【社長のリアル】業績は「体調」に比例する。高収益企業のトップが実践する健康管理のリアル
-
2026.08.26
-
- 経営者にとって、最大の資本は自分自身の体です。しかし、日々の業務やトラブル対応に追われ、自身の健康管理を後回しにしてしまっている方も多いのではないでしょうか。 「自分がいなければ会社が回らない」という強い責任感を持つ経営者ほど、皮肉なことに自身の健康リスクに対しては無頓着になりがちです。体調不良を気力でカバーし、睡眠時間を削ってまで事業に打ち込む姿は、高度経済成長期であれば称賛されたかもしれません。 しかし、複雑化し変化の激しい現代のビジネス環境においては、経営者の思考のクリアさと決断のスピードこそが企業の生命線となります。
執筆:船井総合研究所 社長online編集部 小梢健二
INDEX
社長onlineが独自に行った経営者アンケートのデータ(中小企業の経営者206名の回答、年商の中央値は3億円~10億円)からは、企業の業績と、経営者の健康への投資姿勢に驚くほど明確な相関関係があることが浮き彫りになりました。
トップの健康状態は、そのまま会社のパフォーマンスに直結します。本記事では、独自のデータをもとに、高収益企業や急成長企業のトップが密かに実践している健康戦略のリアルに迫ります。
浮き彫りになった事実:赤字企業は「無防備」、高収益企業は「予防」に投資する
経営の質は、自身の体に対するリスク管理の姿勢に如実に表れています。
「現在、健康のために定期的に実践・投資しているものは何か」を聞いたところ、会社の営業利益率と相関関係があることが見えてきました。
▼ 記事の後半では、こちらについて紹介しています。
☑ 超高収益企業社長の半分がやっていること
☑ 営業利益率別の「健康への月額投資金額」
☑ 業績向上に直結する経営者が取るべき3つの「健康戦略」

営業利益率40%以上の超高収益企業の50.0%が高度な人間ドック・遺伝子検査に投資しているのに対し、赤字企業では7.4%にとどまります。さらに赤字企業の22.2%は「健康のために何もしていない」と回答しています。
業績が低迷している赤字企業の経営者は、目の前の資金繰りや現場への指示判断に忙殺され、自分の体を顧みる余裕を失っています。その結果、22.2%もの経営者が特に何もしていないと回答し、病気や突然の体調不良といった重大な経営リスクに対して完全に無防備な状態となっています。
一方で、営業利益率40%以上を誇る超高収益企業のトップは、自分が倒れることが会社にとって最大のリスクであり、最大の損失を生むことを深く理解しています。そのため、特に何もしていないと回答した経営者は皆無(0.0%)であり、半数(50.0%)が病気になる前の先制防御(予防医療)として、高度な人間ドックや遺伝子検査にしっかりとコストと時間をかけていました。
経営者の学び:健康投資は「大金」ではなく「適正額の習慣化」が鍵
「健康はお金で買うものだ。高収益企業の社長だから高いお金を払えるのだろう」そう考える読者もいるかもしれません。
しかし、「1ヶ月あたりの健康維持への投資額」のデータは、別の真実を語っています。

月額の健康投資額を見ると、営業利益率40%以上の超高収益企業の66.7%が「1万円以上〜3万円未満」の範囲に収まっています。また、前年対比で120%以上〜150%未満の急成長企業の層でも、半数以上(54.6%)が同じく「1万円以上〜3万円未満」の投資額と回答しています。
月に5万円、10万円といった多額の費用をかけているわけではないのです。
赤字企業では44.4%が「1万円未満」と、健康への出費を極力抑えようとしている傾向が見られます。
ここからの最大の学びは、業績の良い経営者ほど、月額1万〜3万円という現実的な予算の範囲内で良質な習慣を継続しているということです。
突発的に高額なエステや最新医療にお金をかけるのではなく、フィットネスジムの会費、質の高い睡眠のための環境づくり、あるいは定期的なスポーツやサプリメントの服用など、日常的にコンディションを整える仕組み作りに長けていることが、アンケートの回答から見えてきます。この毎日の小さな積み重ねが、激務を乗り切るスタミナと、的確な経営判断を下すためのクリアな思考力を支えています。
今後どうすべきか:経営者が取るべき3つの「健康戦略」
「体が資本」という言葉は、経営者にとっては単なる格言ではなく、最もシビアな財務指標の一つです。
自らを最強の経営資源としてフル稼働させるために、データから導き出される今後の具体的なアクションは以下の3点です。
① 「人間ドック・高度な健康診断」を年間計画に組み込む

「時間がない」「悪い結果が出るのが怖い」といった理由で健康診断を後回しにするのは、経営者として重大な怠慢です。コンプライアンス違反と言っても過言ではありません。超高収益企業の半数が実践しているように、まずは年1回の高度な人間ドック(脳ドックや心臓ドック、遺伝子検査などを含む)を、最優先の経営タスクとしてスケジュールにロックしてください。これを費用ではなく事業継続のための投資と捉えるべきです。
② 月額1万〜3万円の「健康維持予算」を天引きする

健康への投資を「今月は余裕があるから」と余ったお小遣いから捻出するのではなく、月額1万〜3万円をあらかじめ自身のメンテナンス費用として予算化しましょう。この予算内で、パーソナルトレーニング、定期的なテニスやゴルフ、質の高い食事やサプリメントなど、自分が無理なく習慣化でき、かつストレス発散になるものへ投資してください。
③ 「何もしていない状態」からの即時脱却
もし現在、あなたが健康のために特に何もしていない状態であれば、それは自社の業績低迷を招くリスクシグナルかもしれません。いきなりハードな筋トレを始める必要はありません。まずは週に1回のウォーキングや、睡眠の質を計測するスマートウォッチの導入、休日のサウナなど、手軽に始められるものから着手し、心身のメンテナンスを行う習慣を作ることを即座に導入することが急務です。
経営者の体力と思考のクリアさは、そのまま企業の決断スピードと質に直結します。自社の財務諸表や売上目標を追うのと同じ情熱で、ご自身の健康の貸借対照表も定期的に見直し、盤石な経営基盤を築いていきましょう。
