成約率1.5倍、客単価14%アップ! 「AIに選ばれる会社」になるために必要な決断とは
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2026.10.16
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- 「検索順位は1位なのに、Webサイトへのアクセス数が激減している…」 SEO対策に投資している経営者から、このような悩みを聞く機会が増えてきました。 それもそのはず、2022年末のChatGPT登場以降、ユーザーの消費行動が「検索してサイトを比較する」から「AIに質問して直接答えをもらう」へと根本的に変わってしまったからです。 そのため、従来のSEO対策に投資を続けるだけでは、競合に顧客を奪われる時代になりました。こうした状況に陥らないために、これからの経営者が下すべき決断について解説します。
執筆:社長online編集部 吉嶺菜穂
INDEX
【解説者紹介】船井総合研究所 沖山佑樹
2013年に船井総研入社。「スモールでも」「ローカルでも」をモットーにテクノロジーを使って、デジタルマーケティングに関する支援をしている。中堅・中小企業とプラットフォーマーとの架け橋として、支援先の商品やサービスを理解し、最適なプラットフォーム活用(ネット広告やデジタルツールなど)を推進している。
顧客が知らぬ間に離脱!?「サイレント淘汰」の時代が始まった
AIの登場によって、「検索結果に表示されたサイトに訪問しない」というユーザーが急増しています。GoogleやYahoo! JAPANで検索しても、検索結果のトップにはAIによる要約が表示されるようになったため、ユーザーはわざわざリンクをクリックする必要がなくなったからです。
Webマーケティングに通じる船井総合研究所の沖山佑樹は、こう話します。
「2022年末のChatGPT登場以降、ユーザーの消費行動が『検索してサイトを比較する』から『AIに質問して直接答えをもらう』へと根本的に変わりました。実際、多くの方は身に覚えがあるはずです」
検索結果の表示に満足し、ユーザーがWebサイトを訪れなくなる状態を「ゼロクリックリサーチ」と呼び、現在の検索行動の約63%に達しているというデータもあります(※)。
これを踏まえると、「SEO対策を講じて検索順位1位をとっても、ユーザーがサイトに来ない」という悩みは、至極当然のこと。
そもそもアクセスされないので、離脱率も計測できず、企業が知らぬ間に消費者の選択肢から除外されている——「サイレント淘汰」の時代になってきたのです。
AIからおすすめされれば、顧客単価14%アップのチャンス
しかし、アクセス数の減少を悲観する必要はありません。逆に、これは利益を増加させる大きなチャンスでもあります。
なぜなら、AI経由でWebサイトに訪れるユーザーは、「AIという優秀な営業マン」に事前にヒアリングされ、条件を絞り込まれたうえでやってくる「購入意欲が極めて高い顧客」と言えるからです。
「実際、Shopifyの調査では、AI検索を通じて訪れたユーザーの成約率は自然検索より約1.5倍も高く、平均注文単価も14%高いことがわかっています。AIがおすすめするだけで、単価が10%以上も上がるという点は見逃せない傾向です」(沖山)
つまり、これからのWebマーケティングは、「PV数(アクセス数)」を追うのではなく、「いかにAIに自社を推薦(レコメンド)させ、質の高い顧客を連れてこさせるか」にルールが変わったと認識すべきなのです。
▼ 記事の後半では、こちらについて紹介しています。
☑ AIに自社を「有力な選択肢」として推薦してもらう方法
☑ 問い合わせ全体の2割がAI経由になった社労士事務所の事例
☑ 「AIエゴサーチ」を活用して自社の現在地を知る実践手法
AIフレンドリーな企業が生き残る
では、AIに自社を「有力な選択肢」として推薦してもらうにはどうすればいいのでしょうか?
AI検索対策で成果を出している2つの事例を紹介します。
事例1:問い合わせ全体の2割がAI経由になった、社会保険労務士事務所
一般的に、社労士事務所のWebサイトには費用が明示されておらず、「要見積もり」とされていることが多いです。
しかし、同事務所では『料金の目安』を具体的にWebサイトに公開。その結果、予算や条件をAIに相談するユーザーに対し、AIが「条件に合致する専門家」としてこの事務所を引用しやすくなり、全体の約2割がAI経由の問い合わせへと成長しました。
事例2:地域でのおすすめとして紹介され、予約数が増加した美容院
多店舗展開をしている同社は、Webサイト、予約サイト、SNSなどに散らばっていた店舗情報(店名・住所・電話番号)の表記を完全に統一しました。
これにより、AIが第三者の口コミなどの評価を同一店舗のものとして正しく認識できるようになり、AIの「おすすめ上位」に表示されやすくなりました。結果として、予約数が増加しました。
「競合に知られたくない料金やリアルな失敗事例を公開することは、経営者にとって勇気のいる決断でしょう。しかし、情報を伏せればAIは自社の強みを推測してくれません。いかにAIが読み取ってくれる情報を出せるかが勝負なのです」(沖山)
事例の社労士事務所のように、たとえそれが目安料金であったとしても、情報をオープンにした企業だけがAIに選ばれるというわけです。

まずは「AIエゴサーチ」で、自社の現在地を知る
成約や集客、問い合わせを目的にしたWebマーケティングの潮流は、確実に変化しています。AI対策を講じている企業と、そうでない企業とでは大きな格差が生まれることは間違いありません。
自社がどれくらいAIにおすすめされているかを知る最初の一歩として、『AIエゴサーチ』をしてみるとよいと沖山は話します。まずは、手元のAIを開いて自社について質問してみましょう。
「AIエゴサーチをするときには、自社名を入れても意味がありません。『顧客が抱える悩み』で聞いてみて、その回答に自社の商品・サービスが表示されるかを見てください」(沖山)
例えば、以下のような質問です。
- 「東京都内で人事労務のDXに強い社会保険労務士事務所を教えてほしい」
- 「荒川区で40代女性に評判の美容サロンを比較してほしい」
- 「中小企業向けの勤怠管理システム導入を支援できる会社はどこか」
そこで自社がおすすめとして表示されなければ、それが今のあなたの会社の立ち位置です。
エゴサーチの結果が芳しくなかったとしても、まずはこのギャップを組織全体で共有し、AIが読み取りやすいように一次情報を発信し続ける体制づくりへと舵を切っていくことが大切です。
旧来のSEO業者に投資を続けるか、AIに選ばれるための情報開示に踏み切るか。まさに今、その過渡期に入っています。Web担当者へ任せきりにせず、経営者自身が陣頭指揮を執る意識を持つことこそが、この「ネット検索大変革」の時代に勝てる企業のやり方だと言えるでしょう。
