4200社超の実績から見えた「広告費ゼロでメディアに選ばれる会社の共通点」
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2026.07.04
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- 「自社の商品をニュースに載せてもらい、認知を広げて売上を伸ばしたい」。そう考える経営者は多いのではないでしょうか。 しかし、累計4200社のPRをサポートしてきた株式会社ネタもとの本村衆社長によると、多くの企業がPRを「宣伝」と勘違いし、本来のPRを行っていないと言います。 ・中堅中小企業が行うべき本来のPRとは? ・記者を食いつかせる具体的なPRの仕掛け方とは? 明日から広告費ゼロで実践でき、企業の認知拡大につながる広報戦略をお伝えします。
執筆:船井総合研究所 山内淳史
解説:株式会社ネタもと 代表取締役社長 本村 衆 氏
INDEX
(もとむら・あつむ)1961年、東京生まれ。青山学院大学経済学部在学中より学生起業家として活躍。1981年にセールスプロモーション企業を設立後、2000年に株式会社リアライズを設立、代表取締役に就任。独自のPRプラットフォームを開発し、企業の成長をサポート。2018年にサービスをリニューアルし、現社名に変更。 著書 /『経営にPRを ~経営者の広報は「社員のファンづくり」から~』(ダイヤモンド社)
ほとんどの社長は「PR」の意味をはき違えている
本村社長によると、ほとんどの企業がPRを始める動機は「自社の商品やサービスがメディアに取り上げられて、売上を増やしたい」というものだと言います。
しかし、この認識だと、いくら情報発信をしても、載せたいメディアに載ることはありません。
PR=宣伝=売上アップ、ではない

実際、「PR」という言葉は、ほとんどの場合「宣伝」のニュアンスで用いられています。たとえば、展示会で「PRブース」を出展したり、就活生に対して「自己PR」を求めたりしますよね。
しかし、これらはPRではなく「アドバタイジング」です。自社に都合の良い情報を、都合のいいタイミングで出すのは本質的なPRとは言えません。単なる情報の押し付けです。
PRの正式名称は「パブリックリレーションズ」であり、翻訳すれば公(社会)との関係づくりです。ステークホルダーと良い関係をつくることが第一目標であり、業績アップはそれに付随するものであることを、まず押さえてください。
PRも理念が基盤。まずは「社内のファン作り」

PR活動で最も大切となるのは、意外にも「社内のファンをつくること」です。
社内のファンがPR効果を最大化させる
インターネット上で話題を集め、すぐに利益につなげたいと考えてしまうと、せっかく露出しても効果は得られません。
しかし社内にファンがいれば、会社が好きになり、現場は明るくなり、クレームや離職は減っていきます。メディア露出効果が、一過性のものではなくなります。
「ラーメン店がテレビ番組に取り上げられたら、お客さんはものすごく増えるでしょう。でも、店員の態度が悪かったら、お客さんは二度と行きませんよね」(本村社長)
そのためにも、日頃から経営理念やミッションを浸透させておき、スタッフのロイヤリティを高めておくことが大切です。
社内にファンがいれば、PRは「自走化」できる

社員が会社を好きであれば、情報発信にも積極的になります。お金をかけずとも、会社の良い情報が社員から発信され、SNSや知人経由で広がっていき、PRが「自走化」します。
PRが自走化している状態とは、外部のPR会社に広報活動を代行してもらわなくても、企業が自らの力でPR活動を完結できるようになる状態です。外注コストを0円にでき、社長や社員の想いを、そのままメディアに届けられます。
顧客志向の姿勢が、メディア露出を増やす
社内の基盤が整ったところで、ここからはメディア露出を増やすための具体的な手法に迫ります。「メディアに合わせたプロダクトPR」と「年間計画に基づいたコーポレートPR」の2つをご紹介します。
▼ 記事の後半では、こちらについて紹介しています。
☑ 【テーマ1】プロダクトPRの効果を高める3つの方法
☑ 【テーマ2】あなたの会社には無限に広がるネタがある
☑ 【テーマ3】メディアへ「営業」する体制づくり
プロダクトPRの効果を高める3つの方法
PRには大きく分けて、プロダクトPRとコーポレートPRの2つがあります。

