優秀な社員が会社を見限る「社長の無意識NG行為」11選
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2026.06.18
「若手からのネガティブな報告が遅い」 「優秀な社員から辞めていく」。こうした原因は、社長自身の「無自覚なNG行為」にあるかもしれません。若手の仕事観は平成世代と大きく変わりました。 春に入社した社員が会社を見極めているこの時期だからこそ、ぜひ今のふるまいに問題点はないか、確認してみてください。記事末尾にチェックリストを付けています。あわせてご活用ください。
INDEX
執筆者:株式会社船井総合研究所 山内淳史
危険度★☆☆:チリツモで空気を淀ませる「違和感」
まずは、社長の特権意識やちょっとしたルーズさから生じるアクションを取り上げます。すぐには組織の危機に直結しませんが、若手社員の心が離れていく原因となります。
箔づけのつもりで、社長室に有名人との写真を飾る
社長室に芸能人や政治家とのツーショット写真を置いていませんか。「会社の信用度アップ」「人脈の広さのアピール」をしているつもりの写真でも、若手社員からは承認欲求がむき出しだと冷ややかな目で見られる可能性があります。
オフィスに自分専用の福利厚生がある

画像提供:PIXTA
自分用のエスプレッソマシンなど、趣味で買った高いアイテムが社長室に置きっぱなしになっていないでしょうか。案外、社員は社長室に入室した際の景色を見ているものです。社員にとっては、搾取、公私混同というイメージを与えかねません。
会社に導入したDXツールを社長自身が使っていない
「業務効率化だ」とチャットツールを導入したにもかかわらず、社長は「電話の方が早い」とアナログな連絡手段を使い続ける、社員からのチャットに返事をしない、といったケースです。
「年寄りだから…」と特権的な運用をしていると、「社長がやっていないから適当でいいや」と私用LINEやSNSのDMでのやり取りが蔓延していく引き金になります。行きつく先は情報漏洩です。
「返信は月曜でいいよ」と書き添えて、休日にチャットやメールを送る
一言添えて配慮したつもりでも、通知が来るだけで社員にとってはプレッシャーです。休日に仕事のアイデアが湧いてしまうのは社長の性(さが)ゆえに仕方ないとはいえ、「つながらない権利」と呼ばれる、労働時間外には仕事の携帯電話や電子メールなどへの対応を拒否できる権利にも注目が集まっています。送信は必ず月曜朝に予約するなどのマイルールを設けるべきでしょう。
Gメールなどのいくつかのメーラーでは予約送信機能が備わっているものもあります。詳しくはこちらの記事をご確認ください。
こういった小さな違和感が積み重なると、次第に現場の空気は悪化していきます。
危険度★★☆:モチベーションを削ぎ落とす「すれ違い」
社長の言葉と行動が裏腹になることで、若手が諦めモードに入るNG行為です。
ブランディングのつもりでSNSに自己啓発メッセージを投稿する

画像提供:PIXTA
投稿ボタンを押す前に、「月曜の朝、通勤中の社員がこれを見たらどう思うか」を想像するクセをつけましょう。熱量の高い経営者ほど、「若手採用に繋げたい」という意図から、XなどのSNSで「圧倒的成長こそすべて」「20代こそ仕事に費やせ」などと発信しがちですが、既存社員には搾取の正当化と映る場合もあります。
「経営者目線を持て」と言うが、決算書などの経営情報は公開しない
「コスト意識を持ってほしい」という純粋な期待であっても、売上や利益率などの判断材料(数字)を伏せたまま目線だけを求められれば、社員から「サラリーマンの給料のまま、自分の責任は分担させようとしてくる」と感じさせる場合があります。経営者目線を求めるなら、PLとBSくらいはオープンにするのが筋です。
今の社員に、過去のダメだった社員の話をする

