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中小企業のための「刺さる求人」のポイントと5つの成功事例

2026.10.25
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中小企業のための「刺さる求人」のポイントと5つの成功事例
「お金を出して出稿しているのに、まったく応募が来ない」 と諦めていませんか? しかし、全国には同額の予算でも、しっかりと応募者を獲得する企業も存在します。その大きな差は「求人文言の書き方」にあります。求人募集がうまくいかない原因の7割はここにあると考えています。

解説:船井総研ヒューマンキャピタルコンサルティング 井田大樹

INDEX

なぜ、自社の求人は見向きもされないのか?

求人票には一般的に勤務時間や給与、福利厚生などを記載しますが、それらをそのまま箇条書きにしていませんか? これがまず典型的な「弱い求人募集」です。

埋もれてしまう「弱い求人」の例(編集部作成)
応募者からすると、どれも同じような求人に見えますし、具体的にどんな業務をするのか、どんな会社の雰囲気なのかがイメージしづらくなります。さらに、条件を箇条書きにしていることで、「条件勝負」の土俵へと持ち込んでしまっているのが陥りがちな最大の罠です。給与や福利厚生では、大手に競り負けてしまうからです。

また、「風通しがいい」「残業ほぼナシ」「急なお休みを取りやすい」といったありきたりなワードを使う会社も多いですが、これもよくありません。「いいところの寄せ集め」のような求人では、誰の心にも響かないからです。

応募者を激増させた、5つの成功事例

では、早速ですが、文言を変えたらどのような効果があるのか、成功した事例をもとに見ていきましょう。

「共感型」文章に変えたら、応募数が3倍以上に

これまでは箇条書きで求人を出しており、応募が月3件だったある企業の例です。若手営業職男性にペルソナを絞り、彼らが持っているであろう悩みに寄り添う、以下のような文章に改善しました。

あなたが今、悩んでいるのはきっとこんなことではありませんか? 「営業は頑張っているのに、給与が全然増えず将来が不安…」 (中略)だからこそ、当社では“安定した高い給与”を提供することにこだわっています!

また、写真で「社員同士の仲の良さ」を視覚的にアピール。結果、1年間で112名の応募(20代が70名以上)と13名の採用を実現しました。ポイントは、「悩みへの共感」そして「その悩みを解決できる」と自社の強みを訴求したことです。

入社後のライフスタイルを提案し、大手との採用競争に勝つ

30〜40代有資格者を募集していたある企業では、近隣への大手競合進出によって採用時の提示賃金が高騰していました。そのため給与以外の「充実したライフスタイルを実現できる」というメリットを訴求する路線に振り切りました。

求人見出しを「定時上がりで子供との時間を過ごせる」「清流釣りを楽しめる」といった文言にすることで、40名以上の応募を集め、優秀な人材4名の採用に成功しました。

超ニッチ職種でも、検索ワードの工夫次第で人材を獲得できる

ある介護用品レンタル事業の営業職の求人では、その職種内容がニッチであることから検索数も少なく、応募がほとんどありませんでした。そこで、近しい職種である理学療法士(PT)や作業療法士(OT)をペルソナに設定して見出しや文章を作成。

「患者さんの生活環境まで支援したい」という病院勤務PTの悩みに共感するメッセージを届けたことで、わずか3カ月で83名の応募を獲得しています。

「犬と遊べる」メリット訴求で、130名以上の応募を獲得

都市部に位置する企業では、一般的な営業・事務の求人は他社に埋もれてしまいがちです。そこでこの会社では、新規事業の「犬カフェ」の看板犬をイメージ画像に採用し、犬と一緒に働けるというソフトメリットを前面に打ち出しました。結果、8カ月で131名の応募を獲得したほか、応募者の年齢層も低くなりました。
文章での訴求のほか、インパクトのある画像を使うことも効果があります。

仕事内容を行動レベルで表現、応募へのハードルを下げる

「土木の現場作業員」という名称を「資材運びのお手伝い系」へ変更し、人口減少が顕著な地域にもかかわらず41名の応募を獲得した事例です。

現場作業員というと何の仕事をするのか具体的なイメージが持ちにくいため、実際に行う業務を行動レベルで表現することで、応募者の心理的なハードルを下げることができます。これは全業種に共通しますが、特にBtoBでは効果が高い手法です。

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▼ 記事の後半では、こちらについて紹介しています。

☑ ターゲットが「なぜ今、求人を見ているのか?」を考える
☑ 自社が欲しい人物像のペルソナを作り、求職者のニーズを知る
☑ PASONAの法則で、実際に求人文章を作ってみる

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ターゲットが「なぜ今、求人を見ているのか?」を考える

求人募集はマーケティングだと考えています。そのため、「誰に」「何を」「どうやって」伝えるかを徹底的に精査して文章を構成することが大切です。

  • 自社が求める人物像:会社としてどんな人を採用したいか
  • 他社が出している条件:競合企業が求人票でどんなアピールや条件を出しているか
  • 市場の求職者が求めていること:ターゲットとなる求職者が仕事に何を求めているか