プロダクトPRは、新製品の発売やイベント出展のようなストレートなニュースリリースを指します。
大手企業であれば、新製品を1つ出すだけでニュースを賑わせます。「トヨタが新車を発表」「任天堂、新型ゲーム機を発売」といったニュースを見かけたことがある方も多いのでは。
一方の中小企業の場合、よほど独自性がない限り、新商品をメディアが取り上げることはありません。新商品を毎月のように出せる企業も限られるでしょう。では具体的にどのような工夫が必要なのでしょうか。
①「メディアが欲しい文脈」にかぶせる
まずは、メディアに寄り添うことです。
大前提として、メディアが特定の企業や商品を取材したいと思うことはほぼありません。メディアにはその時々で報じたいテーマがあります。企業はそのテーマを補強できるような情報をタイミングよく提供すればよいのです。
例えば、数年前に販売開始した防災グッズであっても、3月上旬に「東日本大震災から〇年、災害に備え進歩する防災グッズ」というタイトルのリリースを出してみるなど。
世間の関心事に適合した情報を出すことで、メディアに拾われやすくなります。
②商材にプラスして「業績」を発信する
好調な業績を発信できるなら、「〇〇(製品)の売上が前年比120%の理由」などのリリースを出してみるべきでしょう。
ユーザーの声を題材に、「なぜ〇〇(製品名)を使ったことで、この店の行列が2倍になったのか」などの「状態論」のプレスリリースも有効です。メディアは「どうして売上が伸びているんだろう?」と関心を示します。
③業界全体の客観的なデータを発信する
業界全体の客観的データを調査して発信するのも一つの手です。
現在、メディア側の経営状況も厳しく、以前のようにリサーチ会社を気軽に使うことができず、かつてほどメディア関係者は個々の業界について詳しくありません。
そこで、データを自社でまとめて発信します。自社データだけでなく、すでにあるデータを加味しても構いません。目指すべきは、自社が専門家としての知見を持っている会社だとメディアに認知してもらうことです。なにかにつけ、取材依頼が入るようになります。
コーポレートPRは無限に広がる「ネタの宝庫」

