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社長の役員報酬はいくらが正解?会社のお金と利益を守る財務計画

2026.07.21
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社長の役員報酬はいくらが正解?会社のお金と利益を守る財務計画
社長onlineで反響が大きかったコンテンツの1つに「社長のお金」に関する特集があります。社長の年収やお使いのお金に関心をお持ちの方は多いのではないでしょうか。中小企業の場合は、会社と社長がほぼ一体となっています。そこで、社長のお金に関してどのように計画を立て、管理していけばよいのかを考えていきます。

解説:船井総合研究所 小梢健二

INDEX

「社長の平均年収」はいくら?

社長は一体、いくらの年収を受け取っているのでしょうか。

国税庁が毎年発表している「民間給与実態統計調査結果」は、社長だけでなく役員も含めた「役員の年収の平均」を株式会社の資本金別で公表しています。最新の令和3年分の調査結果は以下となっています。

資本金2000万円未満:614.5万円
資本金2000万円以上:922.3万円
資本金5000万円以上:826.0万円
1億円以上:1043.0万円
資本金10億円以上:1603.4万円
株式会社合計:763.0万円

令和3年の給与所得者の平均給与は、前年比2.4%増の443万円となっています。これは、新型コロナウイルス感染拡大前の平成30年の441万円を超え、3年ぶりの増加となりました。平均賞与も、対前年伸び率が大幅に減少した前年のマイナス8.1%から3.1%へとプラスに転じ、2年ぶりに増加しました。「役員の年収平均」も株式会社の合計では、令和2年と比較して24.9万円増加しています。

次は、従業員規模で中小企業の報酬を見てみます。

『「役員報酬・賞与・退職金」中小企業の支給相場【2021年版】』(日本実業出版社)に掲載されている社長の役員報酬の平均額、中位額、最高額、最低額月額を基に年収をまとめました。


※小数点切り捨て

そして、人事院が公表している「民間企業における役員報酬(給与)調査」です。

令和元年度の調査結果によると、企業規模500人以上のうち回答のあった1560社の数字を集計したもので、「第3表 企業規模別、役名別平均年間報酬」は上記のようになっており、全規模平均では4622.1万円でした。

企業の規模が大きくなることで、経営者の報酬も上がっているのがわかります。

※上記の金額に差異がある理由は、国税庁の資料の指標は「給与」で人事院は「役員報酬」であること、また国税庁資料は対象が「役員」ですが日本実業出版社は「社長」に絞られていることなどがあります。

上場企業はサラリーマン社長が最も高い

上場企業の社長はどのくらいの報酬で、内訳はどうなっているのでしょうか。

株式会社日本総合研究所リサーチ・コンサルティング部門が公表している「東証一部・二部上場企業における役員報酬の支給実態調査(2021年度版)」によると、東証一部・東証二部上場企業2648社における社内取締役の平均年俸は3282万円となっています。

内訳は、基本報酬2304万円、賞与588万円、株式報酬311万円、その他11万円です。

上場企業の社長は①株主である社長(オーナー・オーナー家)、②サラリーマン社長(非オーナー)に分けられます。

社長online編集部がオーナー・筆頭株主である上場会社の社長の年収を関係者に取材したところ、年収の目安は3000万〜4000万円ほどが多いといいます。

「思っていたより低い」と感じた人も多いのではないでしょうか。

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▼ 記事の後半では、こちらについて紹介しています。

☑ 【テーマ1】オーナー社長の「見えない収入」の実態
☑ 【テーマ2】会社のお金と社長個人の資産を一体で考える視点
☑ 【テーマ3】経営安定に不可欠な「社長のお金の中長期計画」の作り方

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上場企業の場合、年収が外部に開示されることに加えて、上場企業は役員の総年収も公表する必要があります。そのため、社長であまりにも高い報酬を受け取っていると、社員にとっても顧客にとっても好ましくありません。公表が必要なものについては、あまり高額にしない傾向があります。

しかし、これとは別に上場会社のオーナー社長の報酬で大きな割合を占めるのは配当です。年収は少ない額にして、配当で3億円、4億円といった金額を受け取っている経営者は珍しくないといいます。