採用活動において狙い目となるのは、「①自社」と「③求職者」の希望は一致しているけれど、「②他社」の円からは外れている部分です。つまり「求職者が求めていて、自社も提供できる価値だけれど、ライバル企業はアピールしていない独自の魅力」を打ち出すことです。
その前提を踏まえて、文言を作る前に一度、情報を整理しておきましょう。

①自社の魅力を知る

客観的な弱みと強みを明確にします。経営者が考えていることだけでなく、現場の声も重要な参考情報になります。

「うちに入社した理由は?」「転職活動のときには何を考えて求人を探していたのか?」

こんな質問から思わぬ強みが見つかることも多いです。特に「なぜ今、この会社に居続けているのか?」という質問には、自社の一番の強みが隠れていることがあり、訴求ポイントにつながりやすいです。

②他社の魅力、打ち出し方を知る

求職者は常に他社と比較して応募を判断します。他社がどんな打ち出し方をしているか知らないと、いつまでも埋もれたままになってしまいます。目を引く見出しの付け方、募集内容の書き方、画像の作り方など、参考にできる点はチェックしましょう。

③自社が欲しい人物像のペルソナを作り、求職者のニーズを知る

そして、応募してほしい人物像をイメージします。

【例:ペルソナ設定】

  • 属性:30代 男性 市内在住
  • 経歴:地元の住宅販売会社に新卒入社して4年目
  • 実績:口下手だが誠実な対応。トップ営業ではないが粘り強さはある。
  • 職場環境:「数字至上主義」。上司からの激しい叱責が日常化している。

よくあるのが「どんな人が欲しいか?」と考えると、マネジメント力があってAIにもある程度精通している即成果が出せる営業担当…と、最後には大谷翔平のようなマルチプレイヤーができ上がってしまうことがあるので絶対にNGです。そんなときは、今まで実際に採用できた人物を思い浮かべて、現在の自社の立ち位置を確認しましょう。

【例:ペルソナが持つ不満の本質】
「お客様のため」と思って提案しても、上司から「利益率が低い」「即決させろ」と怒られる。「誠実であろうとするほど、社内で評価されない」という矛盾に絶望している。

ペルソナが「会社に何を求めているのか」を言語化することが重要です。求職者はそもそも、現状に不満や課題があることがほとんどですから、その「悩み」を理解するためです。
大きなくくりとしては、「給与待遇」「休日・働き方」「人間関係・社風」「成長・キャリア」などがあります。

ノルマに追われて疲弊しているのか、成果を出しても昇進できないのが不満なのか、給与は十分だが休みが取れないのか、残業ばかりで家族との時間が取れないのか…。求める人物像によって持っている悩みも異なります。
何に対してどんなふうに悩んでいるのか? そもそもなぜ今、求人を見ているのか?を具体的にイメージしましょう。

PASONAの法則で、実際に求人文章を作ってみる

PASONAの法則とは、経営コンサルタントの神田昌典氏が提唱した、対象者に行動を促すための文章術です。今回でいうと特に「PAS」の部分の作り込みは、求人票が最後まで読まれるかに直結します。

先述した事例を用いて、詳しく見てみましょう。

Problem(問題):求職者の悩みに寄り添う
【例】
「営業は頑張っているのに、給与が全然増えない…」
「この先、結婚を考えたときに今の給与で大丈夫かな…」
営業経験のある人ほど、こんな悩みを抱えているのではないでしょうか。

Affinity(親近感):求職者に共感する
【例】
同じ悩みを持って、私たちの会社に転職してきた仲間も少なくありません。
「前職では、成果を出しても給与が横ばいで不安だった」
そういう声をよく聞いてきました。

Solution(解決策):悩みに対して自社が解決できる理由を説明
【例】
だからこそ、当社は高い給与を提供することにこだわっています!

このように文章構成を変えることで、単なる箇条書きの求人票とは印象が様変わりしたと思います。
そして最後に、「必須条件」として最低限必要な条件(普通自動車運転免許、資格など)、自社や職種に合う人物像が持つ側面(人と話すのが好きな方、自分の頑張りが正当に評価されたい方、など)を明示します。会社説明は最低限にとどめます。

他にも、求職者を引き付ける文章の書き方には、いくつかコツがあります。例えば、「重要な情報は太字にする」「求める経歴を列挙する」「(スマホで見やすいよう)1文は20文字程度に」「業務ではなく行動を書く」といった繊細な手法もありますが、前提は変わらず、ペルソナにいかに自社の良さを伝えられるか?に尽きることを忘れないでください。
そして文章ができたら、広告出稿の前に、ぜひ現場の社員、特にペルソナに最も近い人に感想を聞いてみましょう。この文章なら応募してみたいと思うか、意見をくれるはずです。

しっかりとペルソナに訴求できる文章を作ることができれば、ほとんどの企業は今よりも反応が出ると考えています。同じ予算を使うのであれば、マーケティング思考を持って、より求める人物像に刺さる求人募集を出しましょう!


船井総研ヒューマンキャピタルコンサルティング 井田大樹


中央大学卒業後、船井総合研究所に入社。
営業会社を中心に採用~早期戦力化まで一気通貫したコンサルティングを実施し業績UPを実現している。
採用においてはマーケティング発想を用いた企業ごとの“独自の惹きつけ戦略”を考案・実行することを得意としている。

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