「発信するネタがない」と悩む企業こそ活用したいのが、コーポレートPRです。
コーポレートPRなら、季節や時事と、社長・スタッフの想いや福利厚生などの制度を組み合わせるだけで、ネタが無限に作れます。
【事例】鳥羽水族館の「水中入社式」
例えば、三重県の鳥羽水族館は、毎年3月20日頃に「水中入社式」を行うだけで、過去17回にわたり全国放送のテレビに取り上げられています。
勘違いしてはいけないのは、メディアは鳥羽水族館や水中入社式そのものを取材したいというよりも、視聴率やPVにつながるユニークな入社式ネタを探しているということです。
「わが社のような小さい会社にほんとに取材が来るのか?」と思うのは早計です。メディアは関連情報を3~4件取材してから発信することが多いため、中堅中小企業にもごく普通に取材を申し込みます。
PRの年間計画例
では、限られた予算でメディアに振り向いてもらうにはどうするべきでしょうか。
日頃からニュースをチェックし、載せてほしいメディアがどういった情報発信を行っているか知っておくとともに、自社の事業や商品、スタッフなどと関連付けができないか意識しておくことが大切です。
ポイントはメディア関係者が「今やっている企画に役立ちそう」と、一目で分かるタイトルにすることです。あくまで参考例ですが、下記の画像のようなコーポレートPR計画はどうでしょうか。
このほかにも、ニュースでよく見る社会課題である、環境保護、地方創生、高齢者対策、少子化対策、シングルマザー、地域の助け合い、国際交流などは通年でメディアの目を引きやすいテーマです。
ベースは「メディアの欲しがる情報を欲しくなるタイミングで届ける」という、顧客志向の考え方です。
メディアへ営業できる仕組みと体制をつくるには
これからメディアとの接点を強化していく場合、待つだけではなく、プッシュ型の「営業」をすることが肝心です。
メディアリストを作り、ランク付けをし、載せてほしい媒体には電話連絡するなど、メリハリのあるアプローチを行います。
メディアリストはどう作る?
メディアリストは、広報イベントに積極的に出るなどして作成します。ネタもとは年4回「メディア交流会」の機会を設けており、各回、約100人の現役メディア関係者が参加しています。
地方企業がPRを行う場合、まずは地元メディアにアプローチすることが鉄則です。地元メディアのほうが掲載されやすく、東京のメディアにも地方メディア経由で情報を届けられるためです。
【メディアへのランクの付け方例】
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Aランク:
絶対に取り上げてもらいたいメディア。有名なテレビ番組や、自社のターゲットに合ったメディアを設定します。ここに対しては、プレスリリースを送るだけでなく、媒体を理解した上で編集部に電話をかけ「貴社が掲載すべき理由」を伝えるなど、通常の営業活動のように熱くアプローチすることが求められます。 -
Bランク:
AとCの中間に位置するメディアです。 -
Cランク:
現時点では自社との関連性が薄いメディアです。ただし関係性の構築は重要で、しっかりとリリースを届け、取材依頼があればきちんと応じるべきでしょう。Cランクのメディアで仲良くしていた記者が、将来Aランクのメディアに異動・転職する可能性があるためです。
広報人材は「兼務」で確保
中小企業で広報専任者がいるのは珍しいケースです。より効果的にPRを推進する場合、本職との兼務でPRプロジェクトチームを作るのがおすすめです。
プロダクト広報は顧客の声を直接聞いている営業担当が行い、コーポレート広報は社内制度に詳しい総務の担当が担い、自社の情報を最も理解している経営者が関与し、チームを構築していきます。
こうした体制が整うと、徐々にPRは自走化していきます。結果としてメディアへの露出が増え、一流メディアに載るようになり、巡り巡って自社の売上や採用にポジティブな効果をもたらすのです。
PRとは、経営である。

メディア宛てのプレスリリースは毎日大量に届きますが、そのなかで記事として採用されるのはごくわずかです。だからこそ、気の利いた本来のPRを行うだけで差が付き、世間での認知度を高めることができます。
社長には「露出が増えたらどうしたい?」が問われる
ただ、メディア露出はあくまで手段であり、PRの原理原則はステークホルダー全体のファンづくりである点は踏み外してはいけません。
メディアに出れば社員は盛り上がりますし、媒体によっては信用につながります。問題は「メディアに出て、どうしたいのか」。これはトップの経営理念に絡んできます。「PR=経営」という本質を理解し、ぜひ経営戦略の中にPR戦略を組み込んでみてください。
【本記事のまとめ】
- PRの目的は宣伝ではなく公(社会)との関係づくりである。
- PRの成功は社内のファンづくりと理念の浸透から始まる。
- メディアの欲しがる文脈に合わせる顧客志向の姿勢を持つ。
- ストレートなニュースがなくてもコーポレートPRでネタは無限に作れる。
- 専任がいなくても兼務のプロジェクトチームでPR活動は自走化できる。
ネタもとのメディア「広報PRのチカラ」では様々な企業の成功事例を発信されています。ご興味があれば、ぜひご覧ください。
【会社概要】
社名:株式会社ネタもと
代表取締役社長:本村 衆
設立:2000年11月15日
電話番号:03-3401-7777
資本金:15,200万円(資本準備金含む)
本社:〒107-0061 東京都港区北青山2-12-16 北青山吉川ビル 4F
事業内容:
・広報自走化に向けたPR業務代行・アドバイザー業務
・企業・団体と報道関係者をつなぐ各種PR支援コンテンツの提供
会社HP:https://netamoto.co.jp/
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