公表されているオーナー社長の株式保有数にその年の1株あたりの配当金の額を掛けると、社長の本当の収入が見えてきます。役員報酬に配当金を足した金額が、上場オーナー企業の社長の年収として言えるものでしょう。

サラリーマン社長(非オーナー)の場合です。

サラリーマン社長はオーナー社長と違って、配当で「見えない収入」をしっかりつくることができません。保有する株式はあるもののオーナー社長に比べればその数は圧倒的に少なく、配当収入は限られます。

また、その立場上、親族企業に仕事を発注するといったことも禁止されているため、別の収入をつくることができず、すべて給与で受け取るしかありません。

そのため、額面だけで見ると「上場企業のオーナーではない社長」が最も高い給与を受け取っている形になっています。

オーナー企業は「社長が多くの報酬を受け取る」のも経営健全化のための務め

社長の年収について発表されている数字を見てきました。

ここで考えておきたいのは、社長がお金をしっかり持っておく=会社の健全な経営のために欠かせないということです。

中小企業は、会社の借入金を社長が個人保証や担保提供をしているケースも多く、その場合は社長が借りているのと同様になります。中小企業は会社と社長がほぼ一体となっているとも言えます。

会社のお金が足りなくなったら社長のお金で補填する、すなわちオーナー社長にとっては会社のお金=自分のお金であり、自分のお金=会社のお金なのです。公私混同は良くないことのように感じられますが、会社と社長のお金に関しては「これは公でこの部分は私」と単純に割り切れない部分がたくさんあります。

そのため、社長が多くのお金を持っておくのは、会社経営の安定ならびにリスクヘッジのためにも欠かせないと言えます。

そのような観点から、社長は「会社として出た利益をどこに蓄財するのか」も考えなければなりません。

  • 自身の報酬(役員報酬)として受け取るのか
  • 役員・社員として会社に入れている親族の報酬として受け取るのか
  • 会社の利益剰余金として受け取るのか
  • 保険料として将来への蓄え、リスクヘッジとして計上するのか
  • 将来への事業投資として使うのか
  • 事業とは関係はないが利回りを求めての投資に使うのか
  • 株主への配当として使うのか

などが考えられますが、リスク回避や税務面など総合的な判断が必要になってきます。

そこで、中長期計画を策定する会社は多くあると思いますが、そういった会社の計画に合わせて「お金の中長期計画(会社版と社長個人版)」も作ったうえで、社長個人の資産計画も策定する必要があると考えます。

社長のお金の中長期計画を作るにあたり、以下が具体的に考えたいことです。

① 中長期的にB/S(貸借対照表)をどのように作っていくのか
・現預金はどの程度持っておく必要があるのか
・純資産はいくら安全圏なのか、利益剰余金をどのように積み上げるかがポイントになります。

② 投資をどのようにしていくのか
・事業投資は読み込みやすいが、非事業投資は将来的な利回りを期待してのものなので慎重にしなければなりません

③「個人としての」利益の分配
・「自身の役員報酬」「自身も含めた配当」「自身以外の親族の報酬」「積立としての保険料」など、利益の分配方法

④ 相続対策・事業承継対策も同時に考える

また、個人の資産計画に連動することもあるため、会社の事業計画づくりも重要になります。それにより、

  • 市況に左右されず、想定外の赤字や急なビジネスチャンスに適切な投資ができる
  • 資金繰りを可視化でき、計画的な経営や金融機関への融資も受けやすい
  • 数値をもって経営でき、自分自身やまわりへの適切な判断や説明ができる

といったメリットもあります。

事業計画としてP/L計画だけを作成している企業もありますが、正しい事業計画を作成するためにはそれに加えて、B/S計画もつくりましょう。可能ならキャッシュフロー計画もあるとよいでしょう。

P/L計画・B/S計画の5つのポイントを以下にまとめました。こちらも参考にしてみてください。

中小企業はオーナー経営者が実態としては大半の意思決定権を持っています。「将来、会社や自身がどのようになりたいのか」を常に考えながらお金についての計画を立てていく必要があります。


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