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「昔うちの会社に検索大手のY社から転職してきた奴がいたんだけど、別にたいして使える人じゃなかったんだよな。結局1年で辞めてもらったよ」…これは渋谷のとある中小企業の経営者が、本当に言っていた言葉です。
経営者本人にとっては、「あいつに比べてお前たちは優秀だ」と持ち上げるための善意だとしても、聞いた社員は「自分がいない所では、私もこう言われているのだろう(あるいは将来こう言われるのだろう)」という不信感を抱きます。
こうした無意識の差別・偏見をアンコンシャスバイアスと言います。
「失敗してもいいから挑戦しろ」と言うが、失敗を評価プロセスに組み込んでいない
経営者は、社員にどんどんビジネスを広げてほしい一心でこうした言葉をかけるのですが、経営者と社員では負うリスクの質が異なります。
いちばんの違いは、雇われる側が「減点方式」で評価されることがほとんどで、失敗のリスクに対する考え方が経営者と対照的であるということ。これはサラリーマン経験のある経営者であれば共感いただけるのではないでしょうか。
そのため、経営者が心理的安全性の担保のつもりで発破をかけても、評価制度が伴っていない精神論は、「どうせ挑戦して失敗したら出世に響く、ボーナスが下がる」とシラけさせる原因になります。
評価制度に反映するのが難しくとも、挑戦した人を称える「チャレンジ賞」を設定して、ミニボーナスを渡す程度の取り組みは今日からでもできるのではないでしょうか。
危険度★★★:優秀な人材が絶望する「組織崩壊の決定打」
ここからは、組織崩壊につながる「レッドカード」な行為です。
社長の「お友達」のVIP採用
「組織の壁を突破する右腕が必要だ」と、気心の知れた優秀な知人を破格の待遇で引き抜くのは、経営判断としては理解できます。しかし、既存社員にとっては裏切り行為に近いでしょう。
例えば組織改編にあたり、入社して10年の中堅が、あと一歩のところで役員に手が届くかと思いきや、社長の旧友や別部署のベテランが抜擢され、自分の待遇はそのまま。これでは納得されないでしょう。求人広告に「社歴より実力で評価します!」など書いている会社であれば、言わずもがなです。
コツコツ頑張っても報われない会社 #現場猫 pic.twitter.com/XuLRVt2nWh — からあげのるつぼ (@karaage_rutsubo) May 4, 2022
出典:からあげのるつぼ(@karaage_rutsubo)氏
社員への還元を後回しにし、過度な節税や高級車購入に走る
画像提供:PIXTA
「節税対策」などの真っ当な理由があっても、社員の給与が上がっていない状態で行えば、「自分たちが稼いだ利益を社長が搾取している」としか思われません。
まずは社員の環境改善や給料に還元し、余った利益を自分が受け取るという優先順位にしなければ、言行不一致により人が離れていきます。
基本給アップが不安であれば、決算賞与を導入するのもおすすめ。高級腕時計や高級外車をSNSで自慢するのはその次です。
また、過度な節税は財務の観点からもあまりお勧めできません。
優秀な社員の退職理由を、自分にとって都合良く解釈する

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本当は社長自身のマネジメントや組織体制に原因があるにもかかわらず、「次のステージに行きたいらしい」とポジティブに自己完結してしまうケースです。
会社への不満がつのって辞める社員に対して「卒業おめでとう!(応援して送り出す自分はイケてるなぁ)」という態度では、真の課題から目を背ける経営者だと公言するようなものです。
中小企業は経営者によって99%が決まります。つまり「経営者が改善しない」ということは「会社が改善されない」ということ。
- 不満を残し、退職した社員は、社長のことをどう思うでしょうか。
- 退職者本人と既存社員との飲み会があったら、どんな会話になるでしょうか。
そこまで想像すると、「退職者をどう扱うか」の視点が変わってくるはずです。
すぐできる対策:主語を変える
今回挙げたもの以外にも、社員からの信頼を損なう行為は地雷原のように広がっています。1個1個覚えて対策するのは無理でしょう。
NG行為の根本にあるのは決して悪意ではなく、むしろ善意のほうが強い場合が目立ちます。
ではなぜNG行為になってしまうのか?
その本質は、「独りよがり」です。主語を「自分」から「社員」に切り替えて、考えましょう。
新しいツールを入れる時、SNSに投稿する時、経費を使う時、コンサルから提案を受けた時。アクションを起こす直前に、自分ではなく「一番疲れている社員が見たらどう思うか」と想像するクセをつけてください。このワンクッションを置くだけで、致命的なエラーは防げます。
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