IQ20アップも可能!時流を読む経営者になる「頭の鍛え方」
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2026.10.30
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- もっと速く理解したい。複雑な問題を整理し、人より先に変化を見抜きたい。そんな願いに対し、「IQは後天的に鍛えられる」と説くのが、株式会社バランス&チューニング代表取締役の秋谷光輝氏です。同氏は著書で、3か月のトレーニングでIQが10~20以上伸びた受講生の例を紹介しています。何を、どのように鍛えるのか。日常でできる練習と、経営への生かし方を聞きました。
著者:船井総合研究所 吉嶺菜穂
INDEX
秋谷光輝氏:株式会社バランス&チューニング代表取締役。IQ185(sd24)、JAPAN MENSA会員。新卒でソニー株式会社に入社後、オーディオ設計のエンジニアとして16年勤務。その後独立し、IQトレーニング講座「ExpIQ(エクスピーク)」を開発。物事の変化を読み取り、自ら解決策を組み立てる力の開発に取り組む。著書『衰え知らずの脳トレ習慣(日本実業出版社)』『今から伸ばす!IQトレーニング(大創出版)』ほか
「頭が切れる」とは、どういうことか
同じ資料を見ているのに、他人が見落とした変化をすぐに指摘する。議論が行き詰まると、問題を整理して次の一手を示す。仕事をしているとそんな切れ者に出会います。長年、会社を率いてきた経営者の皆様も、そう感じる瞬間があったのではないでしょうか。またはご自身がそういうタイプなのかもしれません。
こうした「切れ者」というのは、1つの情報から多くの仮説を立てられますし、目の前の課題に対して本質を見抜き、シンプルな解決策を提示することができるのが特徴です。
この力は天賦の才なのでしょうか? それとも経験則からくるものなのでしょうか?
答えのない不確実な情報のなかから、仮説として答えを出し、挑戦する。数値やデータからこの原因となる事象を仮説を立てることができる。もちろん、こうした頭のキレは経験則やカンのようなものから生まれているのかもしれません。
秋谷氏「カンや経験則で判断すること自体は悪くないと思います。それでうまくいっているときは、それでいいのではないでしょうか。ただし人間は、年々視野が狭くなり、察知能力も衰える傾向にあります。そんなときに役立つのが、思考力の基礎的な部分です」
蓄積した知識や経験を使う力が「結晶性知能」。一方、未知の問題から規則性を見いだし、解決策を考える力が「流動性知能」と言いますが、秋谷氏が着目するのは後者です。
秋谷氏「AI時代の到来により、『知識を持つこと』の価値が相対的に低下していることは誰もが感じていること。そんな中で『自分で考え、意思決定できる力』、つまり流動性知能の重要性はますます高まっています」
答えを覚えるのではなく、本質を見抜く力が大切
秋谷氏によれば、流動性知能を鍛えることはIQ向上につながっているのだと言います。IQは、知能の複数の側面を測る指標です。例えば成人向けの知能検査「WAIS-IV(ウェイス・フォー)」テストでは、言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度の4つの指標と、総合的な全検査IQを算出しています。
こうしたIQを構成する能力のなかで秋谷氏が特に重視するのが、「物事の変化パターンを見抜く力」「先を予測する力」といった知覚推理なのだと言います。
秋谷氏「学校のテストでは、記憶力の高さが頭の良さとして評価される傾向にあります。しかし実社会では、『未知の課題に出会ったとき、その裏には何が隠されているのか?』を推測できる方が強い。この力はIQ能力開発を通じて鍛えることができますし、何歳からでも遅くありません」
秋谷氏が提供するIQ講座の受講生は、おおむね3か月でIQ100程度からIQ120~130までアップ。また、全人口の上位2%のIQを持つ人が入会できるというMENSAの入会テストでは、受講生81人のうち53人が合格したと言います。
IQを鍛える4つの練習――「わからない」で止めず、見方を変える
IQアップのトレーニングでは、図形などの問題から、自分で変化の規則を探します。一度解いた問題の答えを覚えることが目的ではありません。「こうなっているんじゃないか?」と仮説を出し、確かめる過程を繰り返すのです。
① 一つの視点だけでなく、別視点からも規則を探す
図形の並びを見て規則がつかめないとき、同じ方向ばかり眺めていないでしょうか。秋谷氏が促すのは、縦、横、斜めなど、見る方向を変えること。一方向では無関係に見えた図形も、別の方向から見ると共通点や変化が見つかることがあるのだと言います。
取り組む際は、まず自分がどの方向を見ていたかを意識します。横に見てわからなければ縦に、それでもわからなければ斜めに見る。さらに、複数の要素を組み合わせて考えます。
