第2回: お金がたまる社長の行動〈コスト削減編〉
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2026.11.07
著者:社長online編集部 平田賢司
INDEX
社長の手元にお金を残す「無駄な支出のせき止め」
売上や利益が順調に伸びていても、無駄な支出を放置していては、会社にも社長個人の手元にも十分なキャッシュは残りません。固定費や変動費を根本から見直し、お金の流出を構造的にせき止めることこそが、最終的に「社長個人のお金を残す・増やす」ための確実な一歩となります。
本連載『お金がたまる社長の行動』では、全5回にわたり、会社と社長個人のお金を構造的に残すポイントをまとめています。第2回のテーマは、会社の無駄な支出を徹底的に削る「コスト削減」です。
まずは以下の10項目でいくつ「YES」といえるかセルフチェックしてみてください。以降、各項目について詳しく解説します。
▼ 記事の本編では、こちらについて紹介しています。
☑ 外注費や専門家報酬を適正価格に保つルールとは
☑ 高コストな採用費を激減させる採用
☑ 手残りを最大化するなら、交際費から?

オフィスの「家賃交渉」や「規模縮小」を検討している
お金が減るリスク: 家賃は固定費の最大要因ですが、「一度契約したらそのまま」という会社がほとんどです。周辺相場と比べて高い家賃を払い続けたり、出社人数が減って無駄なスペースがあるのに放置したりしていると、毎年数百万円単位のキャッシュを無駄に失い続けることになります。
解決策: 契約更新のタイミングで周辺相場を調べ、不動産会社へ家賃交渉を行いましょう。また、リモートワークが定着しているなら、思い切ってオフィスの縮小(減床や移転)を検討し、最も重い固定費を抜本的にカットしてください。
通信費や定期購入サービス(SaaSなど)を年1回見直している
お金が減るリスク: スマホ料金やクラウドサービスは、より安価で性能の良い新プランが次々と登場しています。それにもかかわらず昔のプランのまま放置していると、使っていないオプション料金も含めて、見えない固定費が毎月じわじわと会社の利益を削り取っていきます。
解決策: 決算期や年度始めなど「年1回」のタイミングを決め、通信費や定期購入サービスのプランを一斉に見直すルールを作りましょう。最新の最適プランへ乗り換えるだけで、機能は落とさずに毎月の固定費を確実に減らせます。
不要なサブスクや退職者のアカウントを削除している
お金が減るリスク: 社員が退職したのにソフトウェアのアカウントを消し忘れたり、誰も使っていない有料アプリを契約したままにしていると、毎月数千円〜数万円がどぶに捨てられる状態になります。ちりも積もれば年間で数十万円の利益を失うことになります。
解決策: 半年に1回はクレジットカードの明細や経費精算の履歴をチェックし、稼働していない「幽霊アカウント」や不要なサブスクリプションを徹底的に解約・削除する仕組み(棚卸しルール)を設けましょう。
外注費は既存業者に依存せず「相見積もり」を取っている
お金が減るリスク: 長年の付き合いだからと、外注費やシステム開発、資材調達などを同じ業者に「言い値」で発注し続けると、市場価格より割高になっていることに気づけません。結果として、本来会社に残るはずの利益が業者のマージンに消えてしまいます。
解決策: 例えば年に1回、あるいは一定金額以上の発注の際は、必ず複数の業者から「相見積もり」を取るルールを社内に徹底しましょう。相場を把握することで、既存業者への価格交渉の強力な材料にもなり、適正価格での発注を維持できます。
外部の「専門家」を定期的に見直している
お金が減るリスク: 会社の規模やニーズが変わっているのに、昔からの付き合いで高い顧問料を払い続けているケースが少なくありません。単に試算表や給与明細の作成作業にとどまっているのに高額な報酬を払っていると、費用対効果の合わない支出が固定化してしまいます。
解決策: 現在の会社の規模や、求めているサービス内容(資金繰りアドバイスや手残りを増やす提案など)と顧問料が見合っているか、定期的に見直しましょう。必要であればプランの変更や、より自社に合った専門家への変更を検討してください。
リファラル採用を積極的に行っている
お金が減るリスク: 人材紹介エージェントに頼りきりになると、1人採用するたびに年収の約30〜35%(数百万円)もの手数料が飛んでいきます。採用活動を外部の高コストな手法に依存し続けると、せっかく稼いだ利益が採用費で吹き飛んでしまいます。
解決策: 社員からの紹介(リファラル採用)の制度化や、自社サイト・SNSでの直接採用に力を入れましょう。エージェントに払う手数料の一部でも社員に「紹介報酬」として還元すれば、採用コストを大幅に下げつつ、社員の満足度も上げることができます。
ペーパーレス化を推進している
お金が減るリスク: 請求書や社内資料を紙で印刷・郵送し続けると、用紙代、トナー代、切手代といった直接的なコストがかさみます。さらに「印刷して封筒に入れ、宛名を書いてポストに投函する」という社員の作業時間(見えない人件費)まで無駄に消費してしまいます。
解決策: クラウドの請求書発行システムなどを利用し、書類の完全ペーパーレス化を進めましょう。直接経費をゼロにするだけでなく、社員の無駄な作業時間をなくすことで、目に見えないコストも一気に削減できます。
法人カードを活用している
お金が減るリスク: 社員が経費を立替払いし、後日振り込みで精算していると、毎回の振込手数料がかさむだけでなく、領収書の確認や精算処理に膨大な手間(見えないコスト)がかかります。また、会社の大きな支出に対して何の還元も受けられないのは大きな損失です。
解決策: 用途に応じた法人カードを導入・配布し、経費の支払いをカードに集約しましょう。精算業務の手間と振込手数料を極限まで減らせるとともに、会社の経費支払いで貯まったポイントやマイルを、社長の出張費などに充てることで手残りを増やせます。
費用対効果の合わない「交際費(飲み代・会費)」を削っている
お金が減るリスク: 「情報交換のため」「付き合いだから」と、売上や有益な情報にまったくつながらない惰性の飲み会や、参加していない団体の会費(商工会議所やロータリークラブなど)を払い続けていませんか? これらは社長の財布(会社のお金)からダイレクトに現金を奪う最大の穴です。
解決策: 交際費や諸会費について、「この支出は自社の利益に貢献しているか?」というシビアな基準を設けましょう。効果のない付き合いを断ち切るだけで、毎月数万〜数十万円単位の現金が、そのまま会社の純利益として残ります。
支払いは振込手数料の低いネットバンクを活用している
お金が減るリスク: 「融資の付き合いがあるから」「昔から使っているから」という惰性で、振込手数料の高い銀行から毎月送金し続けていませんか? 月に何十件もの支払いを数百円の高い手数料で行っていると、年間で数十万円という「何の価値も生まないコスト」に貴重な現金(利益)を奪われ続けてしまいます。
解決策: 振込手数料の安いネットバンク(法人口座)を開設し、日々の「支払い(送金)」のみネットバンクへ切り替えましょう。融資を受けているメインバンクには一定の預金残高を残して関係性を保ちつつ、振込手数料という純粋な現金の流出だけを確実にストップできる、非常に即効性の高い方法です。
無駄な支出を削って会社に残した現金こそが、社長個人の手取りを増やす最強の原資になります。次回の第3回〈資金繰り編〉もぜひチェックしてみてください。
