上げします。


※画像提供:PIXTA

成功法則②意欲を引き出す。ベテラン人材を活かす制度と環境

ベテラン人材に新たな活躍フィールドを提示するだけでは十分ではありません。彼らがもう一度、本気で頑張ってみようと思えるような、意欲的に取り組んでもらうための仕組み、すなわち制度と環境の整備こそが成功法則の2つ目の鍵です。

1)年齢に関わらず挑戦できる環境

組織内に蔓延する「もうベテラン人材の年齢だから」といった無意識のバイアスを取り除く必要があります。例えば、社内公募制度を導入し、新規プロジェクトや新しいポストに、年齢や経験に関わらず誰でも手を挙げられるようにします。また、社内副業を解禁し、本業の傍ら、自身の専門性を活かして他部署の業務(例:経理のベテランが若手営業の数値管理をサポート)を支援する機会を作るのも有効です。こうした挑戦の機会こそが、ベテラン社員の意欲に再び火をつけます。

2)貢献を正当に評価する人事評価制度

ベテラン人材活用の最大の障壁の一つが、従来の役職をベースにした人事評価制度です。役職定年後、評価の軸があいまいになれば、モチベーションが低下するのは当然です。元部長といった過去の肩書ではなく、新たに設定したメンターや技術伝承者といった役割に対し、どれだけ貢献したかを正当に評価する仕組みへの転換が急務です。その貢献が、給与や賞与に明確に反映されることで、自分はまだ会社に必要な存在だという実感と誇りにつながります。

3)学び直しの支援

ベテラン社員に対し、会社側が一方的に「これを学べ」とDX研修などを押し付けるのは逆効果です。重要なのは、本 institutional のキャリア自律を促す支援です。まず、今後どのような役割で会社に貢献していきたいかを共に考え、そのために必要なスキルを明確にします。会社は、eラーニングや資格取得支援、外部セミナーへの参加費補助など、学びの選択肢を豊富に用意し、自発的な学び直しを後押しする姿勢を見せることが大切です。


※画像提供:PIXTA

まとめ:ベテラン人材は未来を創る財産である

深刻な人手不足時代において、彼らが持つ豊富な経験、熟練のスキル、そして社内外の貴重な人脈は、企業の未来を創るかけがえのない財産です。

もし彼らの意欲が低下しているように見えるなら、それは本人の問題ではなく、活躍の場と仕組みを適切に用意できていない経営側の課題にほかなりません。

経営者が今すぐ始めるべき第一歩は、大掛かりな制度改革の前に、まずは彼ら一人ひとりと真摯に対話することです。

会社はあなたの経験に、今後どう期待しているか、あなたは、その強みを活かしてどう貢献したいか。この率直なキャリアのすり合わせこそが、彼らの意欲に再び火をつけます。

生涯現役が当たり前となる時代、企業と社員はもはや上下関係ではなく、共に成長し続けるパートナーです。ベテラン人材という貴重な財産を最大限に活かし、企業と社員双方が成長し続ける未来を今こそ築き始めましょう。