大切なのは、思いつくのを待つのではなく、自分から見方を切り替えることです。「わからない」を、別の角度を試す合図にします。
② 全体でわからなければ、要素に分ける
複雑な図形を、一度に理解しようとする必要はありません。秋谷氏は、シンプルなものに分解して捉えることを重視します。
例えば図形問題なら、形、数、向き、位置などに分け、1つずつ変化を追ってみます。「形は変わっていないが、向きは変わっている」と整理できれば、調べる対象を絞れます。
取材に同席した同社の社員も、IQトレーニングの効果として「分解して考える」ことができるようになったと話します。
同社社員・三上氏「同じレイヤーで考えてはいけないことを、同じレイヤーで考えるのが間違っているなと気が付くのです。複雑なことでも、分解して分けて考えれば理解できるようになります」
③ 解説を見る前に、自分の仮説を出す
秋谷氏のトレーニングでは、「自分で組み立てる、出力する」ことを重視します。
問題が解けないと、すぐに解説を読みたくなります。しかし、その前に「こういう規則ではないか」と、自分なりの説明を1つ考えてみます。
例えば、「向きが順番に変わっているのではないか」と考えたら、その規則がほかの図形にも当てはまるかを確かめます。合わなければ、数や位置など、別の要素に注目します。
最初の仮説が外れても、そこで終わりではありません。秋谷氏は書籍でも、「間違っちゃった!」「解けなかった!」という経験を失敗ではなく、新しいことを学ぶ機会として捉えようと提唱しています。問いの正解を読んで納得するだけでなく、自分の考えを出して確かめる。
④ 1つ解けても、「ほかにないかな?」と続ける
日常でできる方法が、車のナンバープレートなどの4つの数字を使い、四則演算で「10」をつくる練習です。
「1・2・3・4」をそれぞれ1度ずつ使うなら、例えば次のように考えられます。
- ① 1+2+3+4=10
- ② (3×4-2)×1=10
- ③ (3×2+4)÷1=10
最初の式ができても、そこで終わらせません。足し算で解けたなら、掛け算や割り算も使えないか。数字の組み合わせを変えられないか。秋谷氏が促すのは、「ほかにないかな?」と考え続けることです。
運転中は避け、同乗中などに試してみてください。速さを競うより、違う解き方を探すことに意識を向けます。
「売上が落ちた」で終わる社長と、その先を読む社長の違い
こうした練習の考え方は、経営にも応用できます。
例えば売上資料を、いつもの前年同月比だけでなく、顧客別、商品別、時期別に見る。すると、全体の落ち込みに見えていたものが、特定の顧客層や商品に集中した変化だとわかるかもしれません。これは、見る方向を変える発想です。
次に、売上を客数、購入頻度、1回当たりの購入額などに分けます。「売上を何とかしなければ」という漠然とした悩みを、「既存顧客の購入頻度が下がった理由を調べる」という具体的な課題に変えていくのです。
そこで「競合に流れたのではないか」と思っても、1つの説明で止めません。顧客の在庫調整や、購入方法の変更など、別の可能性も考えて確かめます。
仮に、小口購入への切り替えが進んでいるとわかれば、小容量商品や配送頻度の見直しが選択肢になります。同じ変化がほかの顧客にも広がるかを調べれば、次の需要を考える手掛かりにもなるでしょう。
秋谷氏は、トレーニングによって、同じデータから読み取れる範囲が変わり、今まで気づけなかったことに気づけるようになると説明します。変化を捉え、仮説を立て、確かめながら先に動く。その思考を経営で使うことが狙いです。
判断の根拠を言葉にすれば、社員との共有にもつながります。社長だけが持っていた勘を、ほかの人も使える確認項目や判断基準に変えていくのです。
1日数分、「知った」を「やってみた」に変える
秋谷氏は書籍で、能力を身につける過程を「知る(インプット)」「わかる(理解)」「やる(アウトプット)」の3つに整理しています。
方法を読んで理解しただけでは、実践はまだ始まっていません。まずは気になる問題を1つ選び、以下の過程を試してみます。
- 見る方向を変える
- 要素に分ける
- 自分で仮説を出す
- 解けたら、別の解き方も探す
最初から長時間取り組む必要はありません。秋谷氏が勧めるのは、1日数分でも、楽しみながら続けること。新しいパズルやゲーム、身近な「なぜだろう?」も考える題材になります。
明日、売上資料を開くときにも、「いつもと違う切り口で見ると何がわかるか」と問いかけてください。気づいたことを1つ書き、その理由を自分で考え、確かめる。それが仕事の中でできる実践です。
もっと理解したい。もっと見抜きたい。その願いを、年齢を理由にしまい込む必要はありません。これまでの経験に、新しい見方を加える練習は、今日から始められます。
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